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宣伝会議賞ファンが、仕事でコピーを書くようになって感じたこと。

「よし、宣伝会議賞でグランプリをとって、電通に入るぜーー!!」

マジで恥ずかしいんですが、本気で昔はそう思ってました。とりあえず公募で実績を残せば、それが面接で有利にはたらくと信じ切っていたんですよね。あの頃は「コピーを書きたい」んじゃなくて、「みんなを驚かすコピーを書いて有名になりたい」という気持ちの方が強かった気がします。完全に承認欲求の塊ですね(笑)

宣伝会議賞は、そんな承認欲求をエネルギーにできる場所といいますか。「一言でみんなを驚かせてやろう」という大喜利発想で、とにかくユニークなコピーを意識して書いていた気がします。「課題」ではなく、「お題」。「入力フォーム」は「大喜利のフリップ」のような感覚。まぁ、宣伝会議賞の場合は「課題解決」として真正面に取り組んでいるコピーだけではなく、「とにかく面白い発想」「とにかく面白い表現」のコピーも評価されやすい気もしたので、そんなところもマッチしていたのかなと思います。

宣伝会議賞は「とにかく数を書く」「何でもいいから面白いのを出す」という方針でやっていたこともあって、コピーライターとして活動するようになった当初も「とにかく数を提案する」「面白いコピーを出す」という感じでやっていました。

いやー、全く刺さらなかったです(笑)

そもそもクライアント様は「数をたくさんもらいたい」と思っているわけではなく、「面白い言葉が欲しい」と思っている人も意外と少なく、「言いたいことを、ちゃんと伝わるかたちにしたい」というニーズが圧倒的に多かったことに初めて気づいたんですよね。決して「世間を驚かしたい」とか「面白いこと言って笑わせたい」ではないんです。

あ、コピーって、コミュニケーションなんだと。

別に世間を驚かせなくていいんです。伝えたい相手に、振り向いてもらえれば大成功。クライアント様の「伝えたい言葉」を、お客様に「伝わる言葉」に変換する。そんなコピーの根本にやっと気づけるようになりました。

言葉を創造する仕事
というより
相手を想像する仕事。

「クライアント様が言いたいことって、なんだろう?」
「この商品、だれにどう言ったら、興味を持ってくれるだろう?」
本当、その行ったり来たりで、言葉をひねり出していくような感覚です。

公募・・・自分の才能に気づいてほしい(利己的)
実務・・・相手の魅力に気づいてほしい(利他的)

どっちがいい悪いとかではなく、結構真逆なんですよね。もちろん公募で受賞できたら嬉しいんですが、ご提案したコピーでお客様を喜ばすことができたときこそが、もう本当、幸せの瞬間だなと感じるようになりました。

今、ありがたいことに「ことばやさん」というサービスで、キャッチコピーの制作依頼を受けることが多くなりました。感謝されるキャッチコピーを提案できるよう、今後もがんばってまいります。

https://kotobayasan.com/

「ことば選び」は、本当、「プレゼント選び」みたいです。来年もいいプレゼントをたくさん贈れるように頑張ります!


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