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第1896回 違った意味の身近なスズメ

①https://kanji.jitenon.jp/kanjie/2497.htmlより引用の漢字の「雀」 

   ①のタイトルイラストの漢字の「雀」を読めない方はいらっしゃらないと思います。念のためにこの漢字の読みは訓読みで「すずめ」、音読みで「ジャク」で、意味は「鳥のスズメ」が主で、稀に「スズメの羽の色の雀」。「雀」という漢字は会意文字であり、上部の『小』の部位と下部の『隹』の二つで構成され『小』は形容動詞で「ちいさな」を表し『隹』は「古鳥(ふるとり)」で小さな鳥を表しています。代表的な鳥がスズメということになります。今でも鳥の大きさの基準です。

②-1.https://www.birdfan.net/2007/07/02/1631/より引用のつがいのスズメ(右がメス、左がオス共に体長約15㌢)

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②-2.https://zukan.com/jbirds/leaf92326より引用のつがいのニュウナイスズメ(左がメス、右がオス共に体長約14㌢)

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   その漢字「雀」の代表的な鳥が身近である②-1.の写真のスズメです。飼鳥以外のどんな野鳥の中でも、昨今その生息数を減らしているとはいえ、やはり、家を出てあう野鳥がスズメだと思います。そんなスズメは日本では、農耕地から都市部などの人の生活の傍で見ることのできる、人家の近くに生息する小鳥です。日本には「スズメ」と名前が付く鳥は、民家近くに生息するスズメとは対照的に、林や森などを好む②-2.のニュウナイスズメです。この鳥はスズメが雌雄同色に比べ、オスはスズメに似ていますが頬に黒斑がなく、写真をご覧になってお分かり頂けるように、メスの体色はオスと比べて薄い色合いになっています。スズメは留鳥で、ニュウナイスズメは日本では主に北海道の平地の林や本州中部以北の山地で5月から7月にかけて繁殖し、関東地方以南の暖地で越冬する漂鳥です。二種の近種にカシラダカがいます。

③-1.https://net1010.net/2008/06/post_1655.phpより引用のつがいのシジュウカラ(共に体長約14㌢)

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③-2.http://www.tori-tori-tori.com/?p=77387より引用の雌雄同色のつがいのヤマガラ(左がメス、右がオス共に体長約14㌢)

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③-3.https://www.birdfan.net/pg/kind/ord17/fam1701/spe170104/より引用の雌雄同色のヒバリ(体長約16㌢)

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③-4.https://kids.yahoo.co.jp/zukan/pet/bird/finch/0080.htmlより引用の雌雄同色のイエローカナリヤ(体長約12㌢)

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   スズメの漢字表記の「雀」が名前に付いています野鳥はということになりますと、スズメの他、ニュウナイスズメ(入内雀)の二種、③-1.の写真のシジュウカラ(四十雀)、ヤマガラ(山雀)、ヒガラ(日雀)、コガラ(小雀)、ゴジュウカラ(五十雀)、ハシブトガラ(嘴太雀)の五種は「カラ」という仲間で、その他にはヒバリ(雲雀)、タヒバリ(田雲雀)、イワヒバリ(岩雲雀)のヒバリ三種、オオヨシキリ(大葦雀)、コヨシキリ(小葦雀)のヨシキリ二種の野鳥12種、何と飼鳥にも「雀」が名前に付いている鳥があり、カナリヤ(金糸雀)、一種の合計13種です。

④-1.http://earthresources.sakura.ne.jp/er/ES_BI.htmlより引用の「スズメ」科の系統図

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④-2.http://www.birdfan.net/2021/01/15/81064/より引用のハクセキレイ(体長約21㌢)

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④-3.http://www.birdfan.net/2015/04/03/34025/より引用のビンズイ(体長約16㌢)

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   前項までは、ただ単に「雀」の漢字表記を持った仲間を紹介致しましたが、この④の系統図のスズメハタオリ亜科の鳥は残念ながら日本には生息しません。スズメ亜科にはスズメをはじめとしてニュウナイスズメがいます。ヒバリはスズメ亜科には含まれませんが、イワヒバリは遠縁の「イワヒバリ科」に含まれます。更にセキレイ科があり、④-2.の写真のハクセキレイセグロセキレイキセキレイイワミセキレ(旅鳥)の四種に加え、タヒバリ(冬鳥)、④-3.の写真のビンズイ(漂鳥及び夏鳥)と、この二種もセキレイの仲間になります。

⑤-1.http://earthresources.sakura.ne.jp/er/ES_BI.htmlより引用のスズメ目の系統図

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⑤-2.http://www.birdfan.net/2021/06/11/82562/より引用のウグイス(オス体長約16㌢、メス体長約14㌢)

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⑤-3.http://www.birdfan.net/2019/05/10/70571/より引用のオオルリ(体長約16㌢)

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⑤-4.http://www.birdfan.net/2013/06/14/23088/より引用のキクイタダキ(体長約10㌢)

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⑤-5.http://www.birdfan.net/2018/12/07/66588/より引用のハシブトガラス(体長約56㌢)

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   ⑤-1.の系統図から、大筋枠でいいますスズメ目の特徴は、さえずるための器官である鳴管が発達しているかどうかで、この鳴管の構造の違いなどによって、スズメ亜目であります鳴禽類かどうかが決まります。またその他のスズメ目の仲間はタイランチョウ亜目であります亜鳴禽類と、イワサザイ亜目に三分されます。この二つの亜目の鳥のは日本には生息は致しません。スズメ亜目にはシジュウカラをはじめだとするカラの仲間や、モズの仲間、レンジャクの仲間のキレンジャクヒレンジャク。⑤-2.のウグイスの仲間のヒヨドリツバメエナガなど。ヒタキの仲間の⑤-3.のオオルリをはじめとして、ジョウビタキツグミなどさえずり上手がいっぱいです。⑤-4.のキクイタダキなんてミソサザイと日本の野鳥で一二を争う小さな身体。スズメの仲間は小さな小鳥が多いと思いきや、⑤-5.みたいなハシブトガラスのような厳つい大きな野鳥も仲間です。スズメの仲間は現生鳥類約1万400種のうち半分以上の約6200種がスズメ目に含まれ、鳥類最大の目であるといいます。

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