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第678回 生き物が群れる

①http://japanese.china.org.cn/life/2018-01/04/content_50190639.htmより引用のムクドリの幻想的な群れ

   私は野鳥が好きですから、冒頭にはやはり野鳥の群れのイラストを掲載致しました。「群れる」を辞書で引いてみると『一か所に多く集まる。むれをなす。むらがる。』となっています。なんかわかったようなわからないような…私たちが日常生活において「群れ」を身近に見ることが出来るのは、まず第一に毎日通っている通勤路の会社へと向かう人の群れ、天気の良い日には、駅舎からドバトの群れが空を旋回して、何処かへと飛び去ります。これらが毎日の目撃す「群れ」です。

②http://gahag.net/004722-sheep-herd/より引用のヒツジの群れ

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   人間や野鳥の「群れ」は身近に見ることが出来ますが、昆虫となると身近なのは、梅雨も明けて夏になった頃、蒸し暑く明日は雨が降ろうかという夕方に、羽虫が柱になって群れていたり、夏には何処からかアリの行列が、お菓子やほかの虫の死骸に群がったり、お盆の際には何処からかアカトンボの飛行隊が群れて飛んでいたりとします。サカナは大きな公園や養殖の溜池で、マゴイやヒゴイが列をなして、通行人から餌をねだる為に群れています。動物だけは見たことはありません。

③https://jp.123rf.com/photo_16706903_魚の群れ.htmlより引用のイワシの群れ

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   動物園やサファリでは、ライオンやゾウなんかも見ることは出来ますが、群れを作るほどの頭数は残念ながら集めることは不可能なので、動物の群れだけは、テレビやDVDの画像でしか見ることはできません。要するに今回のテーマは生きとし生けるものは、何故「群れ」るのか。私たち人間は群れることが好きな人もいれば嫌いな人も居ます。これは人間だけが言葉をもち、意思表示ができるからだと思います。しかし、人間以外の生き物はなんらかの法則に従って「群れ」ます。

④https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/15/269653/010500046/より引用のアリの群れ

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   野鳥の群れはきちんとV字型を描いたり、何かの拍子に一斉に飛んだり、野鳥達はお互いにぶつかりもせず集団で行動します。水族館の水槽にはサンマやアジなどの魚の群れを見ることができます。無数の魚の群れが、互いに衝突することなく水槽の中を泳ぎ回ります。これらの群には指揮者は存在しませんし、私達のように言葉で指示をしている訳でもありません。それは群れを形成する個体が、周囲環境を認識し、何かの行動規則に従うだけで一糸乱れない群れが生まれるのです。

⑤https://jp.depositphotos.com/90643966/stock-illustration-the-crowd-of-abstract-people.htmlより引用の人の群れのイラスト

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   魚や野鳥がこれを理解して行動しているわけではなく、一匹では適わないような強い天敵から身を守るために群れを作ると同時に、周囲を警戒する役割を分担して一匹ごとの負担を減らしているのです。海を泳ぐ魚の群れ、アリの行列、畑を飛ぶアカトンボの群れ、そして空を飛ぶ野鳥の編隊も大きな群れになると数百、数千もの個体が集まり、どんなに多数になろうと整然とした群行動を行います。これは新しい交通システムなどの開発にも役立つかもしれません。

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