見出し画像

第1586回 天気を予知する鳥 ⑴

①http://cinema200.blog90.fc2.com/blog-entry-49.htmlより引用のアルフレッド・ヒッチコック映画「鳥」のイラスト

   天気予報に纏わることわざがあり、その中で生き物が登場してきますのは、
1.  雨がえるがなくと雨 
2.  アリの行列を見たら雨 
3.  ウンカのもちつきは雨                                      4.  さば雲は雨
5.  セミがなきやむと雨
6.  ツバメが低く飛ぶと雨
7.  とんぼが低く飛ぶと雨
8.  猫が顔を洗うと雨
9.  山ツバメ(おそらくイワツバメ)が多くでれば雨 

②-1.https://www.google.co.jp/amp/s/plaza.rakuten.co.jp/axnonchan777/diary/201901120000-amp/より引用のシトドのひとつアオジ(体長約16㌢)

画像7

②-2.https://www.birdfan.net/2020/04/03/78702/より引用のもうひとつのシトドのホオジロ(体長約16㌢)

画像7

   奈良時代の昔の天気を予知するとされていました鳥の中に「鵐(シトド)」と呼ばれた鳥がいました。今でいう⑤-1.のアオジや⑤-2.のホオジロがそれに当たります。このシトドはその「鵐」の「巫」が示すように巫女の行う神事、占に使われたそうです。そのような霊鳥ではなくとも、昔から人々は、日常の鳥の動作から天気、地震等の災害等を予測したり、出漁や出陣を決断したり、或いは渡の時期などから種蒔き等の農作業時期を判断したりしてきました。その名残がツバメモズです。

③https://www.google.co.jp/amp/s/www.mag2.com/p/news/219410/ampより引用のツバメが低く飛ぶと雨が降る

画像1

   昔の人は今のように情報過多ではなかったので、自然に対して、よく眼や耳、鼻を活かして情報を得ていました。そのひとつとして、昔から、人々は空を見、雲の様子を眺めて、天候の変化を予測していました。これを「観天望気」と言います。日本では古くから「ツバメが低く飛ぶと雨」というのもありますね。雨の降る前は湿度が高くなるので、小さい虫達の羽根が重くなり、低く飛ぶようになります。そういった虫を食べるツバメも低く飛ぶことになるので「雨が近い」となります。

④https://ganref.jp/common/special/fujifilm2020/より引用の羽虫を宙でキャッチするツバメ

画像2

   湿度が高いと餌となる虫が高く飛べなくなるため、ツバメも低く飛びます。この中で「ツバメが低く飛ぶと雨」というのがあります。これはツバメがとまっているエサを、止まっている時に食べる鳥ではなく、飛びながらエサを捕まえて食べるという種類の鳥ということからいわれるようになりました。ツバメのエサとなる小さい羽のある虫は、低気圧が近づいて空気中の湿度が高くなり、天気は下り坂と考えられ、よって、雨が降り出してくるか、雨が近いということになるのです。  

⑤-1.https://www.birdfan.net/2018/10/19/65608/より引用の高鳴きするモズ

画像3

⑤-2.https://www.google.co.jp/amp/s/weathernews.jp/s/topics/201909/170135/amp.htmlより引用のモズの鳴き声と初霜の関係を表すグラフ

画像4

     ※  2018年のデータを使用

   昔からモズの高鳴きを初めて聞いた日から75日後に初霜がおりると言われていまして、農家の人達は一つの目安としていました。では実際にそうなのか、各気象台が記録しているモズの初鳴き日と初霜の観測日をもとに調べてみますと、多くの地域で60〜80日と75日に近い結果となっていたようです。昔の人達の目安は、現代でもあながち間違っていないようです。またモズが鳴くのはだいたい9月下旬〜10月下旬までで、夏の風物詩である台風の上陸が終わったことをモズが宣言します。




   

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?