見出し画像

第1808回 日本固有種の鳥 ⑽ エナガとメジロ

①より引用の左がエナガ(体長約14㌢)と右がメジロ(体長約12㌢)

   エナガメジロといいますと、日本の野鳥の中で身体の小ささを比べるのに、ミソサザイキクイタダキとともに取り上げられる小鳥の仲間に対して、この二種は「エナガ団子」とか「メジロ押し」とか種同士がとにかく一本の枝に集まり固まるのが好きな鳥です。そのほかにも、シジュウカラヤマガラのカラ類の混軍に種を超えて参加することでも知られています。エナガは日本では九州以北に留鳥または漂鳥として生息。メジロは北海道から九州、対馬、壱岐、サハリン南部まで。

②-1.https://mainichi.jp/maisho/articles/20201006/kei/00s/00s/004000cより引用のシマエナガ(体長約14㌢)

画像1

②-2.http://tori3.sakura.ne.jp/birdworld_menu/enaga/enaga/kyuusyuuenaga.htmより引用のキュウシュウエナガ(体長約13.5㌢)

画像2

   亜種エナガの仲間はといいますと北海道に生息する②-1.の真っ白で可愛らしいシマエナガ、に生息するチョウセンエナガ、四国および九州の②-2.のキュウシュウエナガの四亜種が生息しています。このエナガ四亜種のうち、シマエナガは北方から、またチョウセンエナガは南方からの移入種とされて、日本全国どこにでも見られる亜種エナガと、キュウシュウエナガシジュウカラヤマガラヒヨドリの亜種でも見られる様に、南に行くほど、その身体の色合いは濃くなっていきます。

③https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/akikirara1122/entry-12474209236.htmlより引用のメグロ(体長約13.5㌢)

画像3

   メジロといいますと、やはりウグイスと並んで春の風物詩と共に、エナガなんかと同じように、小さくて可愛らしい小鳥として皆さんもご存知の方は多いと思います。よく「ホーホケキョ」と春を告げるさえずりの正体はこのメジロであると勘違いされます。そのメジロも日本固有種ではなく、分布はインドネシア、日本、大韓民国、フィリピン、東ティモールです。全国どこでも見られる野鳥として有名です。またヒヨドリ同様に甘いもの好きでも有名で、ヒヨドリに蹴散らかされます。

④https://papageno620.blog.fc2.com/blog-entry-3920.html?spより引用のシチトウメジロ(体長約12㌢)

画像5

⑤https://www.artefactoryimages.com/35900164/より引用のイオウジマメジロ(体長約12㌢くらい?)

画像6

   そんな何処でもいるメジロとは対照的に、③-1.のメジロの亜種にメグロがいます。メグロは別名ハハジマメグロとも呼ばれます。メジロは眼の周りが白いアイリングですが、メグロは黒いアイマスクをかけています。メグロの分布は母島、向島、妹島に生息する日本の固有種です。以前には父島、媒島、聟島に生息していたムコジマメグロがいましたが、1930年以降の確実な発見例が無く絶滅しました。メグロもまた国内希少野生動植物種に指定され、生息数は三千から四千羽と推定。

⑥https://cirsium.at.webry.info/201001/article_1.htmlより引用のシマメジロ(体長約12㌢前後)

画像7

⑦https://i-zukan.jp/category/syu?category_id=510より引用のダイトウメジロ(体長約11.5㌢)

画像8

   メジロの亜種は、奄美諸島と琉球諸島に生息するリュウキュウメジロを除いて、④の伊豆諸島の大島から鳥島にかけて分布するクチバシの長いシチトウメジロ、⑤の小笠原諸島南部の火山列島に生息するクチバシの太いイオウジマメジロ、⑥は屋久島と種子島に生息するクチバシが太くて長いシマメジロ、⑦は南大東島、北大東島に生息する額にある黄色部が大型で明瞭なダイトウメジロの四亜種が日本の固有種です。メグロとの違いははっきりしますが、メジロ間同士はよく似ています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?