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第662回 野鳥のつがい相手との繁殖 -2-

①https://www.illust-box.jp/s/sozai/64648/より引用のイラスト

②徹底的な「一妻多夫」なタマシギ(左側がメス、右側がオス)

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   前回第659回は終わりの方て「乱婚」を語り、その中で「一妻多夫」がありましたが、これはメスが繁殖において、主導権を持つことになります。その主導権を始めから握っているのが、この②の写真のタマシギです。パッと見は左側が派手な出で立ちのオスで、右側が少ない地味て身体の小さいメスというのが定番ですが、このタマシギにおいては逆転するのです。ただタマシギのメスとしての機能である産卵は当たり前ですがメスが行います。こんな雌雄逆転の野鳥もいます。

③https://blog.goo.ne.jp/pandado4/e/aabef94e5251172f785bda7c04c59973より引用の雌雄同色の「一妻多夫」のレンカク(手前がオス、奥側がメス)

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   このような「一妻多夫」の形式をとる野鳥にこの③の写真のレンカクと、やはり雌雄同色のアカエリヒレアシシギがいます。レンカクはまだ雌雄同色ですが、猛禽類のようにメスの方の身体が大きいという逆転があります。タマシギを含めた三種はシギチの仲間です。このレンカクはメスが縄張りを守って、オスに求愛し、複数のオスと繁殖を行います。またアカエリヒレアシシギはメスは産卵した途端渡りを開始するというあわただしさてす。三種のオスは相当な育メンだと思います。

④https://nanadsk.exblog.jp/iv/detail/?s=17711236&i=201304%2F30%2F12%2Fa0189912_224315100.jpgより引用のエナガのヘルパー制度(左側が親鳥に見えますがヘルパーです)

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   ④の写真は実はエナガの「ヘルパー」が、近所の同じ仲間のエナガのヒナに給餌している写真らしいです。同種間の「ヘルパー制度」は何もエナガだけではありません。猛禽類のチョウゲンボウだって、あの凄い群れを作るムクドリバンの仲間だって行います。理由はつがいになったこの種は産卵失敗や、子育て失敗の折にオスが主となって、身内やご近所さんの育児に力を貸します。特にこのエナガは子沢山で、この写真のエナガのヒナたちは十一羽もいたらしいです。大変。

⑤http://動物.jp/kijibato/より引用の離婚するキジバトのつがい(左側がメス、右側がオス)

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   ⑤の写真のキジバトのオスは隣のつがいのメスに対して視線を投げかけていますが、対するメスはソッポを向いています。こんな光景は人間社会でも見受けられます。つがいになる時はあれだけ「求愛給餌」なんかでこれからの繁殖を双方が期待していたと思います。しかし夢破れて離婚することになりました。元々キジバトは単独行動の野鳥で、そのためか営巣も凄く簡素みたいです。またホオジロなんかもメスの浮気で離婚します。

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