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第890回 鳥の眼

①https://anime-ace.com/medamaより引用の目玉おやじの「眼」

   鳥の眼は私自身がそうであります鳥眼ではなく、ほとんどの種は夜でも多少見えているといいます。鳥の眼の構造は基本的には⑴錐状体(コーン)と⑵桿状体(ロッド)に分かれ、⑴は色を感じるが明るくないと働かず、感度は悪いが応答は速い。波長吸収曲線の違う四種類(紫、青、緑、赤)で構成され、明所視をつかさどる昼行性の鳥に多いです。また⑵は暗くても良く働くが色は感じませんが、感度は良く、弱い光でも応答しますが、応答特性が悪いです。暗所視をつかさどる夜行性の鳥に多い。

②http://www.uchinome.jp/nature/animal/2016/animal26.htmlより引用のスズメの眼

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   錐体の種類数は人が三種類に対して鳥は五種類
(単一錐体4種+複合錐体1種)あり、単一錐体は色覚に関与していて、複合錐体は光強度の識別に関与します。人では赤型から緑を感じる錐体を作り出したので、色の分離が不十分で、色の識別能力は劣ります。また、赤緑色覚異常が起こりやすい。ここに人と鳥類の識別の差が出てきます。紫外線は多くの鳥が長波長紫外線も感知でき、チョウゲンボウはネズミの尿を感知し待ち伏せすします。ハチドリは花の蜜の在りかがわかります。

③https://www.google.co.jp/amp/s/sdknz610.exblog.jp/amp/18213647/より引用のオオタカの眼

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   紫外線を感知できない鳥はフクロウで、人も角膜や水晶体で紫外線が吸収されるので紫外線は見えません。紫外線が見えないことの利点としては、網膜の損傷を防ぐので寿命の長い生物にとって重要です。また赤外線は鳥によっては赤外線の一部も見え、夜間や霧、靄の中でも赤外線写真のようにはっきりと見ることができます。このことを虹に例えると、人は六色で、三原色の組合せは七通り、しかしこの中には白(透明)も含まれるので、色としては六通り。鳥は十四色で、四原色の組み合わせは十五通り。白を差し引くと十四通りです。

④https://wallhere.com/ja/wallpaper/873395より引用のフクロウの眼のアップ

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   鳥の眼の解像度が高いのは眼球が大きいため、大きい画像を結ぶことができます。中心窩にある錐体の数(一平方mmあたり)はセキレイ十二万個、スズメ四十万個、ワシタカ百万個で、人が百m先に確認できる物を、ノスリは3.5kmで確認できます。猛禽類は網膜にある視神経密度が人の八倍で、東京から富士山の山小屋が見えます。夜行性の鳥は光を感じる桿状体が多く、錐体が少ないので、昼行性の鳥より色覚は劣ります。しかし、桿体の光感度は錐体の光感度より千倍高いです。

⑤https://www.picuki.com/tag/鵜の岬より引用のカワウの眼

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   錐体にはいくつかの波長域に特に反応する油球というものがあり、油球は色素(カロチノイド)を含んだ脂質の球です。フィルターの役目で、赤、黄、青緑、透明と四種で、高い精度で色を識別できます。濁った水でも魚の姿を増感したり、雲の中で物を見るのに役立ちます。偏光は水中への突入時、人では空から水中の物が見える範囲は偏光されて、真下のごく一部に限られます。潜水鳥主にレンズが遠近調節を行なうブリュック筋で角膜が厚く、クランプトン筋は発達していません。

⑥https://www.google.co.jp/amp/s/futabagumi.com/archives/634.html/ampより引用の鶏の眼

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   黄斑は映像の焦点を結ぶところで、ニワトリは
黄斑がなく、視力が弱く鳥目です。鋭視度は人の10%で、野鳥のように遠くの獲物を探す必要がないからです。タカは水晶体が薄く、水晶体から眼底までの距離が長いので望遠鏡的な目です。中心窩は眼底の上方に寄っているので、高い位置から下方が幅広く明視できます。フクロウは水晶体が厚く、屈折力が強いので軽い近視。水晶体の調節力は弱く、角膜の曲率を変化させる特殊な筋肉で屈折力を調節します。鳥類は自分の環境に応じて、それに適応した眼を備えているのです。

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