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第1870回 黒い烏は鵜でもある

①https://naze.jill-tone.com/crow_line/より引用の「カラス」も「ウ」もこの漢字の『烏』

   以前には「烏と鴉って両方ともカラス」という記事を投稿致しました。『烏』は『鴉』という漢字に変えればカラスですが、『烏』は「カラス」だけではなく、この漢字『鴉』と同じ読みの「ウ」があります。つまり『烏』は「カラス」のことでもあり「ウ」のことでもあるのです。多分昔の人は「カラス」を見ても、身体は真っ黒「ウ」を見ても真っ黒なので、この二つの鳥のことを『烏』と表したのでしょう。その後に二つの『烏』を区別しようと「鵜の真似をする烏」=自分に姿が似ている鵜の真似をして水に入った烏が溺れる意  とはじめて同じ『烏』の「ウ」に別の漢字を当て『鵜』とし、この時はまだ『烏』をカラスとしていますが、のちに『鴉』という漢字を当て、全く別物としたわけになります。それほど雑でした。

②https://www.jtb.co.jp/myjtb/card/travel_life/smartphone/column/article285.aspより引用の長良川の鵜飼の「ウ」はウミウ(体長約84㌢)

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   そんなカラスと同じく身体の黒い「ウ」で、一番有名なのは「鵜飼」のウだと思います。中でも有名なのが、岐阜県長良川の鵜飼です。私も当初は岐阜県という地形からして、海はありませんし、長良川という河川で行いますから③のカワウであると思っていました。しかし、実際にはカワウより身体の大きなウミウになったようです。それはより大きな魚を捕獲出来るからと言います。海魚は川魚より大きく、ウミウのそのうも大きい。何か可哀想な気もしますが、鵜飼のシーズンが終わると自然に帰されるらしいから良かったです。

③http://www.birdfan.net/2018/06/29/63450/より引用の鵜の仲間のカワウ(体長約81㌢)

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   私たちの身近にいる「ウ」ということになりますと、③の写真のカワウだと思います。『カワ』と付いていますが、別に河川だけでなく、海とのつながりの河口にもいますし、また湖沼や溜池にもいます。特に露出が激しいのは夏場だと思います。私は散歩がてらに大きな溜池に行きますと、よく集団で群れをなしていることがあります。ザンブと潜水したか思うと、向こう側の水面から現れ、必ず獲物の魚を咥えています。写真はその潜水の後に集まった全てのカワウたちが、翼を大きく広げて日向干しをして、翼を乾かしています。

④-1.https://www.google.co.jp/amp/s/namicoocean.seesaa.net/article/a13400232.html%3famp=1より引用のウミウカワウの違いのイラスト

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④-2.https://kotobank.jp/word/ウミウ-35145より引用の日本の「鵜」の仲間

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   この日本には④-1.のイラストの身近な「ウ」はウミウカワウですがほかにも、④-2.のイラストのようにチシマガラスヒメウなんかもいます。しかし、よく見かける「ウ」はカワウです。また良く似過ぎているくらい似ていますのが、カワウウミウです。④-1.にその違いが分かりやすく説明してありますが、それはあくまで机上のことで、いざ河口なんかでこの二種がいましたら、わかりっこないとおもいます。体長の違いにしろ、頬の白斑にしろ、遠くからではその違いは判り辛いです。私は故にカワウを溜池や自宅マンション裏の河川で白鷺といる処が大変判り易いです。

⑤-1.http://www.birdfan.net/2006/11/16/768/より引用のサギ(写真はダイサギ体長約89㌢)と仲が良いカワウ

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⑤-2.https://www.google.co.jp/amp/s/msampo.exblog.jp/amp/19501639/より引用のカワウの狩りに付き合うアオサギ(体長約93㌢)

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   色んなネットの中でも、カワウと色んなサギたちが仲良くしている写真などを拝見致します。⑤-1.の写真はダイサギに二羽のカワウが話しかけているようにも見えます。また、⑤-2.の写真にはカワウより大きなアオサギカワウが狩りをしようとすると、カワウに寄ってきます。カワウは潜水して水中の魚を追いかけて捕獲します。カワウから逃げてきた魚の先回りをサギがして、サギの獲物となるわけです。この写真には一羽ですが複数のサギがカワウのもと餌を求めてにやってきます。

⑤-4.https://www.google.co.jp/amp/s/eyyokota.exblog.jp/amp/23997802/より引用のサギカワウのコロニー

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⑤-3.https://db3.bird-research.jp/news/201602-no4/より引用のカワウの「コロニー」

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   またカワウとサギは双方とも、人で言うなら集合住宅つまりマンションみたいな、営巣がいっぱい集まったコロニーという繁殖場所を⑤-3.のように作ります。同じ考えでたくさんの仲間がいれば外敵がやってきてもすぐ解る仕組みとなっています。時とところによっては⑤-4.のようなカワウとサギの合わさったコロニーが誕生します。これ程に仲が良いのは、祖先の繋がりが同じくペリカンといいます。また今でも両種はペリカン目です。


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