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第927回 仏教と野鳥

①https://manabi-japan.jp/nature/20190915_15359/より引用の勘違いされ祀られた『仏・法・僧』ことブッポウソウ(体長約29㌢)

   仏教と野鳥を語りますには仏教の三宝(仏、法、僧)を名前としているブッポウソウは切り離すことができません。初夏の五月の夜になると「ブッポウソウ」と聞こえる鳴き声がし始めます。また時を同じくして、ハトほどの青色光沢をした美しい鳥が飛び回るようになり、この鳥が鳴いているのだろうと、その青い鳥をブッポウソウと呼ぶようになりました。しかしそのブッポウソウは「ゲゲゲ」と鳴き、本当に「仏・法・僧」と夜になって唱えているのはコノハズクと判明しました。

②https://www.asahi.com/sp/articles/DA3S14120350.htmlより引用の孔雀明王

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   ブッダと呼ばれる釈迦如来をはじめとする仏様は多くはインドからいらっしゃいました。そのおひとつの孔雀明王はインドでは、毒蛇が煩悩やこの世の汚れにたとえられ、その毒蛇を撃退する孔雀は呪術的な霊力を持つと考えられていたそうです。孔雀はまた、雨季の到来をいち早く告げることから慈雨をもたらす鳥ともいわれ、インドの国鳥にもなりました。邪欲、怒り、災害などを消し去る仏の徳にたとえられました。孔雀明王を本尊とした密教呪法は孔雀経法とよばれています。

 ③https://twitter.com/midorikazato/status/583921229716795394より引用の物部守屋のてらつつき

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   啄木鳥(キツツキ)といえば、大阪・四天王寺のてらつつきの話しが有名です。その昔、物部守屋が仏法に背き聖徳太子と争い敗れ、その怨霊が啄木鳥となり太子建立の四天王寺の堂舎をつつき壊そうとしたところ、太子は鷹と変じて啄木鳥を追い払ったといいます。物部氏は神武以来の名家で新興豪族の蘇我氏と対立していましたが、新たな外来文化である仏教をいかに処理するかという問題に、廃仏の物部、崇仏の蘇我という構図ができました。この対立は皇位継承問題で馬子が聖徳太子と計って守谷を滅ぼすことで決着がつきます。

④https://bakumatsu.org/blog/2012/12/hokusai.html/hokusai2_lより引用の迦陵頻伽(かりょうびんが)

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   仏教特有の鳥として、鳩那羅(クナーラ)鳥がいます。美しい目を持ち、女性というものは悪いのが本性なので、悪い事をしても罰しないとします。ハンサ鳥は渡り鳥。大変美しく、踊りが上手な水鳥で、太陽の道に行き、神通によるものは空を行き、思慮ある人々は、悪魔とその軍勢を打ち破って、世界から連れ去られます。迦陵頻伽(かりょうびんが)は極楽浄土に住む鳥で、非常に美しい声の持ち主。ガルダは鳥類の王。共命鳥(ぐみょうちょう)は善悪具現の双頭の鳥。霊鷲山は釈迦が無量寿経や法華経を説いた霊山。山容が禿鷲に似ます。

⑤http://tenkeiji.net/より引用のおしどり寺天桂寺

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   ⑤の写真はおしどり寺の愛知県清須市の天桂寺です。つがいのオシドリがいて、雄を矢で捕え食べたところ、その夜に夢に女性が現れ、突然夫を失ったと云い、女性は雄鳥の頭が落ちているのに気が付き、雌鳥に姿を変え飛び去り、そのオシドリの殺生を後悔し、寺を建立し霊を弔ったと言うことです。仏教にはこの鴛鴦をはじめとして、鶴、鶉、梟、鷲、烏、啄木鳥、鳩、鸚鵡、鶏の十種が仏教との関わりを持っています。また、鳥取県福田寺には雀観音。観音像が無くなり、行方を探しているうち、雀に教えられ柳の根元を掘ると見つかったとされ、東京都豊島区鳩峰山功雲院の鳩寺は泉岳寺境内に鳩供養の観音堂を建てたのが始まりで、開基さまが病気療養中に、鳩から「この薬を飲めば治る」という夢を三晩続けて見たと言います。同じく東京都中野区には曹渓山青原寺。

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