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第1875回 シギチ ⑵

①http://hiyokichibird.blogspot.com/2014/09/yatsu-higata-mud-flat.html?m=1より引用のシギチのイラスト

   世界でもシギの仲間は96種いると言われます。その中で日本に留鳥する種と、春夏に旅鳥として立ち寄る種を合わせて54種。そのうち7種が日本で繁殖するといいます。分布はアフリカ大陸東部、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、ユーラシア大陸で、多くの種が夏季に北アメリカ大陸やユーラシア大陸の寒帯や亜寒帯で繁殖します。冬季になると越冬のため南下し、一部の種はアフリカ大陸東部や南アメリカ大陸まで南下致します。日本に旅鳥として春と秋に渡来するものが多く、ヤマシギのように日本に留まるものもあり多種類です。

②http://www.birdfan.net/2021/09/10/83190/より引用のダンスを踊るイソシギ(体長約20㌢)

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   ダンスを踊る野鳥で有名なのは、タンチョウトラツグミもいますが、ことシギの仲間となりますと沢山のダンサーがいると言われます。その殆どが留鳥であるということです。タシギヤマシギアオシギと②の写真のイソシギです。アオシギだけが冬鳥です。イソシギはハリウッド映画でエリザベ・ステーラー、リチャード・バートンが共演した映画「イソシギ」の中に現れて有名になりました。イソシギは実は山奥の河川に多く生息するらしいです。セキレイたちと同じで尾羽を上下させながら歩き回わり、ダンスを披露します。

③-1.https://ikumen-smile.com/american_woodcock_america_yamashigi-5126より引用のダンスするも親子連れで踊るアメリカヤマシギ(体長約25〜31㌢)

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③-2.https://blog.goo.ne.jp/35161219/e/2d87be0386641027bb9f8c70957c49aaより引用の世界一スピードの遅く飛ぶアメリカヤマシギ

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   ダンスを踊るシギは日本だけではありません。ネットで、シギのダンスと検索致しましたら、圧倒的に③-1.のアメリカヤマシギがヒットします。アメリカヤマシギは米国東部やカナダ南東部に生息致します。まるで音楽に合わせるかのように、軽やかなステップを踏みながら前進する鳥の親子の動画や道路を占領しながらダンスしながら我が道をいく姿がツイッターに投稿されて人気者です。また③-2.のアメリカヤマシギは、そのぽっちゃり体型が災いしてか、ギネスブックに「世界一遅く飛ぶ鳥」も記録されていて、アメリカヤマシギは失速することなく時速8㌖で飛ぶことができます。

④http://www.birdfan.net/2017/06/09/53325/より引用のオオジシギ(体長約30㌢)

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④-1.http://strix.in/tegatan/index.php?blogid=1&archive=2017-08より引用の空中爆音求愛ディスプレイのオオジシギ

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   飛ぶことに関してのシギの話題はアメリカヤマシギだけではありません。④-1.の写真のオオジシギは、春に遠くオーストラリアから渡ってやってきて日本で繁殖する夏鳥で、秋にはまたオーストラリアに戻ります。こんなにも長距離を飛ぶのだから、体力はあると思われます。そんなオオジシギの求愛行動はダンスではなく、空からの求愛が話題を呼びます。上空から「シュワシュワシュワシュワ・・・」という鳴き声が聞こえてきたかと思うと「ズビャーズビャー」「ズビヤクズビヤク」と全力でさえずり、次に急降下する際に尾羽を使い「ゴゴゴゴ…」と音を立てディスプレイが見られますが、凄すぎる激しい求愛ディスプレイです。

⑤-1.http://www.birdfan.net/2017/05/12/52528/より引用の雌雄逆転のつがいのタマシギ(左がメス体長約26㌢、右がオス体長約22㌢)

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⑤-2.https://www.google.co.jp/amp/s/kitamoto72.exblog.jp/amp/30670577/より引用のメスのタマシギのオスへの求愛ディスプレイ

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⑤-3.http://www.birdfan.net/2015/09/04/37224/より引用の子育てするオスのタマシギ

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   最後に登場は雌雄逆転の留鳥のタマシギです。初めてこの⑤-1.の写真をご覧になられた方でしたら、ああ派手な出立ちのオスが地味なメスを追いかけていると思われがちですが、実は雌雄逆転で、左がメスで右がオスなのです。⑤-2.のように他の鳥はオスがメスへ求愛ディスプレイを行いますが、写真のように左のメスが右のオスに対して、求愛します。つがいになりますと、流石に産卵するのはメスですが、産卵が終われば、そのメスは次のつがい相手のオスを探しに、求愛ディスプレイを続けます。稀な一妻多夫のタマシギです。産卵された卵はオスが抱卵し、孵化しましたら、⑤-3.の写真のようにオスが幼鳥になるまで、ヒナたちの面倒を見るのです。いま人間社会でも「主夫」といわれる男性が増えてきましたが、タマシギの間では当たり前で、昔からの習性です。

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