見出し画像

第918回 鳥の刷り込み

①http://nenga-freeillust.com/eto/tori05.htmlより引用の鳥の刷り込みのイラスト

   鳥であろうが、哺乳類とか人でもこの世に生を受けて育って行く過程には必ず親が必要です。親がいなければ、生まれてこないからです。また親がいなければ子は育ちません。どんな生き物も生まれて自分を育ててくれている親をみて育ちます。それは人でも、鳥でも同じです。親の行いをみて育って行くのですから、当然にその立ち振る舞いは親に似てきます。それが自然の原理で成り行きだと思います。鳥の親子関係も眼が見えるようになれば「刷り込み」と言われることが起きます。

②http://sales-scientist-nakatani.hatenablog.com/entry/2017/09/14/225616より引用のカルガモの親子

画像1

   ②の写真は街中でも辺り構わずヒナ達を引き連れて引っ越しをするカルガモ親子です。刷り込みはヒナが、生まれた直後の短期間に得た刺激を元に、親やつがい相手の類型を認識し、その認識が一生固定されるしくみで、孵化後数時間~数日とされ、自分のそばで動く、自分より大きなものを親と認識します。それには視覚と聴覚が重要です。鳥では早成性の種で多く知られます。晩成性の鳥では育てられた親に似た繁殖相手を選ぶ傾向があります。同種としての属性を備えている刺激ほどより強固に刷り込まれることが大事です。

③https://blog.goo.ne.jp/taka_owl_bb/c/21fabfb14a4e16aa0c59f6c537fe43ddより引用のコロニーて子育てするウミネコ

画像2

   ③はコロニーで皆んなと子育てするウミネコです。追随反応はヒナが親として認識することで、餌や手入れ、温かさにより強化されます。孵化後すぐ親子で移動するのはカモやシギチ、ツル、クイナで、大コロニーで子育てするのは、ウミネコ、ペンギンです。性的刷り込みは成鳥になってからも成立する現象で、個体に刷り込みされるわけではなく、その種に固有の特徴を認識されます。性的二型が顕著な種では、雌雄いずれかのみの刷り込み対象となることもあります。

④https://photohito.com/photo/5165754/より引用の夫婦で子育てするタンチョウ

画像3

   ④の写真は雌雄で子育てするタンチョウです。その産卵数の少ない種である鶴などは、親を覚えるだけでなく、自分が属する種も覚え、人が育てると人に求愛します。産卵数の多い種のガンカモなどは兄弟を見て種を覚え、人に求愛する心配はありません。さえずりは鳴禽類では生後初期の敏感期にさえずりを記憶します。止まり木はケージ内で異なる樹種の止まり木で育てると、広いケージで繁殖しても、各々が育った止まり木と同じ種類の木の枝で営巣します。巣材も同じものを使用。

⑤http://idsnakamoto.blog89.fc2.com/blog-category-13-1.htmlより引用のタマシギはオスが子育て

画像4

   別種のガンに育てられたガンのヒナは、同種のヒナが多いと兄弟関係によって、種を正しく認識するようになり、正常に繁殖するようになります。
非可逆性とはいったん刷り込まれると、他の刺激は刷り込まれにくくなります。人が育てた野鳥は野生に戻りにくいです。その感受期(臨界期)は刷り込みの習性獲得は、生後一定期間内でしか起こらないので、この期間を感受期と呼びます。鳥の神経、筋肉協応が対象物に追随できるよう充分に発達した直後に始まるります。種により違います。 

⑥https://www.natureasia.com/ja-jp/ndigest/v11/n9/卵の模様でカッコウの托卵に対抗/55193より引用の托卵するカッコウ

画像5

   ⑥の写真はカッコウの托卵です。カッコウホトトギスツツドリジュウイチの四種は自分で子育てが出来ません。しかしカッコウなどのヒナは、刷り込みによって仮親を認識します。托卵性の野鳥のヒナは、普通の鳥と比べると、親と同じ形状をした種が性行動の対象になるのに対して、
托卵性の鳥はこの習性は、仮親に育ててもらうのであるわけがありません。托卵するカッコウなどは本能的に幾ら仮親に育ててられといっても、本能的に仲間に戻るパスワードを持つとされます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?