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第1124回 日本で冠毛が際立つ野鳥

カンムリカイツブリのつがい(左がメス、右がオス共に体長約48㌢)

   前回までに野鳥の小種名が分かりにくいと思いまして、冠名と呼び方を変えてお伝えしました。実際に頭に冠を持った日本の鳥たちはいます。その⑵ ⑶ ⑸ ⑺にタイトル画として掲載されています。その始めとして、①の写真はカンムリカイツブリです。首は非常に長くて、上面は黒褐色、下面は白く、頭頂には黒い羽毛が伸長した冠羽があります。種小名 cristatus は「冠のある」の意で、和名や英名(crested)と同義です。代表的な鳥です。

②http://tono4019.blog.fc2.com/blog-entry-652.html?spより引用の冠羽というか飾り羽のコサギ(体長約62㌢)

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   ②の写真はコサギです。このように冠羽というか、婚姻期に頭頂に映えだす飾り羽はダイサギチュウサギなどの白鷺やゴイサギなどに多くて、普通は一本、また二〜三本と言う個体もいます。やはりこの項では長く伸びる飾り羽でなく、年中生えている冠羽を紹介したいです。一応何時も当たり前のように写真をお借りしている野鳥掲載サイトのBIRD FANに『カンムリ』と表示されている野鳥は五種類程いまして、頭頂部の模様が冠だったりで、まともなのはカンムリカイツブリです。

③田んぼの貴婦人タゲリ(体長約32㌢)

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  タゲリの食性は動物食で、同種のケリ同様に警戒心の強い性格を持っています。③の写真のタゲリは雌雄いるはずなのに、よく田んぼの貴婦人と言われるくらいになんか女性的です。かつてヨーロッパでロビンと呼称されるコマドリが夫で、その花嫁がミソサザイとされましたように…タゲリは日本では主に冬鳥です。頭部には黒い冠羽が発達して、後ろに長く延びますが、それが少し前に反り返りお洒落に見えます。頸部には黒い首輪状の斑紋が入り、雌雄ほぼ同色の綺麗な野鳥です。

キレンジャク(左、体長約17㌢)とヒレンジャク(右、体長約19㌢)

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   この双子のように似ている歌舞伎役者のような顔をしているのは、左がヒレンジャクで、右がキレンジャクという謎の多い野鳥です。何が謎だというと、双方共に日本に於いては冬鳥ですが、理由はわかりませんが、その年々で飛来する数が凄く違うようです。また西日本にはヒレンジャク、東日本にはキレンジャクと棲み分けはきちんとしています。殆どの野鳥が嫌う、ヤドリギの木の実を二重ともに好んで食すという珍鳥でもあります。この歌舞伎調の連獅子髪が目立つ谷内ゆなです。

⑤珍鳥中の珍鳥ヤツガシラ(体長約26㌢)

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   最近では珍鳥の中の珍鳥として有名になってしまいましたこの⑤の写真のヤツガシラ。昭和天皇の時代に突然皇居に現れ、天皇の直接に目にとまり、一挙に話題にあがりました。今まで『ヤツガシラ』といえば、里芋の「ヤツガシラ」だったのが天皇の野鳥好きにより野鳥のヤツガシラが世に知らしめられました。そのヤツガシラの頭頂の冠羽が開いたのがこの⑤の写真です。 日本では、少数が旅鳥もしくは冬鳥として渡来し、南西諸島では春の渡りの時期に毎年通過するようです。

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