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防災バックの常備薬は何を用意していますか? ~皮膚科医の私がいれたもの~

最近地震多いですね。
少し前に東京都から防災ブックが届いたのでみてみると、去年が関東大震災後100年の年だったよう。

・・・・ついに防災バッグ購入しました!!(←遅い

そして私が入れた常備薬は4つ。

持病がある人は3日分、できたら1週間分は用意と書いてあるのをみたんですが、いや、持病なくても薬は用意しておきましょう!

風邪引いたり、生理痛が辛かったり、痒くなったり、お腹壊したり、、、、

被災中のマイナートラブルは心身ともに疲れるはず
それにゆっくり休めるベッドもなければ、安心して籠もれるトイレもない。

災害時の時こそ、医師はトリアージといって緊急な治療が必要な患者から診察していくので軽症は後回し。
それに薬も入手しづらいので、あらかじめ入れておきましょ~!



①解熱鎮痛薬

痛み止めは生理痛、頭痛などの痛みはもちろん、風邪の発熱時や喉の痛みにも効果あります。

私はロキソニンS®︎(成分名はロキソプロフェン)愛用者ですが、胃が弱い人や持病があったり(腎臓が悪い等)、妊婦さんや子供はカロナールA®︎(成分名はアセトアミノフェン)がいいです。

この2つの市販薬は15歳以上の使用に限られています。
カロナールは子供の発熱の時に病院でもよく処方されますが、体重で薬の量がかわります。
小児でも体重20kg以上なら本来であればカロナールA®︎(アセトアミノフェン300mg含む)内服できるんですが、市販薬では縛り(OTC医薬品の解熱鎮痛薬承認基準)があるようです。

非常時であれば、自己責任になりますが私だったら飲ませます。
心配な方は、子供さんが風邪引いた時に処方された解熱薬の余りをとっておくか、年齢に応じた別の子供用総合感冒薬でもいいと思います!


②整腸剤


災害時にトイレ流せないのに、お腹壊したら辛いですよね。

トイレ篭りづらいし、流せないし、臭い。。。
周りに迷惑をかけるし、自分のメンタルもダメージ大!!!
それにお尻拭くペーパーだって限られてる・・・(笑)

下痢は出し切った方がいいです。整腸剤を飲んだら回復はやいです。

2016年の熊本地震の時、避難所のおにぎりで食中毒が発生した事例があります。調べてみると、東日本大震災の時やその他にも被災地での集団食中毒の事例がちょこちょこあるんですね。。。

食中毒は予防が大事。
食事を提供する側が手洗いや消毒、食材に素手で触らないこと、しっかり加熱することなどを気を付けなければいけないです。

提供してもらう側だと、気を付けられることは限られますが、手洗いや食器の消毒や早く食べることが大事です。
あとは整腸剤で腸内環境に善玉菌を増やして予防しましょう。

市販の整腸剤がだいたい瓶に入っており、バックの限られた場所が取られますが、ビオスリーHi錠は個包装タイプがありました~
粉タイプもあり、生後3ヶ月以上から内服できます。
酪酸菌、乳酸菌、糖化菌入ってるのでオススメです。


③白色ワセリン


常備薬ではないと言われそうなんですが、皮膚科医が皮膚を保護するために処方する塗り薬「プロペト」とほぼ同じです。

白色ワセリンは天然の石油から精製された軟膏で、肌の水分の蒸発を防ぎ外部からの刺激から皮膚を守ってくれる塗り薬です。
皮膚科で処方する軟膏は白色ワセリンがベースで作られていることがほとんどです。

・傷口の保護(ワセリンは傷に染みない、かぶれる人ほぼいない)
・唇から陰部まで体全身にぬれます。(ハンドクリーム、リップクリームがわり使えます。)
・化粧落としとしても使える。
・もちろん赤ちゃんにも使用できます。

白色ワセリンといっても様々な種類がありますが、おすすめはサンホワイト!
サンホワイトは、高純度のワセリンで、不純物が極限まで取り除かれています。チューブタイプで使いやすいです。


④ステロイド軟膏 

ステロイド軟膏は皮膚の炎症をおさえてくれる塗り薬です。
夏の虫刺されやあせも、冬の乾燥による湿疹の皮膚トラブルを解決してくれます。

避難場所ってクーラーなかったり、乾燥してたり、虫がとんでたり、肌にとって快適な環境ではないと思います。
掻き壊してとびひ(伝染性膿痂疹)になるまえに塗ってすばやくなおしましょう。

1本あったら十分です。
足りなかったら、ワセリンと混ぜて使用すると少ない量で広範囲にぬれますよ~
(ワセリンと混ぜても効果は薄まらないことが研究で示されてます。)

おすすめはリンデロンVS軟膏です。
病院で処方できるステロイドの強さは5段階に分かれていて、リンデロンVS軟膏は中間の強さになります。市販の中では一番強いです
顔や陰部などの皮膚の薄い部分にとってはすこし強すぎますが、短期間であれば全く問題ないです。

(リンデロンVS軟膏は傷にはぬらないでください。傷はきれいにあらってワセリンをぬってください)



上記の4つは防災バックにいれおけば必ず役に立ちます。
あとは個人に合わせて、必要なお薬を足していいと思います。
胃が弱い方であれば胃薬とか。
私は蕁麻疹持ちなので抗アレルギー剤をさらに防災バックにいれました。
(花粉症ある人や、アレルギー体質、アトピー、喘息の方もいれておきましょ)

ちなみに海外旅行の時もこの5つを必ず持っていきますよー!


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