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某有名出版社での採用社長面接

#就活体験記

Web検索である程度、
「強烈な個性のワンマン社長」
という予習はしていたが予想以上だった。

エネルギッシュに身を乗り出して、
矢継ぎ早にガンガン質問してくるワンマン社長。

丁寧に優しく、
噛み砕いて受け答えしてると

「AとBとCについても
正確に説明してみて。」
とワンマン社長は追い打ち。

そして、
「理系の言葉も交えて説明しても良いよ。
大丈夫、俺、東大理系卒だから」
とニヤリを笑って、迫ってくる
圧が強すぎる&濃すぎるワンマン社長…


いくつか話題が過ぎ去ると
今度は「どんな本作ってみたいの?」攻撃。

自分は当時日本ではそれほど知られていなかった
オープンソースのとあるソフトウェアの解説書を作りたいと語った。

広がれば確実に未来がプラスになる技術。
教育機関で教科書や教材、工夫してきた経験も役立つと
自己アピールくっつけ。

英語では優れたWeb解説が増えてきたが、
日本ではまだまだ広がる余地があり、
御社の経営資源ともマッチすると。

「そういうのいいねぇ。俺も好きだよ。
でも無料のソフトウェアでどうやって金稼ぐ?」
とツッコミを入れてくる社長。

ソフトウェアが無料だからこそ、
全国の大学や高校で広げる余地がある。
無料のソフトでも書籍で金を稼ぐのは問題ない。

図書館だけでもまずはある程度数は稼げる。
そのソフトウェア使いながら、
問題も解けるように丁寧に解説する流れを作れれば、
教科書採用で大きな部数を見込めると。


社長は
「俺もそのアイデアは気に入った。
俺もまた別なアイデアもあって出したい本あるんだが、
それより先に作って欲しいとお願いされているプロジェクトを
まずは完成させ、その利益を使って、
新しいプロジェクトを広げて行きたい。」
と語り、今抱えてるプロジェクトの現状を話始めた。

自分はそれはそれで興味あるプロジェクトだから
是非チャレンジしてみたいテーマだと即答してみた。

すると社長は
「この場で面接合格出すから、この場で入社すぐに決めろ」
とワンマン社長。
同席していた人事部の人達はわさわさ…

「大丈夫、俺が決めればそうなるから」
ワンマン社長。

それに対して私は…
「今の職場の退職の時期もありますし、
家族にも相談したい」

と保留依頼。

「すぐに即断出来ないやつはダメだ、
男なら今すぐ、ここで決めろ!」
と更に社長を押してきたが・・・
その場で先延ばし発言。

実際は、あまりワンマンすぎることに不安を覚え
断る方向に内心決めていて、
後ほど辞退の連絡。
(面白そうな研究職に内定貰えたので
そちらに転職することになった…)

しばらくして、その社長の出版社は
巨額の借金を抱えたまま倒産、
との新聞記事を見かけた。

運命はどう転ぶかわからない。
実はその社長に強引ながらも
実力と魅力も感じてもいた。
(多額の借金背負っても、
平然と仕事進めて人も雇おうとするしたたかさ…)


数年たち、
その元社長が某大学の教授になっていたことを知り驚いた…

ワンマン…ではなくて、熱心な教育者風に
インタビューに語る元社長。

教え子がその元社長の教え子になる、
なんてこともあるかもしれない。

人生、どう変わるか、どうつながるか、
わからないもんですね。






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