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SF小説アレルギー

ぼくは大学時代は文学部に所属していたゴリゴリの文系人間です。
と思っていたんですが、最近では数学や物理の面白さに出会い現在進行形で勉強しています。
とはいえサイエンスに関しての知識にはとんと乏しく、それゆえのSFに対する引け目や劣等感のような、一言でいうとアレルギーのようなものを感じていました。

SFは古来(ってほど古くはないが)よりたくさんの人々を魅了し続けてきました。
宇宙へのあこがれ、心躍る最先端兵器、まるで魔法と見まごう科学技術。
その面白さにはやはり科学による下支えがあってこそだと思うのです。

逆に言うとだからこそSFはとっつきにくい。
初心者お断りな雰囲気ありません?
全然そんなことないんでしょうけど、それでも乱れ飛ぶ専門用語の数々になんだか門前払いされているような気になってしょうがない。
これは単なるコンプレックス、もっと言えば被害妄想でしかないのでしょう。

逆に言えば多分SF界隈を支えてきた作家さんやファンの皆様も似たような悩みを抱えてきたのではないのかなと思います。
「あいつらわけわからない言葉を使って何やら楽しんでやがる」みたいな決してメジャーではない趣味としてひっそりと楽しんできたのではないかなという気もしています。

さて、SF小説にアレルギーがあったぼくですが最近『戦闘妖精・雪風〈改〉』というSF小説を読んでいます。

まだ読了していないので内容については別の機会に譲るとして、SFが苦手なぼくがどのようにしてSF小説を読み進められているのかをちょっと語ってみたいと思います。

ポイント① 専門用語は読み飛ばす

SFには専門用語が乱れ飛ぶという話をしましたが、これらは実は読み飛ばしてもあまり問題ありません。

 オートマニューバ・スイッチ、オフ。オートランディング・システム作動。オートスロットル・コントロール、ダイレクト・リフトコントロールが自動作動。雪風は自動アプローチ。ギア‐ダウン、ロック。

戦闘妖精・雪風〈改〉p33-34より

カタカナ語が乱れ飛んでます。これらの言葉を逐一理解できればそれは最高にSFを楽しめるのでしょうが、別にわからなくてもあまり問題ありません。
なんとなく「自動操縦モードにして着陸するのかな?」みたいなことが分かれば大丈夫。前後の文脈で十分伝わります。

こういった用語はわかる人には楽しい痺れる演出なのでしょう。SFの世界観を担保する下支えにもなっています。ですがSF初心者のぼくらは雰囲気だけいただいておきましょう。もちろん気になったら言葉の意味を調べてみると興味はもっと広がります。

ポイント② ワクワクするものにだけ注目する

こういう言い方をするとSFファンの界隈の人はどう思うかちょっと心配なんですが、SFは「少年の心」で楽しむものだと思っています。
科学で精一杯難しく飾ろうとも根底にあるのは「マシンかっこいい」とか「宇宙やばい」とか「時間旅行すげー」とかだと思うのですよ。
SFを楽しむことができる人はいい意味で少年の心を持っているに違いないとにらんでいます。
(ジェンダー的な差別をするつもりはないです、少女の心でもいいんですが法律上少女も少年なので)

だから難しいことは抜きに「戦闘機かっこいい、戦闘シーンまだかな」なんて思いながら読んで構いません。

ポイント③ 映像化作品を見てみる

SFは映像映えする作品が多いのでメディアミックスされている作品も多いです。先述の『雪風』もOVA化されておりprime videoでも見ることができます。
小説は心理描写や重厚な設定、用語などを味わうのには向いていますが、アニメや映画はわかりやすさや臨場感にて分があります。
小説を読んでから映像を見るもよし、映像から小説に入るもよし。


SFってだけで食わず嫌いしてしまうのはもったいない、と過去の自分に言い聞かせたい。
そもそもドラえもんだってSFです。(これは「S:すこし F:ふしぎ」の略ですが)
ならば全日本人がSF好きになる素養を秘めていると言っても過言ではないはずだ。
これからはもっとSF読もうと思います。

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