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STOP‼ 公式丸暗記‼ 円周と円の面積

前回の記事はこちら  と こちら

公式とは抽象化・一般化された道具であり、もともとは具体的なものを解決するためのものだったはずです。

それを具体化しないまま丸暗記してもすぐに忘れてしまいます。
ぜひとも本質に迫って理解していきたいものです。

今回は円について。

円の面積と周の長さの公式

円の面積の公式は $${πr^2}$$

円の周の長さは 2πr

です。
”r”は円の半径を表し、πは円周率を表します。

ちなみに小学生の頃は
円の面積 = 半径×半径×3.14
円周 = 直径×3.14
と習ったと思いますが前述のものと本質的には同じです。
半径×半径は$${r^2}$$ですし、直径は半径×2なので2rと同じです。
円周率は小学校では3.14で表されましたね。(およそ3? うっ、頭が……)

で、ここで疑問があると思うのですが、円周率ってそもそも何でしたっけ?

円周率とは?

円周率とは、円の直径に対する円周の長さの比率のことを言います。
分かりましたか?
ええ、さっぱりわかりませんね。

wikipediaより パブリック・ドメイン

簡単に言うと「円の周りの長さは円の直径の3.14倍くらいなんだよ」ということです。

「ふーん、そういうものか」と納得してもいいのですがせっかくなのでなんで3.14なのか、なんで半径を二回かけたりするのかまで迫ってみましょう。

多角形を使って

円と外接する正方形

上図をご覧ください。
正方形の中に円が入っています。
円の半径をrとすると、正方形の一辺は2rですね。これは円の直径と同じ長さです。

正方形の周の長さは、辺が4つ分なので4×2rとなります。
直径×4と表しても良いですね。

正六角形を内接した円

続いて正六角形を円の中に入れてみます。
正六角形は正三角形が6つ分合わさってできています。
その正三角形の辺の長さは円の半径の長さと同じです。

正六角形の周の長さはいくらでしょうか。
正三角形の一辺がrでそれが6つ分ですので6rとなります。
直径が2rなので3×2rあるいは直径×3としていけばよさそうですね。

正六角形<円<正方形

ここまでのことを整理すると
正六角形 3×2r または 直径×3
円   ???×2r または 直径×???
正方形  4×2r または 直径×4
となります。
円の周は正六角形よりも大きく、正方形よりも小さいのでどうやら直径の3倍より大きく4倍より小さいらしいということが分かります。

正方形と正六角形を使ってみましたが、もっと辺の数が多い多角形を使っていくともっと細かく絞っていけます。
するとどんどん3.14という数字に近づいていくのです。

公式の考え方としては「正方形は円の直径4つ分で、円はそれよりも短いから……円の直径×3.14だったな」と理解できるはずです。

円の面積は?

今度は面積を見ていこう

こちらも考え方は同様です。
正方形の面積は一辺×一辺です。
この場合一辺の長さは2rです。
すると正方形の面積は2r×2rなので$${4r^2}$$となります。
半径を2乗したものを4つ分と考えることもできますね。

円の内側を塗ってみた

ここから先は小学校で習う知識では難しいので少々ごり押しになります。
先ほどの円と外接する正方形を方眼用紙に描いてみてください。
正方形の大きさは20目盛り×20目盛りにすると便利です。

そして円の内側だけを塗りつぶして、塗りつぶされたマスを数えてみましょう。
正方形のマスは全部で20×20=400
塗りつぶされたマスは、縁のあたりがやや曖昧ですがおおよそ314個になるはずです。
400個中314個。
ここに円周率3.14によく似た数字が出てきました。
ちなみにこの場合、半径を10マス分としているので10×10×3.14=314という数字が出てきたのです。

公式の理解の仕方としては「半径×半径だと正方形の1/4ができるな。これを4倍すると正方形だけどちょっと少ないくらいだから……3.14をかけるんだ」といったイメージになります。

グレープフルーツ法

円周率がおよそ3.14というのはわかったがじゃあなんで$${πr^2}$$で求められるのかということを説明いたしましょう。

下図をご覧ください。

wikipediaより

wikipediaによい画像があったので拾ってきました。
まずは円を中心に向かって細かく分割していきます。
グレープフルーツみたいですね。

分割したものを互い違いに並べていくと長方形(もしくは平行四辺形)のような形になります。(上図右)
底辺が多少凸凹しているように思いますが、もっと細かく分割していくとほぼ平らと言ってよいくらいになります。

この長方形の縦の長さは円の半径rです。
また、横の長さは円周の半分ですね。よってπrとなります。
長方形の面積を求めるには縦×横なので r×πr=$${πr^2}$$ となります。

まとめ

円というのはとても不思議な形です。
とても安定しているようでいて、すぐにどこかに転がっていく危うさもあります。
簡単に求められそうなのに複雑な計算式を必要とします。

そのつかめそうでつかめない感覚をイメージとして自分のものにできれば、算数や数学はもっと面白いものになるはずです。

円の仕組みが理解できれば数学の世界はどんどん広がります。
というわけで次回は「おうぎ形の公式」でお会いしましょう。

Have a nice math!

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