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思い出しながら書くと、二度おいしい。

スイカを食べた。

スイカを食べると、もう夏だなと思う。暦の上ではまだ5月だけど、スイカほど夏を感じさせる食べ物はないと思う。

おばあちゃん家に行くと、スイカをよく食べた。夏の溶けるような日差しを浴びながら、縁側にだらしなく座って、口にたまった種をそのまま庭に吹き飛ばす。あの快感ったら、ない。

行儀が悪いことこのうえないけど、楽しくてしかたなかった。誰が一番遠くに飛ばせるかと競争したり、思ったより飛距離が出なくて笑い合ったり。あの感覚は、夏の縁側でスイカの種を飛ばすことでしか得られないものだ。

いま住んでいるところは、マンションなので、種を外に飛ばすわけもいかない。そんなことしたら、マンション内で問題になるのは明白だ。なので、ちゃんとお皿の上に出している。久しくスイカの種を無作法に飛ばしてないので、またいつかやりたい。

今週、食べたものでいちばん印象に残っているのは、「芋甚」のチョコレートサンデーだ。

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チョコレートシロップがバニラアイスを覆っている。サンデーと言えば、ホイップクリームやコーンフレークなどが層になって積み重なっているイメージだったが、これはまったく別物。究極のシンプルである。

久しぶりにチョコレートシロップを食べた。シンプルなバニラアイスだけど、銀の食器で提供されると、特別感があっていい。

最近は、稲田俊輔『おいしいものでできている』を読み進めている。「食」がとことん好きなんだなぁと伝ってくる文章はしずかな熱があって、とても読みやすい。

そこに悪意が存在しない限り世の中にまずいもんなんて無い、というのが僕の信念です

と、前書きで語っているとおり、食べ物に関しての偏愛に溢れたエッセイです。遠足のおやつや宅配ピザ、コンソメスープやホワイトアスパラガスなど、かなりニッチな題材が並んでおります。おすすめです。

あと本は、キム・ハナ/ファン・ソヌ『女ふたり、暮らしています』と『女の園の星 2』を買いました。

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『女の園の星』はやはり面白い。2巻を読んだあとに、本棚から1巻を引っ張りだしてきて、くすくす笑いながらまた読んだ。

なんだか食べ物の話ばかりになってしまった。でも、食べたものを書くのは楽しい。スイカならスイカを食べたときのことを思い出しながら書くので、二度おいしいというか。

食べたものを記すのって、そのままその人の歴史になるのかもしれない。食べたものにはそのものの味の感想だけでなく、自分の状態だったり、周りの風景だったり、誰と食べたのかだったり、さまざまなものが付属している。スイカの思い出もたぶんひとそれぞれにあるのだ。




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