グアム_海

ハローグアム #5

◎ハローグアム    


海が近くにある生活というのはいいものだ。

ぼくらは、グアムに初めて来た日と同じように、朝起きると、ABCストアに寄って、軽食と飲み物を買い、海へと向かった。

相変わらず、暑い。日焼け止めなどまるで効果をなさず、すでに肌は茶色に変色していた。空は、相変わらずの青く澄み渡っていて気持ちがいい。

この世の楽園には、徒歩5分で着く。

友達は、海こそが自分の故郷とでもいうように、すぐに海と一体化した。初日と同じように、人はほとんどいない。ほぼ貸し切り状態だ。

ぼくは、ヤシの木が作った木陰で、さきほど買ったスパム握りを食べる。

これがびっくりするくらいおいしかった。期待を上回ったというか、申し訳ないけど、ほとんど期待していなかったのだ。

よく食事は誰と食べるかが大事だといわれるが、どんな場所で食べるかも大事らしい。

晴れた朝、眼前に広がるエメラルド色の海と、青い空、白い砂浜、このような素晴らしいロケーションでは、食べるものも3倍ましでおいしいことに気付いた。

もちろんスパム握りは、どこで食べてもおいしいので、グアムに行った際はぜひ。


そしてもうひとつ発見したことがある。

グアムの蚊は、しつこい。

砂浜に座って、海を眺めていたら、不意にブーンというあの耳障りな音がする。穏やかなグアムの朝がぶち壊しだ。

どうやら後ろの茂みの方から、蚊はやってきたらしい。

ぼくは仕方なく立ち上がり、その茂みから離れた。が、蚊はまるでハイエナのように追ってくる。

根負けしたぼくは、蚊の追跡から逃れるべく、友達にひとこと言って、砂浜の端の方まで歩くことにした。

歩いていく方面には、人がたくさん見えるし、海にはカラフルなボートがいくつか浮いていた。ぼくらがいたところから、およそ300メートルもないくらいだったが、ずいぶんにぎわいが違う。

そこにいる人たちは、どうやら海から徒歩1分もかからないホテルに泊まっているらしかった。ホテルは砂浜と直結している、ロビーを出たらすぐ海だ。

この世の楽園まで、徒歩1分である。

端まで来たので引き返すと、途中でチャペルの存在に気付く。砂浜からはすこし高台にあって、そこから海を一望できる。やはり新郎新婦は、ほとんど日本人なのだろうか。

もといた場所まで帰ってくると、友達は沖の方でまだプカプカと浮いていた。

2日目にして、ぼくも、ようやく海に入る。コンタクトをしていたので、顔をつけずに、浅瀬でチャプチャプ。小さなフグが海藻の間に隠れているのを見つけ、しばらくその姿を追う。

すると、砂浜の向こうからバギーが疾走してきた。

近づいてくる運転席を見ると、グアムの警官が2人乗っていた。遠くからでもわかるくらい彼らの体はムキムキである。こんがりと焼け、鍛え抜かれた上腕二頭筋が否応なしに目に入る。

この地での悪事に対応するには、強靭なフィジカルが必要不可欠なのであろうか。

ぼくは、海に浸かりながら、悪いことはするもんじゃない、となぜか気を引き締めた。



つづく



#エッセイ #日記 #旅 #旅行 #グアム

Twitter:@hijikatakata21


最後まで、読んでくださってありがとうございます!