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30歳過ぎから一人暮らしを始める方法

実家を出たい。家族の介護や病気など、特に出られない理由はない。
だけど、30歳過ぎて、今更一人暮らしなんてどうしたら良いか分からなくて怖い。当時の私の心境です。

一人暮らしをするか悩んでいる方へ、この記事が役に立てればと思います。特にアラサーの方へ。

「家を出たい。」けど「一人暮らしができる自信がない。」20代後半から薄っすら感じていた葛藤は、30歳が近付くにつれて、強くなっていきました。

世間体を気にしていたこともありますが、それより気にしていたのは、一人暮らしができないうちは、一人前の大人ではない。という自分の価値観です。今考えると、狭く一方的な価値観です。

実家という環境の中でも自立はできます。けれど、私に踏ん切りをつけてくれたのは、その狭い価値観でした。

実家にお金こそ入れているものの、家事はほぼ親任せで、親も一人暮らしを勧めて来ない。居心地が良いゆるま湯。

そんな状況に甘えていた私は、「このままではダメだ。」「環境を変えなくては。」そう思い環境を変えることにしました。

その日から、アラサー男の一人暮らしチャレンジが始まりました。

第一歩は『家探し』です。昔は家探しといえば、不動産屋に直行でしたが、ネット文化が発達した世の中。

スマホで調べれば様々な家が出ます。一人暮らしへのハードルが低いことは、実家を出る助けになりました。

賃貸のサイトで目ぼしい部屋にチェックをつけて、不動産屋からの連絡を待ちます。連絡後、日程を調整し、店へ行きます。

不動産屋といえば、『不良物件を口八丁で押し付けてくる悪者』いわゆる悪徳不動産会社。そんなイメージがあった私は、ネットや知人を通じ、賃貸に関する情報を調べられるだけ調べ、完全武装のつもりで店に行きました。

店にいたのは、パンチパーマの怖いおじさん…ではなく、落ち着いたお兄さんでした。私の希望を聞き、色々な賃貸物件を提案してくれます。

こだわりが多く、内見する物件すら中々決まりませんでしたが、「全ての条件を満たす家は、正直に言って無いので、絶対に外せない条件だけに絞りましょう。」というお兄さんのアドバイスで決まりました。

そして内見。物件を4軒回り、散々迷いました。初めての体験はどうしても不安が付き纏います。

「迷った時は最初に良いと感じた物を選ぶと良い。」よく言われる言葉ですが、結局この原則に則って1軒目の物件を選びました。

ちなみに、この言葉の真意は、第一印象が大事という意味以外にも、迷った挙げ句に他人の助言を決め手にすると、イヤな面が見えた時に、他人のせいにしてしまう。そうすると、選んだ物への愛着を失う。という所にあるそうです。

そして、家を選んだ後は引っ越しです。

一人暮らしにオススメの引っ越し方法はスバリ『五月雨式』です。実家にある自分の部屋、子供部屋の荷物だけで、一人暮らしできるわけはありません。

なので、実家からの引っ越しと同時に新天地を住めるようにする。というよりも、家電量販店や通販などで必要な物を集め、生活できるくらいまで整えた後で、最後に実家から荷物を持っていく方法がおすすめです。

家具家電を選ぶ時のポイントは、高い物を買わないこと、一人用の物を買うことです。
理由は30代入ってからはライフステージが大きく変わりやすいからです。

結婚率が高くなるのは30前後、親が高齢なら介護も必要になるでしょう。
数年で環境が変わる可能性が高いので、捨てやすい物を選ぶのが良いです。

また、全て揃えたつもりでも、引っ越してから足りない物に気づきます。
中にはどこに売ってるかよく分からない物や、探すのに時間がかかる物があるので、買い揃えるには通販が便利です。

自分で調べても分からないことは、業者でも、知人でも、とりあえず他人に頼りました。聞けば誰かが教えてくれます。

そうして、ようやく準備が整い、一人暮らしが始まりました。

まともに家事を行うと、親のありがたみが分かります。同時に、実家でどれだけ自分が甘えていたのかも分かります。

皿洗い一つでも、なるべく洗う量が多くならないように、袋のまま食べられる惣菜や冷凍食品を選びがちです。
それなのに、自分が実家に居た時に使うコップの量と来たら‥もし自分が親ならイラッとするレベルでした。

洗濯だってそうです。一人なのに毎日出る洗濯物の多さ、中々面倒くさくなってしまいます。
それが、家族の分だけ、毎日毎日、洗濯して、畳んでくれる‥本当に親は偉大です。

他にも、洗濯物を干すために毎日の天気が気になったり、ゴミを捨てるために曜日が気になったり、今まで気にしなかったことが、気になるようになりました。

そして、少し家事に慣れてきたら、自分の事を自分で全部している感じ、全て自己管理していることが、楽しくなってきます。

もっと慣れてきたら、毎日毎日同じ事を繰り返す、家事が面倒になってきます。
更にもっと慣れてきたら、家事が日常になりました。

親のありがたみを知り、自分を恥じる。これだけでも一人暮らしをした甲斐があります。

ちなみに、この記事はリアルタイムで書いていません。
これだけ甘えていたことは恥ずべきことですが、今はしっかり反省しておりますので、どうかご容赦ください。

また、一人暮らしの最大のメリットは『自由なところ』です。

自分のペースで生活できるし、他人に迷惑さえかけなければ、家で何をしても、誰にも怒られません。話す相手がいないので、少し寂しくはありますが、やりたい放題です。

するとどうなるか?自由な上に、コロナ禍で飲み会が無いことが重なり、家での飲酒量が増えてしまいます。

『お酒は飲むほどに強くなる』というのは、真偽は定かではないですが、私の場合は、もっと酔いたくなり、酒量が増えていきました。
深酒は生活を乱します。

「酔ってるからいいや。」と普段やる掃除をやらなかったり、適当に皿洗いをしたり、服を畳んだり、洗濯を後回しにしたり、どんどん家が汚くなっていきました。

そして、家事が疎かになるばかりでなく、酔った勢いで、辞めていた煙草を吸ってしまいました。

そうやって数カ月間、真っ逆さまに堕落した生活を送ります。

ところがある日、再びの禁煙を決意しました。理由はシンプルに身体がしんどいからです。

その日から煙草を辞め、酒も嗜む程度に飲んでいます。禁煙の反動でちょっと太りましたが、何とか踏みとどまれて良かったです。

分かってはいましたが、煙草は家が汚くなるし、お金も時間もかかるし、健康に悪い影響を及ぼすし、良いことがほぼ無いですね。

痛い目を見たので、あえて言いますが、一人暮らしをする際は、酒の飲み過ぎにご注意ください。

30歳越えてから始めた一人暮らし。

家を出るまでに、大分時間が掛かったし、出てからも色々と失敗をしました。

何とか一年以上続けられているのは、『マイペース』で出来たからだと思います。

一人立ちしたからには、頑なに実家に頼らないとか、そんなこともなく、親の様子を見るついでに、定期的に実家に帰っています。

世間から見れば「良い大人が恥ずかしい。」「情けない。」ひょっとすると、そんな風に見える一人暮らしかもしれません。

それでも、『やらないよりかマシ』の精神を持って、一時の恥か?一生の恥か?の選択肢の中で、一時の恥を選んできました。

そのお陰で、家事も一通りできるようになり、親の偉大さも感じました。何より自信がつきました。

例え10年遅れのスタートだとしても、挑戦できて良かったです。
もし迷っている方がおられたら、まずは『ネットで家探し』からはじめてみてください。

家事の経験値ゼロでも、30歳越えてからでも、一人暮らしはできます。ゆっくり自分のペースで行きましょう。

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