早見沙織 Concert Tour 2019 “JUNCTION”

昨年末に発売された2ndアルバム「JUNCTION」を引っ提げた初の全国ツアー。
ツアー自体は、2年半ぶり2回目。
本記事では大阪公演翌日、興奮のままに綴った感想をベースにライブの様子をレポートとして残します。

2019年4月6日(土) 広島・JMSアステールプラザ 開演18:00 終演20:17
2019年4月7日(日)大阪・大阪国際会議場メインホール 開演18:00 終演20:25
2019年4月13日(土) 北海道・札幌市教育文化会館 大ホール 開演18:00 終演20:23
2019年4月29日(日)東京・東京国際フォーラム ホールA 開演18:00

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
この記事は開催中のツアーの内容の「ネタバレ」を含みます。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※












































■セットリスト

OPENING
M1. Let me hear
M2. Secret
M3. やさしい希望 ※1
M4. 夢の果てまで ※1
-MC-
M5. Jewelry
M6. SUNNY SIDE TERRACE
M7. メトロナイト
M8. 白い部屋
M9. 祝福
M10. interlude: forgiveness
M11. 星になって (弾き語り)
-MC-
M12. 琥珀色(弾き語り short)
-MC-
M13. 未発表曲(弾き語り)
-MC-
M14. ESCORT
M15. little forest
M16. Fly Me To The Moon (カバー)
-MC-
M17. 僕らのアンサー
M18. 夏目と寂寥
M19. Where we are
M20. Bleu Noir
-MC-
M21. 温かな赦し

-MC-
En1. 日替わり曲 (広島:LET'TRY AGAIN / 大阪:雨の水平線/北海道:NOTE)
-MC-
En2. 新しい朝
En3. Bye Bye

※1 広島公演は順番逆

■バンドメンバー
ベース・バンマス:黒須克彦
ギター:黒田晃年
キーボード:角脇真
ドラム:かどしゅんたろう
※2 ヴァイオリン:日俣綾子 保科由貴
※2 コーラス:川崎里実 野田愛実
※2 東京公演のみ

■開演前BGM
早見沙織さん本人選曲の開演前BGMも醍醐味の一つ。その音楽の幅の広さにご注目。
Apple Musicでまとめてくれている方がいるので是非【こちら】からどうぞ。


早見沙織 Concert Tour 2019“JUNCTION”
それは日々の感動の集積。ジャンクション(合流地点)というタイトルの通り、会場に集まった職業も年齢も考え方も性別も違う人、一人一人に音楽で寄り添い、音楽を通し心を重ね合わせることで、ありのままの姿を肯定したい。そんな屈強な願いを感じるライブでした。
「早見沙織の音楽としてではなく、受け取った皆さんの物語を作っていって欲しい」そう語った1stツアーから決してブレることのない願いは、楽曲、歌声、演奏、演出、オーディエンス…。全てがより幅広く進化したことで、また新たな魅力を形作りました。

(以下、ライブ内容になりますが、記憶と実際のパフォーマンスに齟齬があった場合は申し訳ございません。)

オープニングから、泣ける。

ドキドキとワクワクが綯交ぜの感情で迎える開演時刻。
灯りが消え、軽快なバンド演奏が夢の時間の始まりを告げます。
(いよいよだ…!!!)
すると、ステージ前方に垂らされた紗幕(=照明の位置により幕の内側が見え隠れする薄い幕)に映像が投射され、楽器からキラキラが溢れ出るようなプロジェクションマッピングが演奏を彩ります。
楽器にフォーカスし、全編"生演奏"で聴かせる…というワクワクを予期させるその演奏は「温かな赦し」を彷彿とさせるメロディ。
インスト曲「interlude: forgiveness」とは違い、盛り上がるオープニングナンバーとしてアレンジされています。

音楽の盛り上がりに合わせて、映像はだんだんとJUNCTIONのロゴが描かれていくものに変化します。
先ほどのキラキラが線になり、別々の方向から集まってきた線たちがそれぞれ重なり合い、その瞬間を正方形の枠で縁取ると「JUNCTION」のロゴが完成…!
(広島は赤色のBD版、大阪は緑色のDVD版のCDジャケットを用いたロゴ…と日によって違うサプライズアリ。)

音楽による赦しライブ会場がジャンクション(合流地点)というテーマを提示するオープニング。興奮も最高潮に高まり、この時点で涙が…!

圧倒的パフォーマンスで届けられる、多様な楽曲たち!

紗幕に投射されたロゴでステージが隠れると、1曲目のイントロが流れ、幕が上がるとともに早見沙織さんが登場!
蛍光ピンクのドレス衣装に身を包み、JUNCTIONの始まりの曲、「Let me hear」を披露します。
70年代ロックのようなパワフルな原曲を、より自由にメロディをアレンジして歌い、その姿はまさに歌姫。

観客も立ち上がってノリノリになり
《Ah 声が聞きたいよ 君の声が好きなのさ》
という、早見さんと観客、双方の思いを体現したであろうこの楽曲でコールアンドレスポンス。「この瞬間を待っていた!」と叫びたくなるような、胸の高鳴りを音が具現化してくれる最高のオープニング!
その勢いのまま「Secret」に続きます。
青と赤の光に会場が包まれ、ムーデイな雰囲気の中、演奏されるアップテンポなジャズナンバーに、クラップも鳴り止みません。

「もっともっと私の好きなマイナーな方向に進むかもしれない」
この楽曲を1曲目に披露した昨年5月のライブでそう語った早見さん。もとよりこういう楽曲への期待値が高かったですが、結果として、幅広い楽曲を手がける中で、楽しみ方の一つとして確実にファンに支持された…という印象を覚えます。
本ツアー直前のインタビューでも語られている早見さんがモノ作りに込めた独自のセンスや感性が望まれた形で今回のツアーを築いているんだと、強く感じます。

実際にここからは音楽の方向性の違う二曲、どちらも力強い生き様を歌った「やさしい希望」「夢の果てまで」と続き、ヴォルテージを上げていきます。
「やさしい希望」はボサノヴァArr.ではない原曲に近いArr.は1stツアー以来!
個人的な話になりますが、合唱団で1年歌い継いだ楽曲で、思い入れが深く、久しぶりにこのアレンジで聴けて嬉しかったです。初めて聞いた時は"憧れの人"との関係、その後は"恋人"との関係、今は"友情"の曲に聴こえるなと、楽曲の多面性を感じました。
Cメロ前の間奏は原曲だとストリングスが入りますが、黒田さんがギターソロで対応。痺れます。
前回同様、ステージの横いっぱいに歩き回り歌っていました。

MCに入ると打って変わってふんわりした雰囲気で2年半ぶりのツアーであることを挨拶。人柄を感じさせるいつものはやみんです。

次の曲はシングル続きでCCさくらEDテーマ「Jewelry」
ラスサビ《大丈夫 信じることがパワー》というフレーズを観客に歌わせると、それに答えるように《唱えて いつも 負けない"君に" また会えるよね》と歌詞を変えて歌唱。ダヴィンチの全曲インタビューにて「お客さんに歌ってもらったときに、本当にしっくりきた」と語っていましたが、まさしく受け手側もライブで聴くたび楽曲が沁みると感じた瞬間でした。

続く「SUNNY SIDE TERRACE」では物語性のある歌詞を情景的に演奏。
ギターの音が特にユニークで
(ん?コーラス隊いたっけ?…違う!ギターの音だ!すげぇ!)
となるくらい、2番Aメロがおしゃれです。
盛り上がる楽曲はもちろん、落ち着いて聴き込む楽曲も早見沙織さんのライブの魅力の大きな一つ。
印象的なのがCメロの《さよならってほんと難しいね 前に 前に 進む貴方は素敵よ》という歌詞。個人的に色々感じることのある歌詞ではあるのですが(笑)
すごいのが、ライブでもちゃんと「ほんと(ひらがな)」「貴方(漢字)」に聴こえるところで、音形に支配されず言葉で、しかもそのニュアンスまで表現する早見さんの歌声には脱帽です。

落ちついて一曲演奏したかと思えば、アウトロがだんだんと加速していき、そのまま「メトロナイト」へ。これがもう最高にクール!
早見さんがイントロ/間奏でアナログ・シンセサイザー microKORGを演奏し、シティ感溢れるアシッド・ジャズの世界に引き込んでいきます。
広島公演ではmicroKORGの音が鳴らないというハプニングが起こるも、瞬時にスキャットで代用するという一場面が。ハプニングもそういう編曲だったかのような貴重パフーマンスへと変えてしまう早見さん。半端ない。
ラスサビでは観客にも《もっと もっと》と歌わせ思いっきり盛り上げます。この楽しさは…たまらない…!!

音が描く言葉を超越した世界

曲が終わると、再びステージ前方に紗幕が下され
「白い部屋」「祝福」と続けて、紗幕に映像が投下される演出性の高い演奏が披露されます。ここからは着席で聴き込みます。

稲穂に始まり、生い茂る木々、夕焼けの空と…普遍的で人の手が届かない「世界」を映し出す映像と、物静かで繊細、だけど激流のような感情が入り混じって聞こえる歌声の融合。
言葉で言い表せない複合的な感情や世界の神秘を感じさせる、空間音楽のような時間が続きます。
音楽と呼応した映像はエモーショナルに心を揺さぶり、狂気さえ感じさせます。

もはや言葉すら超越した感覚的な世界が続く中、終盤、祝福のラスサビでは一転して赤い光がステージを包みます。
とても力強い声で《きっと明日が来れば世界が変わる》と歌うと、これまで言葉で言い表せった感情の重みがその言葉にのしかかり、暗さとは裏腹の希望すら感じさせられます。
気がつけば涙がこみ上げていた…そんな演奏でした。
紗幕越しに見えるバンド演奏のパワフルさにも注目です。(特にドラムのスティック回し。)

これらの曲が終わると、バンド演奏による「 interlude: forgiveness」
そのタイトルの通り、これまでの流れを浄化していくような美しいサウンドと映像が会場を包みます。

弾き語り 〜 ささやかに紡がれる音

幕が上がるとステージにはグランドピアノが。
そこには白い華やかなドレスに身を包んだ早見さんの姿があり、「星になって」をピアノで弾き語ります。
ステージセットが変わり、背景には額縁。バトンからぶら下がった複数の電球が照らすステージは、温かな雰囲気に包まれます。

「この曲はいつも楽曲を提供してくださる矢吹香那さんがずっと前に描いた大切な楽曲です。」
そう話す早見さんの声は本当に大切なものをそっと包むように優しく
「せっかくなのでコミュニケーションを…」と「地元で来てくれた人ー?」「女性の方ー?」「初めて来た人ー?」など、優しいトーンでやりとりをします。
広島は地元半分。大阪はもう少し多めで、女性、初めての人の割合は3割くらい?1stより多い印象を受けました。
大阪からきた人に「おおきに」と声をかける姿が可愛らしかったです。

衣装を「ピアノの発表会のよう」と説明している姿も、本当に発表会のようで、
続く「琥珀色」ではラスサビ前の和音を不協和音にアレンジして(コードに詳しくないので間違っていたらごめんなさい。) 繊細な感情の機微を表現した音がぐっと心に冷たく、だけど心地よく刺さりました。
フルで好きな楽曲ですが、二番カットで程よい長さなのはライブ全体のバランスとして良かったです。

早見さんの未発表曲レパートリーとしてはこの二曲で終わり…ですが、もう一曲未発表曲を披露してくれるとMCがあり、湧き上がる会場。
「この曲は最近形になったばかりで、東京公演くらいまでには歌詞が出来てたらいいな…と考えていて、それまでライブで感じたことや日々感じたことを乗せられたらと…。」
「日々私が感じていること、誰かがこう感じているかなと思うことを日記じゃないけど音楽としてまとめていて…そうやってささやかにお届けできたら」
日常の断片の集積が音楽となる…何か一貫した主張ではなく、様々な感情に寄り添う音楽。そんな早見さんの音楽が好きだからこそ、こうしてそんな音楽が生まれる瞬間の一部になれるのは感慨深いものです。

「それでは聴いてください。なんか、曲。」
そんなゆるいMCの締めから「未発表曲」が披露され、歌詞がないため"ラララ"で披露されているにも関わらず、切なさと暖かさと情緒を感じさせました。

思わず泣いてしまうファンに対し「ああ泣かないで どうか笑ってて」と声をかけ、そんな様子まで暖かく、ささやかな癒しをくれる早見さんでした。

そのままバックバンドのメンバーを紹介。
黒須さん黒田さん角さんかどさん。黒黒角角でブラックコーナーと呼んでいるそう(笑)

「名前のかっこよさ通り本当に頼もしい演奏で。このライブは全て生演奏でお届けしています。私の声とバンド演奏と、そしてみなさんの声でこのライブが出来上がっています。」
毎回スタッフへの感謝の時間も欠かせない早見さんの素敵なMCです。

ジャズコーナーは欠かせない

続いて披露されるのは、そんな生演奏で聴きたいおなじみの曲「ESCORT」
ツアーパンフで「これが一番喜んでもらえるだろうってことをやりたい」と語っていましたが、今回のセットリストはJUNCTIONの曲を中心に、こういったお馴染みナンバーが程よく散りばめられている印象です。

ジャジーな雰囲気が続き「little forest」では、原曲では管楽器が印象的な分、引き算して洗礼されたカフェミュージックのようなバンドアレンジで披露されました。
《「逃げ」でも「向き合う」でもどちらでもいい たどり着いたのは同じ場所なのだから》
矢吹さん、本当に良い詩書きますよね…。この歌詞が早見沙織のライブで歌われるということが、前向き、後ろ向き、どんな感情であれ"今ここにいる"自分を通気づけさせてくれるんですよね…。
《こころ揺らして いきてゆければ明日はくる》という歌詞は、先ほどの「祝福」とのつながりも相まって強い説得力を感じさせます。

そして聴き覚えのないアレンジのイントロが始まると、歌い出しで驚愕。
あの有名なジャズナンバー「 Fly Me To The Moon 」をカバー演奏。
ワルツでゆったりとした歌い出しから、4拍子になると軽快なバンド演奏で盛り上がる、二段構えのアレンジで楽曲の魅力を最大限に引き出し、自分の曲かのように巧みに歌い上げる。圧巻のパフォーマンスでした。

「新世紀エヴァンゲリオン」のEDとしての知名度はもちろん、「アイドルマスター シンデレラガールズ」で声優として早見さんがカバーした感動が記憶に新しい楽曲。
昔から母親とハモっていた馴染深い楽曲と説明しながらも「ニヤニヤしてる人は早くアレを説明してくれって感じなんでしょ?」と言いながら上記のアイドルマスターについて説明。
演奏前に白いドレス部分を舞台袖に置いたので
「この衣装、良いっしょ。」
というダジャレのファンサービス(アイドルマスターで早見さんが担当するキャラがダジャレ好き)
JUNCTIONカラーのサテン素材のスカートで本当にいい衣装。
歌手としても声優としても、ファンには貴重すぎるたまらないサプライズでした。

血を流して盛り上がる

「そろそろ血を流したいでしょ?」
その不思議な煽りは、「血の巡りを良くして」を言い間違えた1stツアーからの伝統となっている。つまり、このMCが来たら盛り上がる時!
再び観客も立ち上がり、もはやこれも伝統となりつつある早見さんが叫んだら観客も叫ぶというコールアンドレスポンスで会場を温め、ついにこの時間が来た!!「僕らのアンサー」がスタート!

観客も思いっきり声を出し、飛び跳ね、盛り上がる定番楽曲。この曲は楽しい!それに尽きる!「やさしい希望」同様ステージいっぱいに広がって観客を盛り上げ、「夏目と寂寥」へと続きます。
この曲もリリース時から根強い人気をSNSからも感じる楽曲で、昨年末のライブ以来2回目の披露でありながら、まってましたと言わんばかりの大盛り上がり。
《もうあなたあなた!あなた!》《破れかぶれ!見切り発車!》と観客に歌わせ、イントロからギターが前に出てパフォーマンスをするなど、ヴォルテージを一気に高めていきます。

さらに盛り上がりは続き「Where we are」
(おおおお!まだくる!!!!)
と感じるくらい盛り上がり楽曲続き。
1stツアーのために作られた楽曲で、歌詞の内容もライブの楽しさを凝縮したようなこの曲。「なんだってできる君となら」という歌詞で早見さんを指差すファンの人が広島にも大阪にもいて、多分同じ方なのですが、その気持ちとてもわかるなぁと(笑) どんな曲、どんな歌詞であれ「この曲は自分のための曲」と思える曲はいい曲で、余白の多い早見さんの楽曲はそういう曲が多く、この曲はまさにライブで共感される曲なのでしょう。
曲中にメンバー紹介をするのがお馴染みのこの曲ですが、今回は普通に演奏していました。

前曲のアウトロが終わると、そのまま間を空けずに《bleu on bleu on bleu》と歌い、「Bleu Noir」に入ります。
昨年末のライブでも見披露で、個人的に今回一番楽しみな楽曲の一つでもあったジャズナンバー。
サビはギターの黒田さんのコーラスとの掛け合いで、何と言ってもアウトロがおしゃれ。一人一人メンバー紹介をするアレンジを披露すると、「1,2,3,4」というカウントからスキャットとピアノの絡み合いを披露。
あの原曲ですら物足りなくなる圧巻の演奏で一連の流れを締めます。

この会場がJUNCTION

いよいよライブも大詰め。優しいアコースティックギターの音色をバックにMC

「別々の方向から集まった線の合わさる瞬間を切り取ったのがJUNCTION。このライブもまさにJUNCTIONだと思っていて、色んな人が集まって、また明日からは別々の生活が待っている。さっき泣かないでって言ったけど、泣くことも構わないのかもしれない。一人一人、いろんな感情があって、その一つ一つをいいよいいよと受け入れたい。ここにいる一人一人のためにこの曲を歌います。」

演奏されるのは、「温かな赦し」
ツアーに向けたインタビューで「大きな枠で包むような楽曲が欲しいなと思い、最後にこの曲を置いたので、ライブでもそういう感じの曲になってくれるのではないかなと思ってます。」と語っていたこの曲。
まさにその通り、オープニングから一貫してきた赦しというテーマで、様々な方向を向いた全ての楽曲に付与し、包み込んでくれます。

柔らかく包む雰囲気、叙情的なピアノとともに「いいよ いいよ」というフレーズを、原曲以上に語りかけるように歌い、最後には浄化の光が差し込むかのようなバンド演奏の余韻を残し退場。

辛いことも沢山あるけど、このありのままの自分でいいんだ。
そんな強い肯定感を与えてくれる演奏でした。

またどこか、別の明日で・・・

手拍子と声によるアンコールに応えて早見さんが再び登壇。
ポニーテールでライブTシャツ(色は日替わり)に、下は私服であろうロングスカートに黄色いスニーカー。定番のアンコールスタイルです。

「今日だけの特別な演奏をお届けしたいと思います。」

アンコールの一曲目は日替わり曲。しかも毎回違う楽器とのコラボレーション!

● 広島
 「この曲に背中を押されたという手紙を本当にたくさんいただいていて、私も励まされた曲です。角脇さんのピアノだけでも泣けると思います。」

(あ、あ、あ、あ。。。。)

このMCの時点で泣ける。なぜなら何の曲か想像がつくから。自分もたくさん背中を押された、多分一番好きな楽曲。
「LET'TRY AGAIN」ピアノ伴奏のみのアレンジは3年半前の「やさしい希望」のリリースイベントでも披露されましたが、それ以上にテンポを緩めたバラード調の強いアレンジでした。
僕の話で申し訳ないのですが、泣きすぎて立てなくなってしまい、ずっとハンカチで顔を抑えていたのでほとんどステージを見ることができませんでした。
でもこの時間はこの先も忘れられないと思うし、大きなエネルギーをもらえて非常に良い時間でした。

● 大阪
「ライブでよく演奏している曲だけど、このバーションはとてもレアです。大阪にぴったりの曲かもしれません。」

そういって披露されたのは「雨の水平線」
ベースとドラムという珍しい組み合わせ。繊細なキーボードのイントロをベースでアレンジしていて最高にクール。
終わった後にアレンジの魅力を精一杯語るも、てんやわんやして「もう…みんな聞いたから伝わってるよね!?」という早見さん、可愛い。

● 札幌
「さわやかな春の訪れにふさわしい曲」
ギターと共演で「NOTE」

日替わり曲が終わると、バンドメンバーもライブTを着て再び登場。


「明日からまた新しい明日が始まるけど、私も"千里の道も一歩から"という思いで、新しい明日を繰り返して少しずつ進んでいこうと思います。またどこか、別の明日でお会いしましょう。」

血を流す…とか言ってたとは思えない美しい言葉で思いを紡ぐと、「新しい朝(あした)」のイントロが始まります。

《きっと明日が来れば 全てが変わる》(祝福)
《こころ揺らして いきてゆければ明日はくる》(little forest)
《行く手に待つのは新しい朝(あした) どこからか聞こえる希望の歌声》(新しい朝)

音楽に身を委ね心を揺らし、きっと全てを変えられる、新しい明日へー。
様々な人が集まるJUNCTION。一人一人を受け入れ、そこから先に広がる一人一人の明日への希望の歌声が、祝福の鐘の音のように美しく響きます。

《LaLaLa………》
会場と声を合わせる早見さんの瞳には、うっすら涙が溜まっているようにも見えました。

お決まりの最後の和音をバンドがかき鳴らす、まさに大団円と言えるアウトロが終わると、続いて「 Bye Bye」のイントロが。
感動しすぎて(泣いて立てない…)と思っていたものの、気がつけば、音楽の流れが自然と立ち上がらせてくれました。盛大な曲から最後に明るく軽めな曲やって終わる…みたいなパターン好きなんですよね。とても嬉しい。
観客と早見さん、一緒に手を振りながら、明日からの決意表明のような歌を共有。泣きながらも、良い笑顔でいれた気がします。
シンセサイザーで間奏を弾く早見さんの姿も一段とかっこよかったです。

《覆い隠された憧れのベール外せば 他の誰でもない見慣れた姿が きっと》

最後の最後にこのフレーズで終わるライブは、ありのままの自分への最大の賛辞でしょう。


ありのままの自分を肯定してくれるからこそ、早見さんのライブに行くと丸裸の自分と向き合うことになります。それは綺麗事だけで済ませられない、見たくない自分と向き合うことでもあります。具体的に感想を書きすぎると筆者の人となりがフルオープンになってしまう程に…(笑)
しかし、だからこそ、このライブで感じたものが日々の活力になるのかもしれません。

1stライブツアーのMCで「ライブで楽しかったから頑張るぞー!って気持ちになっても、一週間くらいでまたへこたれちゃうもの」と早見さんはおっしゃっていました。"だからこそ日常に寄り添える音楽でありたい"という願いは、今回のライブにも強く反映されていました。

ライブを大きく包み込んだ楽曲「温かな赦し」
理想を持って自分を肯定するのではなく、まずはどんな自分でも受け入れてみる。
早見さんは自身の音楽についてよく「多面性」という言葉を使いますが、
一面だけ見て自分中心に考え、思い通りにいかない不安に苛まれるのでなく、いろんな角度から物事を見つめて自分を受け入れていこう…という、ふとした瞬間に思い出して勇気をくれるようなその"気づき"が音楽を通して共有されるのがこのJUNCTIONツアーでした。そしてそれは、日々やってくる明日への希望の兆しにもなります。


人はいつか死ぬ。だからといって生きる意味がないかと聞かれると、むしろ死を持って生を実感できる…なんて、人類が問い続けてきた人生の哲学がありますが、
JUNCTIONする喜びは、ライブという有限の時間を通じて、人と人が出会い、それだけじゃなく、また別れた先に大きな意味を見出してくれる。
今日この瞬間のその先の、それぞれの明日に向かうことでより輝度を増す、そんな生きてゆくことの賛歌が今回のライブだったんだと思います。


「美味しいご飯でも食べて帰ってください。」


演奏後のお決まりの一言。ライブが終わった後の日常に語りかけるこの言葉も、まさしくそれを象徴していますね。


早見沙織さん、関係者の皆様、最高のライブをありがとう!!


2019.4.14 Hikaru

〜おまけ〜

◆グッズ


今回も日常使いがテーマ!
ポーチ、ステンドグラス、キーホルダー、モバブの順に売り切れていった感じです。

◆フラワースタンド
早見さん自身のツイートでご紹介されています。いつものスタッフ/ワーナーからに加え、アニメイトゲーマーズ、そしてなんと両親から毎回贈られていました。

◆会場写真



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?