HAYAMI SAORI Special Live 2019 ”CHARACTERS”

早見沙織アーティスト活動5周年に向けて過去のキャラクターソングも交えた企画ライブ。
本記事では初日東京公演の帰り道、興奮のままに綴った感想をライブレポートとして残します。

2019年10月16日(水) Zepp DiverCity Tokyo 開演19:00 終演21:03
2019年10月27日(日)Zepp Namba ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

この記事は開催中のツアーの内容の「ネタバレ」を含みます。
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ついにこの日がやってきました。
2007年から12年間、早見沙織さんが声優として歌ってきた数多の楽曲をセットリストに取り込んだ企画ライブ。その名も「CHARACTERS」!!!

アーティストとしての楽曲を1stシングルから最新シングルまで順に辿る中に、これまでのキャラクターソングが挟み込まれるという構成で、
"過去を辿る"という流れの中に、
「アーティストとして斬新な毛色の違う楽曲同士の呼応」と「昔とまた違った魅力を発揮するキャラクターソング」という
全く新しい"未来を感じさせる"音楽の力強さが印象的なライブで
来年のアーティストデビュー5周年に向けたライブに相応しい内容でした。

◾️セットリスト
やさしい希望
木漏れ日のコンタクト
MC
その声が地図になる
NAKED GENIUS
Sacred Bulled 〜紅の十字架〜
Have a strong will 〜木枯らし〜
MC
夢の果てまで
きみを想うとき
想うコト
fallen down
風がなにかを言おうとしてる
MC
Jewelry
ダーリン
新しい朝
MC
secret base 〜きみがくれたもの〜

メトロナイト
レンダン
MC
新曲
MC
この世界がいつかは

https://twitter.com/hayami_official/status/1184466949448687616?s=21

ここからは詳細のレポートになります。

開演前

早見沙織さんのライブの開演前といえば!
本人チョイスの開演前BGMが毎回話題になります。なんといっても渋く、幅広い。
今回は寺尾聰、ユーミン、ピンク・レディーと…懐メロ縛り!


そして、開演直前には新たな試みが!
早見さん本人による注意事項のアナウンスです。

これまでのアーティスト活動では所謂声優らしい演出や、それに触れるMCをあまりしてこなかった早見さんですが
このアナウンスでは1回目は大人びた芯のある女性、2回目は幼げな少女(難しい単語はつまづきながら読む可愛らしさが堪らない)と、声の演技を最大限に生かした演出で観客を沸かせ、企画の特別感を感じさせました。


そして開演。


JUNCTIONと同じで、いつものバンドに弦とコーラスが入る構成で、同期の無いそれぞれの音が印象的なオープニングが披露され、
ライブのタイトルロゴカラーの衣装に身を包まれた早見さんが登場すると
1曲目「やさしい希望」がスタート。

早見さんのアーティストデビューシングル。
レコーディングされた音源は一発録りでとられたもので、当時「まだ半分キャラクターソングとして歌っていた」と語っていたこの楽曲ですが
4年間歌いこまれたこの曲は、"アーティスト早見沙織"を強く感じさせる歌声でした。

1曲目が終わると、ピアノが和音を鳴らす。
勘のいい人はこれだけで次の曲がわかるかもしれません。(自分が勘のいいアピール笑)

いちめん染まる花は~♪


2010年のアニメ「STER DRIVER 輝きのタクト」より
「木漏れ日のコンタクト」

劇中でもバージョンを変えて何度も演奏され
代表曲もして思い浮かぶ人も多いであろう1曲であり、早見さんのキャラスターソングを多く手がける神前暁さんの楽曲。
ボンズの代表ロボアニメで、作品知名度も高いです。

具体的にどこ…という余裕がないくらい、本当にキャラソンライブが幕を開けたんだという高揚感でひたすら涙が止まらなくなる演奏でした。

作品を連想させる照明の色にも余計心を揺さぶられます。

2曲歌い終え、MCに入っても鳴り止まない歓声。
待ってました!と言わんばかりの歓喜の中、挨拶を終えると

3曲目「その声が地図になる」を披露。
披露は昨年のクリスマスライブ以来。ストリングスが加わってまた聴きどころ満載。
1stシングル→キャラソン→2ndシングル
と来て、

この雰囲気で続けるなら絶対この曲しかないなとサイリウムを手に取ると
予想通り4曲目は「NAKED GENIUS」

2011年のアニメ「神のみぞ知るセカイII」のキャラクターソングで、アニメのライブイベントで繰り返し披露され、映像化もされました。
事前に確認曲として発表された曲であり、その際「予想通りと言ってる人が多かったみたい」と早見さんが言うくらい、ファンにとってはお馴染みのナンバー。

というか、この曲が聴きたくて生きていたまである。

ちなみにこの作品の音楽スタッフがほぼほぼ今の早見沙織音楽チームで、ワーナーからデビューするキッカケとなった作品でもあります。

力強い歌の中に差し込まれるキャラクターの台詞はコーラスの川崎さんが歌われていて、声優である早見さんの前で台詞を言うのは一見おかしな話だけど、それが余計"音楽"としての完成度の高い成り立ちを見事に表現していました。


盛り上がり曲が続いて5曲目は
2013年のゲーム「シャイニング・アーク」より「sacred bullet ~紅の十字架~」
シャイニングシリーズでは、後の作品シャイニング・レゾナンスでも多くキャラクターソングを担当されていて、どれか1曲は来るかなと思っていたけれど(新曲がゲームタイアップだし…)まさかのアーク曲でした。

とにかく盛り上がるナンバー。
本日演奏された楽曲では1番聞き馴染みのなかった楽曲ですが、とてもノレる。
こういった楽しみもこのライブならではです!


6曲目は雰囲気をガラリと変え、ショパンの印象的なピアノから始まる
2014年のアニメ「四月は君の嘘」キャラクターソング「have a strong will~木枯らし」

BD購入特典のCDに収録された楽曲ですが、魅力的な音楽が話題を読んだ作品で、イベントでも披露され、当時からファンの人には印象的な楽曲かと思います。

なんといっても名曲中の名曲。雰囲気もアーティスト名義の楽曲に近い、木枯らしの肌触り、温度まで感じさせつつ、内包する熱さを早見さんの歌声で表現した楽曲。

曲中で何度か印象的に差し込まれるショパンの木枯らしのメロディは、イントロ以外早見さんがマイクロコルグで演奏。

いや凄い…こんなものが見られるなんて…。

因みに四月は君の嘘は、かのONE PIECEの尾田栄一郎先生も「漫画で出来ないはずの音楽という表現を見事にやってのけた名作」と大絶賛しているので、未視聴の方は是非。泣けます!!


そして再びMC
・5周年に向けた企画ライブ
・作品が終わるとそのまま日の目を浴びないのはもったいないくらいの名曲たちに再び命を吹き込みたい
・過去の曲だけど、アーティスト活動としてはチャレンジ企画

という、ライブの企画意図に関するお話がありました。

7曲目は3rdシングル「夢の果てまで」
キャラソンの中で披露されると、不思議と聴こえ方も変わってきて、良い意味で竹内まりやらしさが埋もれて聴こえる気がしました。

そしてここからが凄いです。。

三沢さんが今回初めてアコースティックギターを構えたので覚悟はしましたが

8曲目は2008年のアニメセキレイ11話ED「きみを想うとき」

来ましたセキレイ!
早見さんの初期の作品の中で人気の高いアニメ作品の、重要な話数のEDとして流れた楽曲。
序盤はエロギャグが目立つ本作ですが、後半からシリアスなバトル要素や判明していく世界観がとても面白い作品です。

同期なしでも再現度100%で美しいヴァイオリンから始まり、切なく歌い上げる早見さんの歌声を聴いた感動は、言葉に出来ません。

そして1番を歌うと、そのまま9曲目に移行。

2013年のアニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」(2期)12話ED「想うコト」

まさかの繋ぎ、とても自然に曲の世界観を引き継いで名曲ラッシュ。

この曲は、人気作俺妹という物語における人気キャラクターあやせの結末を歌った楽曲です。
構成の都合上、あやせというキャラクターが物語ラストに取る"ある行動"に関する重要なエピソードがアニメではまるまるカットされてしまいます。
アニメ版はその行動に至るまでをエピソードではなく距離感で表現し、そのEDに裏づけのようにこの曲、この歌詞をぶつけるのです。

…つまりところ、作品ファンにぶっ刺さりの歌詞なのです。

……というのを抜きにしてもとても良い歌詞で、またしても涙が止まりません。

この曲のアウトロを長くアレンジすると、一度早見さんは退場。そのまま音楽は止まることなく次の曲へと移行するのですが

ピアノのコード進行が………
そう、勘のいい人はわかるシリーズです。
(※2回目の自分が勘のいいアピール)

ピアノに合わせてコーラスが入ると、だんだんと次の曲の色合いがぼんやりと浮かんできます。

衣装を変えて早見さんが再び登場すると、音楽に合わせて歌い始めます。

fallin down……♪

この日1番の歓声。

10曲目2009年のアニメ「そらのおとしもの」10話挿入歌「fallin down」

2度のテレビシリーズ、2度の映画化と、大ヒットシリーズで唯一早見さん演じるイカロスが劇中で披露した楽曲。
この作品で早見さんは吉田仁美さんとblue dropsというユニットを組んでOPEDで数々の名曲を歌い、ライブイベントでも披露されましたが、その中でもやっぱり印象深い楽曲。

アニメは1話完結のエロギャグがメインですが、その中にしっかりシリアスなドラマがあり、キャラクターの軸がしっかりしているからギャグとシリアスの調和が心地よく、とてもお勧めです。
この曲は1期の挿入歌ですが、最後まで観てから聞くと2番の歌詞でこの曲の意味を理解してしまい、崩れ落ちる現象が起きます。

ライブでそれにやられ、印象的なコーラスが〜とか感じてる余裕がありませんでした。。。

…からの!!!

11曲目2008年のアニメ「我が家のお稲荷さま」ED「風がなにかを言おうとしてる」

今一番聴きたかった曲きたーー!!!!!

ラジオ「早見沙織のふり〜すたいる♪」の企画、早見沙織楽曲特集の際に「いつかみんなで一緒に歌いたい」と言いながら流していた楽曲で、
聞きなじみの良いメロディでとてもシンプルな、だけど伸びやかなイメージが想像できる歌詞の応援ソングです。

これを早見さんの歌声で聴けるからたまらないのです。
そしてライブなので声だけでなく姿も…。
ステージ端まで歩き、お客さんを見ながら語りかけるように歌う姿には本当に心揺さぶられました。


MCでは8〜11曲目の流れを特に懐かしいゾーンと振り返り、アーティスト曲と違って
「みんなで盛り上がるのでなく一人一人特定の人がぶっ刺さる」と語り、このライブの歓声を楽しんでいるようでした。

12曲目は4枚目のシングル「Jewelry」

前曲に続いてサビの頭が「大丈夫」繋がり。
イントロの早見さんのマイクロコルグは過去の演奏と比べてもはるかにキラキラした音でアレンジされ、今回何と言っても2番後の間奏でメンバー紹介。

Jewelryのコードを掻き鳴らしながら各メンバーがそれぞれ楽器演奏。
まずはドラムで初参加の佐藤丞さん。
知る人ぞ知るインディーズバンドPENs+のドラマーで、ちゃっかりPENs+のTシャツを着ていました。
(会場にいた人で他に気付いた人がいるかは知らない笑)

続いてベース、バンマスの黒須克彦さん。

ギターの三沢崇篤 さんは1stツアー以来の参加。

さらに続いてヴァイオリン、そしてピアノの角脇真さんが原曲本来の間奏を弾くと、
ラスサビの入りをコーラスの川崎里見さんが披露し、それに早見さんがハモリを入れるというアレンジ。

そのままコーラス掛け合いタイムに入り、本来のラスサビをいつもの
負けない"君に"また会えるよね
というアレンジで歌うという神がかったアレンジ。

多幸感の満ちた音楽に、心の底から「あぁ生きててよかった」と感じました。


盛り上がりを引き継ぎ13曲目はスタイリッシュなアップナンバー
2018年のロボットアニメ「ダーリン・イン・ザ・フランキス」ED「ダーリン」

最近の曲は「覆面系ノイズ」を期待していたので少し予想外…
(だけど、激しいオルタナロックのノイズ楽曲より音楽の流れ的には綺麗。)

各キャラクターがそれぞれ歌っていて、キャラごとに歌詞の聞こえ方が変わってくる楽曲。原曲はもっとお嬢様キャラよりだけど、本ライブでは盛り上がりが印象的に!


盛り上がりきった会場に、しっとりと希望の音が湧く。
14曲目は5枚目、最新シングル楽曲「新しい朝」

この曲はとにかくJNUCTIONツアーを思い出す。思い出しただけで涙が出るくらい幸せのツアーだったので、その思い出も感じながら楽曲を聴き込む。
ラララの大合唱は早見さんパートの時点であったまりきった会場の優しい声に包まれ、大団円へ。


次が最後の曲とMCがあると、演奏されたのはまさかの
2011年のアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」ED「secret base 〜君がくれたもの〜 (10 years after Ver.)」


いろんな意味でお馴染みすぎるこの曲は、それ故にある意味予想外の楽曲でしたが、その歌詞の内容から過去の様々なキャラクター、楽曲、思い出を彷彿させるパフォーマンスで、まさにこのライブの最後に相応しいと感じました。

個人的には初めて生で早見沙織さんの歌唱を聞いた楽曲がこの曲で、早見沙織さん関連に関わらず様々な思い出の詰まった楽曲なので、今この瞬間に聴けることに運命的なものを感じました。


鳴り止まないアンコールに応え、メンバーがライブグッズのTシャツを着て登場。


アンコール1曲目は「レンダン」
2017年のコンベンションライブ以来の披露で、ファンの前で歌うのは1stツアーぶり。

そろそろ聴けるかな…と、寒くなってきたしね…で、やるだろうなと思っていた楽曲。

コーラス、弦が映えます。


アンコール2曲目は「メトロナイト」
早見さんの楽曲の中でもトップクラスでzepp映えする楽曲!
そして、平日水曜日仕事帰りのライブで聴くのに堪らない楽曲!!!!

サビの「もっと!」は、公演によってみんなで叫ぶ場合と、煽られてラスサビだけ叫ぶ場合があって、その場の雰囲気次第だったりするのですが、今回は最初からアゲアゲでみんな歌ってました。

僕は仕事の鬱憤を晴らすかのごとく歌ってました(笑)スーツで(笑)

そしてMCでは、先に告知をしちゃおうかな…と言うと、大きな告知が三つ!

・12月18日に配信限定シングルリリース決定!
→曲名は「Statice」(スターティス)
先日タイアップ情報が発表された無双OROCHI3Ultimate主題歌です。
→ハイレゾ配信決定!

・2020年に5周年記念全国ツアー決定
5月29日東京を封切りに7公演!

・2020年春にミニアルバムリリース決定!

…というわけで来年めちゃくちゃ楽しみです。
そんな豪華な来年も控えつつ、ラジオ「ふりすた」で告知されていたこのライブのための新曲を披露するというのだから、どれだけ椀飯振舞いなことか…!!

盛り上がれてお客さんにも歌ってもらう曲
…とラジオで言っていた通り

最初にコールアンドレスポンスの練習

もう一度聞かせて
おーおー!ぱんぱん!おーおー!
あなたの声を
おーおー!ぱんぱん!おーおー!

みたいな……(超うる覚え)

※ぱんぱん!はクラップの音

歌だけじゃなくて手も叩いて欲しいんだった!と慌てる早見さん可愛かったです。


そんなこんなで新曲披露。
ライブに向けて作られた曲ということで「curtain」のような内容をもっと明るく楽しく君と僕で!という感じの歌詞で、ノリやすく、今後聴く機会が多くなって欲しい楽曲でした。

夢のような時間があっという間にすぎ、関係各位あっての実現したライブだと恒例の感謝タイムのち、最後の曲は15歳の時に初めてレコーディングした楽曲
2007年のアニメ「桃華月憚」ED「この世界がいつかは」

和風で切なさと明るさを感じさせるメロディがそっと心を揺らしてくれる楽曲。
この曲が再現性高く聞こえるなんてエモいです。
昔から声が大人びていた早見さんですが、原曲と同じ景色が見えるのに違った聞こえ方に感じました。

早見さん自身が感傷に浸る場面が何回も見られるライブだったし、本人が一番そうであろうライブでしたが、
曲の最後の最後、歌い終わったアウトロの時にだけ涙を見せ、終わったらまた普通に挨拶をされている早見さんのプロ根性がまたこちらの涙をそそりました。


こうして感想を綴って見ると、
この曲のこの部分のアレンジが〜歌い方が〜
歌詞の解釈の変化が〜〜
と感想をまとめていたJUNCTIONツアーに比べてはるかに
「この曲を聴けただけで幸せ!!」
という感情で脳が満たされたライブだったんだな…と感じます。


それだけたくさん早見さんの音楽を聴いて育ってきたんだな…という感慨と、
過去だけじゃなくて、アーティストとしてのパフォーマンスの魅力や、今だからこそ生まれる化学変化など、これからの楽しみ含めた大きな満足感がこうさせたんだと思います。


曲を聴きながら思い起こすいろんな思い出が全部今の自分に繋がっていて
今聞くからこそ感動する楽曲がたくさんあって……
"日常の断片を肯定的に描く"早見さんらしいライブで、僕はまた少し今を肯定出来たんじゃないかなと思います。

次のライブも、幾久しく。






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