無題

佐々木典士著『ぼくたちは習慣で、できている。』

ワニブックスさんのレビューキャンペーンに応募して、6/14発売『ぼくたちは習慣で、できている。』を一足先にいただきましたので、早速この本を読んで思ったことを綴っていきたいと思います。

最初にこの本の冒頭から、内容の簡単なまとめの部分を抜粋します。


才能というのは天から与えられるようなものではないし、努力は歯を食いしばるような苦しみのことでもない。それを「習慣」というテーマで明らかにしてみたい。そうして才能や努力を、もっと普通の人に取り戻したい。それは限られた人にしかできないものではなく、工夫次第で身につけられるものである。


私が佐々木さんの前作『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』を最近読み返して思ったことがあります。

私は最初、ミニマリストという存在の特異性や斬新さみたいなものに惹かれていたけれど、改めて読み返してみると、佐々木さんの著書は人生の深い手引書であり、その構造にこそ新鮮なものがあるんだと思いました。

ミニマリストというのは手段であり、その生き方がベースにあれば、それぞれのやりたいことが何であれ楽に取り組めること。そして、何もしたいことがなかったとしても、ミニマリストであることだけで感じられる安らぎや幸せがあるということ。そのエッセンスを汲むだけでも、本を手にとった目的がなんであれ、その人がぐっと生きやすくなること。こんな汎用性が大いに共感を読んでベストセラーになり、22ヶ国語に翻訳されるまでに至ったのではないかと思っています。

そして、今回の『ぼくたちは習慣で、できている。』も同様に、読んだ人の目的が何であれ、誰もが、やりたいと思うあらゆることに対して活用できる手引書だと思いました。

人生を楽しく生き抜くすべになる「習慣」について、とても丁寧に解説されています。

ちょっと自分のイメージを図にまとめてみました。

今すぐに役立つこと、トライアンドエラーを繰り返しながら、おそらく一生続けられそうな自分の心得を習得できそうだと、この本を読み終えた今思っています。

それでは内容に触れてみたいと思います。

【構成】

この本は4章から成り立っていますが、佐々木さんも書いているとおり、最初の1,2章はやや難しいかもしれません。習慣化のコツだけを知りたい方は、3,4章だけ読んでも充分ためになるし、面白いと思います!

1,2章は様々な実験結果や参考文献から、詳しく、意志力・感情・意識・習慣等について考察されていますが、私なりに、かなり簡単に解釈してみました。

【1章】意志力は、生まれつき決まってる?

人には「目の前の報酬を過大評価し、将来にある報酬や罰則を過小評価してしまう」という『双極割引』という性質があるそうです。

これに対して私たちは、「意思の強い人は対応できる」と考えてしまいがちです。

では、「意思」とはそもそも何なのでしょうか?

「限りある資源のようなもの?」「血糖値に左右されるもの?」こんな説もありますが、佐々木さんは、意志力は「感情」が左右すると考えます。

感情は、脳の情報システム「ホットシステム」に作用し、これはもう1つの情報システム「クールシステム」と相互作用するそうです。

感情はなくなることがないので、ホットシステムは作用し続ける。そして、ホットシステムを抑えるクールシステムも、自分にとって都合のいい理由を作り出したりもする。

改めて、「意思の強い人」に立ち返ってみると、ドイツで行われた実験では、意志力が強いと思われていた人は、そもそも誘惑されている時間や回数が少なかったという結果があるそうです。

意識を呼び出さず、「ほとんど考えずにする行動」

佐々木さんはこれを「習慣」と思っているそうです。

【2章】習慣とは何か?

佐々木さんは、何かが「習慣」になっている状態とは、意識をほぼ使わずとも、限りなく無意識の行動に近づいていることだと考えているそうです。

例えにあるように、子どもの頃は歯磨きやボタンを留めることが難しくても、繰り返すうちにできるようになりますね。

運転や料理なども、毎日その行動をしている人は、いちいち手順を意識しないものですね。

このように、人が取る行動には意識が関わっていないことが多いのに、すべきことをしなかったときに問題の責任を負わされるのは意識であり、「意思が弱いせい」と、まとめてしまうことがよくありますね。

これに対して、それは意識や意志力の過信であり、肝に銘じるべきことは「意識や意思が行為の原因ではないと知ること」であると、佐々木さんはおっしゃっています。

チャールズ・デュヒッグ著『習慣の力』によれば、習慣は
・トリガー・ルーチン・報酬の3要素について成り立っているそうです。

私がこの章で一番心に残ったのは以下の部分です。

何かを習慣にすることは、講演を聴いたり、短時間のセミナーに参加して「意識を変える」ことなどとはまったく違う。繰り返し何度も実践することによって、実際に脳の神経細胞を書き換えることである

その具体的な方法が3章に書かれています。

【3章】習慣を身につけるための50のステップ

この本でいちばんボリュームのある、具体的な方法です。

私は以前から佐々木さんのブログやツイートを見ながら真似をしていた部分がいくつもありましたが、「STEP28 人の目をうまく使う」について、自分ができるようになった習慣について書きたいと思います。

私は、佐々木さんがtwitterで「砂糖をやめている」と書いていた時に、過去何十回もトライして結局続けられなかった自分も、再チャレンジしたいと思って、その旨をリプライに書かせていただきました。

そして、佐々木さんのアドバイスをいただきながら、現在も砂糖をやめる習慣を継続することができています。

もう続けられた日数を数えることもなくなりましたが、改めて数えてみると、今日で118日目でした。

もう揺るがない習慣になった確信があり、この「人の目をうまく使う」というのは非常に有効だと思いました。

この場合、相手がどんな存在かが重要だと思います。

「砂糖をやめる!」と宣言しても、家族や友達や恋人など、「やっぱりできなかった~テヘッ!」と言える間柄だとあまり意味が無いかもしれません。

達成できなかったと言うことが、ちょっと恥ずかしいなあ・抵抗あるなあと思える存在だとかなり有効です。

「STEP40 習慣に失敗は不可欠」にも、おおいに共感します。

例えば断糖なども、失敗しても、もちろんいいと思います。原因を考えながら、このステップを繰り返しながら、少しずつ続けられる日数が増えていけば、習慣になる日も近いと思います。

私もおそらく15年以上やめたいと思って、何十回もトライしてきた断糖。失敗原因の蓄積は計り知れない量です。

それに人の目を掛け合わせただけで、信じられない効果を発揮することができました。これからも失敗を大事にしながら、新たなことにトライしていきたいですね。

詳しくは、この記事にも書いています。

3章には、他にもたくさんの具体的なステップが用意されています!トライできそうなものから、選んでやってみるのもいいですね。

【4章】ぼくたちは習慣で、できている。

努力と我慢についての佐々木さんの考え方が、とても腑に落ちました。

自分で選んだ、やりたいことをするのに必要な忍耐が「努力」。自分で選んでおらず、やりたくもないことをさせられるのが「我慢」。~習慣が続くのは、それが自分で選んだ行動だからだ。「好きなことなら続くと言われるのは、たとえそこにどんな苦しみがあっても、自分で納得して選んでいるからだ。

やはり、習慣を身につけるにも、最初に「我慢」の時期はあるとおっしゃっています。だからみんな三日坊主になってしまう。

私も砂糖を断つ時はそうでした!

でも、3章のステップを使って我慢の時期を突破すれば、努力のゾーンに辿り着くことができ、様々な報酬を受け取れると!

私にとって、砂糖をやめたことによる報酬は
・「今日も大量のお菓子を食べてしまった、、、」という罪悪感を感じることがなくなった。これが本当に大きい!!(´;ω;`)
・生理が軽くなった・痩せた・肌が綺麗になった・体調が良くなった・視力が上がった(気がする)・高いサプリや化粧品を使わなくてもよくなった

今健康診断の結果を待っているところですが、絶対に悪玉コレステロール値が下がっていると思っています。

何より、長いあいだ何十回トライしてもできなかったことができるようになった自信で、今までできなかったこともできるはずだという気持ちになれました。

次にトライしようと思っていること(というか既に始めていること)は、インターネットに割く時間を格段に減らすということです。

これも長年の悩みで、特にここ数年は「時間を浪費しているなあ」と思うことは常々でしたが、今ならできそうな気がしました。詳しくはこちらに書いています。

【終わりに】

私が2015年に初めて『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』を読んだとき、佐々木さんのお名前が読めませんでした。(すみません。。。。)

典士でふみおさんなんだ。。。

典って辞典とか楽典とかに使われる字だけれど、どういう意味があるんだろうと思って調べてみたことがあるんですね。

『漢字ペディア』から抜粋
①ふみ。書物。「典籍」「教典」 ②のり。手本。規則。「典型」「典範」 ③よりどころ。しきたり。「典故」「典例」 ④儀式。儀礼。「典礼」「式典」 ⑤正しい。整っている。「典雅」「典麗」 ⑥つかさどる。「典獄」「典薬」 ⑦さかん。律令(リツリョウ)制の四等官のうち、大宰府(ダザイフ)の第四位。

ああ、文(ふみ=書物)とも同じ意味もあって、「ふみ」なんだあ、なるほど!!

そして

手本、よりどころ(頼みとするところ。支えてくれるもの)

って、えっ!まさに!佐々木さんの本そのもの。

ご両親、すごくないですか?


私は思えばこの3年、いろいろな場面で佐々木さんの本やブログやツイートをたよりに、人生の節目をなんとか心穏やかに過ごしてきた気がしています。

この本も、『ぼくモノ』も、読んで終わりではなく、何かを達成したら終わりでもなく、これからも長らく私の人生において、心のよりどころとなる手引きであり続けるでしょう。

この本が、日本中の、世界中の、この本を必要としている人の手元に広く広く届くことを願って。

I'm glad I was able to meet you.
You will never know how much I appreciate it.

いろいろな方にインタビューをして、それをフリーマガジンにまとめて自費で発行しています。サポートをいただけたら、次回の取材とマガジン作成の費用に使わせていただきます。