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頭が求める理想の男と身体が求める理想の男

さて女性のみなさん、イケメンが目の前に2人現れました。二人ともとても似た顔をしています。でも一人はお金持ちでもう一人はそれほどお金は持っていません。あなたならどちらと一緒になりたいと思いますか?

この質問だけ見ると、多くの人がイケメンでお金持ちのハイスペック男性を選ぶのではないかと思いませんか?同じ顔ならばお金はないよりあった方がいいと考える人は多そうですから。でも意外や意外、研究では、同じイケメンならお金のない方を選ぶ人の方が多い、ということがわかっているのです。*1

なぜか、それはイケメンでお金持ちだと浮気するリスクが高いと無意識に考えてしまうからなのです。女性は子どもを産んで育てなければならないため、浮気されて家庭が崩壊したり、独り身になるリスクを考えれば、生活レベルを落としてでも家庭的で協力的な人の方がいいと思っているということなのです。それほどに家庭を大切にしてくれないということは女性にとって心身の死活問題だということなのです。

さて、あなたはいかがでしたでしょうか?ちなみに年収が低い方を選ぶというのは、自尊心が低い女性で特に顕著だったとも言われています。イケメンでお金持ちでも家庭を大切にしれくれる人はいるでしょうが、自尊心が低いと、あまりにもいい条件が揃った男性を前にすると不安になるのかもしれません。

少し話は逸れましたが、家族を大切にしてくれる男性ーー家族に愛情があるのはもちろんのこと、家事と育児に積極的だったり、些細な気遣いがあったり、優しい声がけがあったり、きちんとねぎらったりいたわってくれたりというのは、女性にとってとても魅力的なポイントではないでしょうか?これらの条件を満たす男性が現れればすぐに恋に落ちてしまうかもしれません。

ただここで一筋縄にいかないのが女です。女性は生理前は優しそうな顔の男性を好むものの、生理が終わった後の排卵期はたくましく野生的な顔の男性を好むことがわかっているのです。*2 排卵期はより妊娠しやすい時期です。つまり、女性は子どもが授かりやすい時には、野生的ーつまりは性欲の強そうなーつまりは浮気の可能性が高い、男性を求めるのです。

矛盾していますよね。子どもの養育は優しく家庭的な男性がいいものの、子ども自体は野生的な男性の子どもを欲しがっている、そしてそれは本能的に無意識に求めているということです。

ただ、私、この女性の矛盾に妙に納得してしまうのです。なぜなら「理想の条件を満たしている男と出会えたのに全く好きになれない!」という話を結構よく聞くからです。

よくあるのが、結婚相手を探すに当たって、理想の条件を書き出し、四苦八苦して探し回った結果、遂にそれを満たす人が現れて順調に進んでいる!が、とても幸せなはずなのに、全然好きになれない!という話です。

結婚を前提に理想の家族像をイメージして、頭をひねり出して書き出した理想の条件を満たす男性であればきっといい夫、いい父親になるでしょう。そんな「いい人」に出会えるなんてとてもラッキーです。でも「いい男」ではなかったのかもしれません。(男性側としてはとことん家族に尽くしているのにたまったもんじゃないと思います)

難しいですね。きっとこのように頭で選んだ男性と一緒になった女性は、身体が求める男性に出会ってしまうと真っ逆さまに恋に落ちてしまうと思うのです。(余談ではありますが、私はLilyさんの「恋は2人で落ちるものじゃない。たった1人で落ちるものだ」という言葉が好きです。2人で落ちたと思ってても結構孤独だったりしますしね)。

結婚した男性がいい人であればあるほど、野生的な男性の魅力が際立って見えたり、背徳感や罪悪感が刺激的なスパイスになったりして、深みにはまっていったりなんてことも。。(浜崎あゆみの「いい人って言われたって、どうでもいい人みたい〜♪」は実に的を得ているなと思います。いい人って表現される人って「自分にとって都合のいい人」みたいなこと多いですもんね。それって自分にとっていいっていうだけで本人のことはどうでもいいってことですから。アレ、家庭的な男性って自分に都合いいですが、ちゃんと好きですか?)。

そうやってドロ沼不倫にはまっていくのだろうな、、と色々想像してしまう、もうすぐ2amです。

もしくは理性でぐっとこらえて不倫なんてしなくても、なんとなく「これでよかったのかしら?(なんか物足りないな)」が続くんじゃないかと思います。

まあそれも人生。不倫も人生ですし、漠然とした不満を抱えながらの夫婦生活も人生です。正解の生き方なんてないですし、不倫をするも、不満を溜めるも、はたまた解決を探るも、ある意味全て本人の選択なので、体験したかったことを体験しているだけかな、なんて思ったりもします。(ただそこで生じる生きづらさはリアルですし、そんな時は自分を責めずにカウンセリングを活用してください!)。

でもそんな体験はごめんだ!という人も多いでしょう。ではどうすればいいか。答えは簡単。野生的で家庭的な人と結婚するのです!(それができたら苦労せんわーい)

既に頭で求めた男性と結婚している、なんて人もいるでしょう。そんな時は今いる相手とじっくり性について話したらいいのではないかなと思います。あなたの頭が選んだ優しく家庭的な人であればきっと聞く耳を持ってくれるのではないかと思います。そして、努力してくれるのではないかと思います。性は人間の3大欲求の1つですから、疎かにするべきではないですし、堂々と語っていいものです。最初はうまくいかないかもしれないですが、根気よく続けてみてください。元の研究を覚えていないのですが、男性はパートナーが性的に満足すると幸福度が上がるということが言われています。あなたがより満足すれば、夫も幸せになり、家庭が円満になるという好循環が生まれます。

なにはともあれ、言いたかったのは、頭が求める理想の男性と身体が求める理想の男性は異なるということです。どちらかだけを優先して無理に自分を納得させてもいつかそのひずみが出てきてしまいます。そうならないためには、頭が求める理想の男性と身体が求める理想、両方を重視していきましょう!

HIKARI Lab 代表清水あやこ

*1 Chu, S., Farr, D., Muñoz, L. C., & Lycett, J. E. (2011). Interpersonal trust and market value moderates the bias in women’s preferences away from attractive high-status men. Personality and Individual Differences, 51(2), 143-147.
*2 森川, 友. (2012). 一目惚れの科学ーヒトとしての恋愛学入門. 株式会社ディスカバー・トゥエンティワン.


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