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冬のステージ11連発

秋以降の観劇記録です。年内間に合わなかったよおかあさん〜。

マドモアゼル・モーツァルト

取れて良かった〜

和製オリジナルミュージカルとしてかなりよかった!
「衛星」と迷うけど2021年でかなり上位に入るかと…。私が明日海りおのにわかファンであることを差し引いてもかなりクオリティの高い作品だと思った!
原作未読だけれど、「モーツァルトが実は男装の女性だったら」というワンアイデアだけに頼らず飽きない展開で、多層的に楽しめるところが良かった。モーツァルト作品をサンプリングして作曲された新曲も、結構あるあるだけど、とりわけかっこよかったかも。
兎にも角にも演出が…舞台のしつらえや身体表現がかなりミニマルでカッコいいのに、しっかりやりたいことが分かって、尖りすぎていないという奇跡!あの天井高を生かした石造りの舞台を見てうっかりブリリアホールが好きになりそうになりました。ハイセンスな衣装、現代的で豊かな照明、とにかくゴテゴテせず引き算的な感覚で美しかった。
美術の伊藤さんが以前より洗練されているのは知っていたけど、映画的な凝ったイメージだったのが、今回は真反対だったし、演出の小林さんもクラシックの王道にとらわれずあんなに素敵なもの作る人なんだ…。
性別交換&異性装ものにおけるお決まりの冗談も若干ありつつ、全体としてはただ「逆にすること」による問いかけというより、観客にその先の「人を思う気持ち」とか「才能を評価すること」とか「自分の生きたい生き様」とかの大事なものを考えさせる感じで好きだったな。
女っ気のなすぎるモーツァルトにゲイ疑惑が浮上した時の表現とか全然嫌な感じがしなかったし、モーツァルトが魅力的すぎてサリエリが「あれ男同士なのにときめくな?」となるところは少女漫画的なときめきすらあったし、最終的にモーツアルトの性別に気がついてもどうでも良くなって音楽の同志として絆を優先するシーンが胸熱だった。
みりおくんが「男装の女性(宝塚時代の事実)」でなく「役としての男装の女性(本当に女優)」なのは頭の切り替え必要だけど、途中きらりと戻る男役のカッコよさあって有難かったです。
パパゲノダンス可愛すぎました!

わが星

生で見てみたかったな〜

これは演劇が好きな先輩に勧められて、無料公開されている戯曲と動画を読んで観た作品。
動画はこちら→ https://youtu.be/Utk1wV0FPMc
「ままごと」の名の通り演劇をもはや遊び感覚でどこまで楽しい実験ができるのか試しているような意欲的な公演で、もう大学の演劇サークルとかに所属している時に見てしまったらものならば狂ったようにこのインスピレーションに取り憑かれるのだろうというのが容易に想像がついた。それくらい言葉のリズム、抽象的なセットの中で唱和される台詞、時の密度に仕掛けを仕込む時報のリズム、円環する生死のモチーフが面白い。
宇宙の成長とか星の誕生のような大きなテーマの中にミクロな視点で人の笹谷なか暮らしがあるのではなく、至って身近な日常の笑いの中にマクロな天体の話が潜んでいる壮大さのバランス感覚がクセになりそうだった。その交互浴はなんかサウナで整うような感覚。昔ハッピーセットでもらったぬいぐるみで、ナゾノクサの背中のチャックをぐるんと返すとモンスターボールになるみたいなのがあったんだけど、それがウロボロスのように繰り返す感じ?見てもらわないことにはなかなか伝えづらい。
まったくそうした工夫とは関係なしに描かれる夫婦の1日の時間のくだりが一番あったか〜くて好きだったので、おすすめです。はじめの7分でも!

シティーハンター

あーさー素敵!

2階B席で初めて観たけど全然観やすくて、やっぱり宝塚劇場と歌舞伎座はすごいなと思いました。きっと四季もそうなんだろうなあ。
時代錯誤すぎてもはやそういう保存装置みたいな作品だったけど、キャラクター関係がしっかり骨太に練られていて、やっぱりヒットした名作はこういうところが揺るがないよねえと思った。ミリしらで見るには前半キツかったけど、原作ファンの方はかなり嬉しかったのではないかと…!
キャッツアイって同じ人だったんだね。知らなくて盛大なオマージュか何かかと思ってしまいました笑。

落語一之輔 三昼夜~再び~

この企画ももう長寿ですね

みんな大好き一之輔師匠!
金翁師匠との豪華二人会、きっと裏はかなり緊張感があったのではと思いますが…
いつも通り安心の枕のぶっ飛ばす技量と本編の魅せ方、いつ見ても進化している気がするなあ。金翁師匠の熟練の芸も素敵でした。ネタ出しの夜は見れなかったけど、仕事抜け出してみれて良かった〜!

GREASE

やびくちゃんかわい〜〜

賛否両論!ワハハ…難しい…トラボルタの映画以上に生で何をするということもあるし、歌詞が古臭いし、激クラシカル価値観へのタイムワープ装置なのですが…でも曲は全部良いし刀剣男子が超活躍しているし…三浦くん有澤くんほんと素敵だったよ〜〜〜〜〜〜三浦くんうまいよ!踊りがキレキレだよ!可愛いニューヒーローだよ!
そしてBeauty School Drop Outのもっくんサプライズを知らなくてすごい1人で盛り上がっちゃった!
話の筋を大胆に変えつつも曲の文脈を全て拾った価値観アプデ版があったら、その時は今度こそ全力で推したいと思います…!

パ・ランパパンパン

ヒグチユウコさんのデザインかわい〜

これは観た人だけはタイトルを間違えない上手い仕掛けになっていてニヤリとするね。
クリスマスギフトのように全てのエンタメ項目を満たしてくれる、毎年安心して冬に見られるような素敵な作品だった。文化的パロディよし、主演のカリスマ性よし、ユーモアよし、ほのかに懐かしい感じよし、ちょっとした教訓よし、どきどきする展開よし、背伸びしても理解できない数ミリの部分よし!ホームアローンとかの安心感を感じた。配信やってたのも良いね。
松たか子ははじめ5分くらい「この人は大豆田とわ子じゃない」と自分に言い聞かせるのが大変だったけど、さすがの自然な演技力で素敵でした。時代考証にうるさい編集の神木のりゅうくんもきゅんでした。

赤坂大歌舞伎

美しき七之助様〜〜

最後に見れて良かった!赤坂大歌舞伎。
イヤホンガイドがいらないわっかりやすい歌舞伎(芝居も舞も)、これは定期的に行われるべき類の尊い興行ですね。初めて観に行く人を迷わず連れて行けるものってどの業界にも必ず必要だと強く思うので…
最後のハリポタへのつなぎと大歌舞伎への感謝の口上も行きだったな。やはりしきたりを大事にする演芸は見ていて気持ちが良き。お疲れ様でございました。

THE BEE

KVかっけ〜〜

この蠅っぽいチラシカッコ良すぎる…阿部さんのこういう演技怖いよね…生で観ないと絶対耐えられない、そういうつくりの逃げ出したくなるような空気と間がある怪作だった。
個人的には川平さんの犯人の複数役がかなりハマってて面白かったなあ。
大判の紙を使った演出の手作り感も一度きりの感じがあってシアターイーストに合ってた。
昔のキャスト、これからの再演も気になる作品でした。

THE STORY OF MY LIFE

私は右を観たよ〜

もっくん!マキシマム!ヨッ!
韓国で人気がでた二人劇のミュージカル、どんなものかしらと思ったけどすごく緻密に作り込まれたお話で、かなり見応えがあった。
弔辞を書く所から始まるといういきなりピリつく展開ではあるけれど、1枚1枚思い出の作文を振り返っていると思ったらそれはミステリのように入り組んできて、時系列も乱れ始めてどんどん吸い込まれていく。
オールタイムどんな若手俳優にも挑戦してほしい良い作品でした。

泥人魚

りえさんの御御足〜〜

年内最後の生の観劇でした。
え、「お前の蛍が〜」とか言ってたセリフ、主人公のケイイチって名前「蛍一」なのかい!!!ーー終始それのスッキリしない版って感じ。カオス。唐十郎むずし。
宮沢りえはそのわからなさを弾き飛ばして「今すごいものを見ているのかもしれない」と信じさせてくれるぬらりとした輝きがありました。それから磯村勇斗さんもかなり舞台上手いと感じました!劇団とかにいた方…?あの荒廃系の世界観にぴったりのミステリアスな青年でナイスキャスティング。
諫早湾の問題もあまり知らず、有名な詩人の名前も知らず、風間杜夫さんごめんなさいとい気持ちになりました(席が2列目でかなり舞台に近く存在を感じてしまった)。
でもわからないものってあるよね…こういう経験が好きな舞台をより面白くさせると分かっているし、観劇できて良かったです。

配信視聴 舞台「あいつが上手で下手が僕で」

良すぎた!私得という意味で!だってヨーロッパ企画と刀剣男士だよ〜鼻血だよ〜。
正直某サクセス荘より全然好きです。舞台人の彼らを生かすのはアドリブじゃない、長釈だったんだよ!と力説したくなるドラマでしたが、舞台はよりファンサもあって(同時に観客への戯れたような甘えもあって)楽しかった。生で見られなかったのは残念だったけどね。
そもそも芸人コンビっていう関係性の尊さやばいじゃないですか。ルミネよしもとの出待ちが女子ばっかりで出てくるときゃーってなるのもその成分あると思うし、やっぱ真剣にお互いを世界で一番面白くて最高な奴だと思い合っている状況を互いに自認するという超特殊な状況なのですよね。ヒプノシスマイクのぬるささとかは超得してると思う。
それを「なまもの注意」とか思わず合法で推せるという点で、数年前にやっていたゲラゲラという舞台企画で声優さんがそれぞれお笑いユニットの役として舞台に立って漫才の台本は天津向さんが書くというのがあってから「絶対需要あるな」と思っていたのです〜〜それがここまで来ましたよ。推していいの塊。最高か??
荒牧の重め黒髪杞憂僕キャラあざとし、和田雅成の本人生かす配役ナイス、鳥ちゃん流石の話術、つばさくんのキャラ造詣好き、田中涼星の歌ネタ舞台映えすごい、そしてバクマン以来橋本祥平くんの演技と笑顔好き~~~なんちゃって2部にも感謝です!
いちばんあざといのはプロデューサーですね!ということで年内リアル最後は配信でした。
この後紅白見てジャニカン見てジルベスター見ておすすめ漫画見て寝ました。

おしまい

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