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初夏の美術展レポ 6連打

・隈研吾展
・横尾忠則展
・三菱の至宝展
・DC展
・マンレイ展
・KAWS展 です!

隈研吾展
新しい公共性をつくるためのネコの5原則

フランクゲーリーも安藤忠雄も行ってなんとなく建築家展示というものが分かっていた気がしたけど、これはまた可愛い展示だったな😺
建築というとても論理的で硬い質感のテーマを、気まぐれでしなやかな猫の特徴に寄り添って語られるのは面白かった~(個人的にはあんまり納得感はなかったけどキャッチーさ大事笑)

「うわ~隈研吾だ~!」と思うことはないのに、「実はこれ隈研吾」といわれると全部シグネチャーデザインが見えてくるような納得感、これはあの「佐藤可士和展」のときと同じ、気づかぬうちに忍び寄りいつの間にか囲まれている感…笑
根津美術館、新歌舞伎座、東工大の新施設、新国立競技場、ほかにも沢山。なんだろう、小さなパーツが合わさって一定のパターンをつくり、自然に生えてきた様な印象になるんだよね。

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後半の展示方法として、廃コルクのようなもので山を作って、そこに台形の展示パネルと建築模型が突き刺さっているのも面白かったな~
クリーンな感じの落ち着いた空気感が近美にも合っててよきでした


横尾忠則典

リニューアル以降の都現美の躍進はとどまることを知らないよね~~!
お願いだからもうちょっと駅から近くしてくれ~~!

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ポスター系の奇抜なアートワークばかり知っていたから、きっとシュールレアリスム的な難解系の作品をたくさん見ることになるんだろうと予想していたら、思っていたよりもメッセージがガツンと分かりやすい作品ばかりで面白かった。
そしてすべてがまっすぐすぎて疲れた。凡庸な例えだけど、岡本太郎がガウディだとしたら、横尾忠則はピカソでは。1枚1枚の生命エネルギーがすごくてすごい疲弊した。

初期から引き込まれたな~!
鏡の破片が埋め込まれた油彩画でふと自分の顔が映る瞬間、複数の油絵からつぎはぎしたようなモザイクタイルの作風を追求した時代、あと「テクナメーション」てやつ(絵画の一部に裏から電飾的なものが埋め込まれていて繰り返し同じ動きが映し出される作品)、ほぼGIFじゃん!前衛だな!

執着したようにひとつのモチーフを繰り返すのは研究者としてもやりがいがありそうだなあ…
クロールする2人、よだれを出す女性、不気味な暗夜行路、死んでしまった愛猫のタマ。
こういうのを一同に会して鑑賞できるのは展覧会の良さだと感じた。

そしてモチーフとして選ばれるパロディも親しみやすくて良かったな。
受胎告知のポップな連作、ルソーのブラックなパロディシリーズ、寒山拾得を茶化したシリーズ。
けっこう反逆的な側面もあるけど、ばかにしているのではなくアートとしての姿勢だということが分かる熱量だったな。

こうした元の題材を噛み砕く力量が、ポスターの仕事の腕前になったんだろうなあ。
宝塚も国立劇場の伝統芸能も下北沢の小劇場もそれぞれに作品の魅力をキッチュに切り取って、刺激的なビジュアルに仕上げるのはすごい。
しかも少年マガジンのエキセントリックさ凄くない!?

ぱっと見でキャッチーで求心力があるのに、細かく見ていくとぞっとするような細部の作り込みがある、そうすると次の作品に行くのに体力がいる。
そういうわけでこの日は梯子をあきらめましたとさ笑。


三菱の至宝展

新政府以降日本の経済界の礎を築いた大財閥のコレクション。やっぱり事業成功者は学問への精通はレベちだなあ。教科書に載っている文化の上澄みを上品に並べたような展覧会でした。
仏像とか翻訳された海外文書とかはかなりの貴重品なのでは?耀変天目も綺麗だったけど、ブローチをはめ込んだ壺みたいなやつも可愛かったな。よきよき。

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木漏れ日が美しいブリックスクエア🌞


DC展

バットマン!ハーレイクイン!ジョーカー!人気キャラ勢揃い。
最近はMCUも勉強しているので境目もよく分かり納得感があったな。
実際の着用衣装とか再現の車両とか、ファンはたまらないんだろうな~という感じでした(すみません)。原画もたくさんあったし。

アメコミは全然勉強不足なんだけど、いわゆる空飛ぶスーパーヒーローという像は強烈なアメリカ感があった。
日本にはなじみのないヒーローという存在、私は「日本のヒーローは寅さん」という説を全力で支持しています!

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このポスターのせいなのかちょっと客足が遠のいてて良くなかったかも!


マン・レイ展

写真家としてだけでなく素描や立体物、オブジェなど作品の幅が広かった。
あと当時のクリエイティブな活気あふれるパリの街角や催し物、ファッションや出版物を時間旅行できるように切り取られた作品たちが、作家個人の展覧会という枠を超えて興味深かった!

もちろん愛にあふれた耽美的な作品もあったけど、ダジャレのようなシュールなシリーズや、何食わぬ顔で人を食ったようなアイデアものも多くてその辺が好みだったなあ~!桃のやつとか笑。
あとマルセル・デュシャンが女装した別パーソナリティの「ローズ・セラヴィ」の肖像写真も綺麗だった。

とにっかう女性遍歴が多すぎてええってなったけど、それぞれの交際は誠実だったらしいです。
みんなそれぞれに内面の美しさが出ていてまさしくミューズだったな~。誰しも一度は芸術家と付き合ってインスピレーションは君だと言われてみたいよね笑
でも昔付き合ってた人のことはどう思ってるんだろう?その辺の手紙とか語りの資料もあったらもっと面白かったかも!

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久しぶりにBunkamura行ったな〜、お休みになるの悲しい。


KAWS展

とにかくナウでオシャレでした…来ている人もストリートカルチャーを愛すファッション愛好家のモデルカップルとかばっかりでなんか眩しかったよ…
J-WAVEと連動した音声ガイドとか、BEAMS男子の部屋にありそうなグッズたちとか、説明の少ない写真撮り放題の展示とか、とにかく今っぽかったな。

おかげでアーティストの作家性とか人物像とか全然分からず、ただクールだな~意外と幅あるな~コラボしまくりだな~という感じだったけど、それぞれにオトナな遊び心があって、東京カルチャーへのラブコールも感じられて、××のキャラ達に愛着は湧いたかな。
インタラクティブコンテンツ2種は可愛い気恥ずかしさがあって、そういうところにはなんとなく作家性が見えた気がするな^^

☟これも、やられたよね笑

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6月から8月ごろは以上です~

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