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最速で戸籍上の性別変更を行った東京大学の学生に思うこと、これからの苦難と避けられない運命について

ども、Hikaruです。

良いニュースを読みました。

https://www.utkoss.org/project-2

東京大学在学中の学生が、とても少ない年数の治療歴で、専門医でないところで診断書を取得し、物凄い速さで手続きを行い、私より先に戸籍上の性別変更許可を得た事例が発生しました。

「簡単に性別を変えられるようになった」など感想を持つ方はいますが、相当聡明なのでしょう、実際私も同じ手続きを踏んでいますが とてもこんな速さではできず、医療機関の理解や、住所と本籍地が近い、両親が離婚等していない、金銭援助が考えられること、首都圏の家庭裁判所にて手続きしていることなど、かなりの運がなければ ここまでのことはできません。

しかし当然ですが、今までのこの方の積み重ね、実績あっての手続きの速さがあります。1ヵ月程度で手続きされていますが、それ以前の2019年から約4年間のこの方の歩みが評価されている点を忘れてはいけません。

殆ど情報に乏しい記事ですが、少なくとも  大学では性別のことを告げられなかった とあるので、この学生は社会適応力が 未熟であるものの、違憲判決後からの行動は 目を見張るものがあり、それはもう、死に物狂いで動かれたのだと思うと、私はこの記事を読んで、涙が止まりませんでした。

苦しさや痛みから解放されると思ったら、気づいたら走り出していて立ち止まることができません。

しかし戸籍上の性別を変えたと言っても、なら全て解決かと言われればそんなことはなく、共用の温泉は入れず、宿泊を伴う社内研修や健康診断では配慮を得なければなりません。

将来的に胸を取ったり、生殖腺にかかる手術を行う場合は、休職等して 勤め先に迷惑をかけなければなりません。また経済的負担もあります。

つまり、どの道 この方はご自身の生物学的性別を告げなければならない運命は変わらず、就労では相当苦労されるでしょうし、恋愛や結婚においては、パートナーやその親族にも告げて、理解を得なければなりません。そして日々、どうしたらご自身が男性に見えるかという試行錯誤、努力を怠ることはできません。

この学生にそこまでの想像ができているのだろうか、と考えると私は いささか疑問です。

戸籍上の性別変更は健常者と同じ幸福を約束するものではありませんから。

でも、この記事を読んで、少なくとも私は、
私の将来は明るいものだと思いました。そしてこれを読んだ多くの当事者が、やりもせず諦めていたことを、自分に喝を入れて行動に移す判断をされることでしょう。

この時代に生まれてよかった。

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