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性同一性障害 名の変更をしないことによる不都合と 私が改名したときの話

ども、Hikaruです。
仕事がとても忙しく、ここ1週間は朝5時起きで 働き、営業車で ふと暖房の風を受けていましたら、気絶していました。それが2度 ありました。無理しないようにすると、仕事のセーブは難しいため note投稿を減らす他なく、ちょっと悲しいです。
それでも、基本的には ここ最近は 毎日 数百字でも良いから、習慣として 書き進めるようにしています。

最近 Xのポストに❤️が増えまして、❤️の多さが 関心の高さなのかな と思うと、noteに書き留めたくなるんですが、noteにしたいネタが沢山ありまして、それが全然書けなくて 勝手に歯がゆい気持ちになっています。皆さんの❤️が noteを書く励みになっています。感謝申し上げます(なんかハートマークいっぱい載って、一見するとキモい文章のように見えますね)。

下記お読みになる前に

もし 改名を検討されている方で、このnoteを先にお読みになる という方は、こちらのnoteではなく 手続きを解説したnoteの方が ニーズに沿うと考えますので、先に そちらをお読みになってください。

私が名の変更申立を行った時の話

名の変更は20歳のとき行いました。名前を変えよう、変えようとは もっと前から思っていました。ただ フルネームで自己紹介する特殊な環境は高校時代までだった実感があり、大学入学以降は苗字だけ言えばそれで 通じ合ってコミュニケーションが取れること、とても不便ではあるものの そのような工夫や、困難さを凌駕する程度 別のことで補っていて、何とか生活できていることもあり、実際に改名に至るまで 少し時間がかかりました。

当時感じていた 改名しないこと による不便さ・不都合さ

「こんなことも不便だったんだな」と改名した後に気付いたことも あったのですが、それは後で書きます。改名前に 不便・不都合だと感じていたことは下記の通りです。

①男性として扱われたいのか、あくまで女性が良いのか 相手を悩ませる問題
②塾講師のバイト先の名簿には女性名、首から提げた名札には 通称名、見た生徒が混乱していた
③名前が書いてある保険証など、落とし物をした際に、本人ではないと疑われて 案内を渋られた
④名乗れば “ パス”するために してきた努力は水の泡

就職活動の際に不便だろうと思うと不安が尽きなかった

もっと考えれば いくらでも出てくるのでしょうが、キリがありません。パッと思いついたのは 上記 5つですね。

①コミュニケーションにおける不都合 :  男性として扱われたいのか、あくまで女性が良いのか 相手を悩ませる問題

正直、私自身が困ることより、自分のせいで 相手を困らせるほど 辛いことは無いと思っています。大学時代 私はバイト先ではスーツ、日常生活ではジャケパンスタイルでしたが、これで 当時の名前が「あいり」なのですから、相手にしてみれば 扱いに困ること間違い無しです。名前が男性的であるなら、戸籍上の性別どうこうあっても「おそらく” そう” かもしれない」と まともな方なら類推できますが、完全に女性名となると それが本人の意思によるもので無かったとしても、相手が 指摘するには確信が持てないでしょう。相手を困らせることが、私にとって 悩みの1つでした。

②勤務上の不都合 :   塾講師のバイト先の名欄には女性名、首から提げた名札には 通称名、見た生徒が混乱していた

大学時代は塾講師のバイトをしていました。オーナーである塾長が理解ある方で、名札を通称名にするなど 工夫して くださいました。ただ、本社が指定する書類について 通称名の表記の許可が降りなかったとのことで、生徒が確認する 予定表、担当する塾講師名簿には本名が掲載される ちぐはぐな状況となっていました。このため 初めてお会いする生徒からは「女性の講師が担当だと思ってたのに、違った。残念。」と言われたものです。そりゃ そうですよね。。

書きながら、当時から相当おかしい状況だったのに、よくノロノロと改名しなかったなと思います。ただ 今は分かりませんが、当時私が学生バイトしていた2020年春までの記憶で述べますと、中学生までの学生は 性同一性障害の概念を理解しつつも、まさか自分の目の前にいる人が 当事者だとは1人として気づきませんでした。私は女性なんですよ、と言ってみたこともありましたが「嘘言わないでください!」と女子生徒に取り合ってもらえませんでした。その場合 通称名と本名のズレについては そのまま受け止めることにして、疑問に思って質問してくる生徒がいませんでした。

私はそれほど声変わりしていないのですが、男子中学生に「先生って声変わりしないんですね。なんかカッコいいですね。」と言われるくらいで、ただただ 素直な言葉で皮肉も無いので、子どもって 優しくていいなぁ と 元気を貰うことが度々ありました。

また 当時 塾内の人気講師に、一応は なりましたので、名前のことは どこえやら。生徒が楽しく勉強しに来てくれましたので、この不都合さは ほとんど掻き消えていました。

③落とし物あるある :  名前が書いてある保険証など、落とし物をした際に、本人ではないと疑われて 案内を渋られた

ホルモン治療を受けつつも、改名しない状況ですと落とし物できないです。いやいや、故意に落とすことはないので やむを得えないのですが笑

高校時代、私立のため 駅からスクールバスが出ており 本名が記載された定期券を持っていましたが、それを電車内で落として 駅に電話すると「本当にあなたが本人ですか?」と声が男性であるため取り合って貰えませんでした。確かに、定期券の名前は女性名だし、特に 当時通っていた高校は 女子校 でしたからね。①の話を書いている ときから 薄々気づいてはいましたが、なんだか私の人生 ぶっ飛んでますね笑
そんな自己評価をしてしまいます。

④不便なく社会生活を送ろうという努力を崩される不都合 :  名乗れば “ パス”するために してきた努力は水の泡

「努力」と表記しましたが、実際には そうしなければ生きていけなかったので「やって当然のこと」と書くのが正しいのでしょうが。私の場合は メチャ女性名でありましたから、そりゃ “ パー” ですよ。ただ 別に、個人的にバレるのは構わないのですが①で述べました通り、相手を困らせますから、今思うと辛いですね。

⑤将来への不安 :  就職活動の際に不便だろうと思うと不安が尽きなかった

今不便である他に、そうであるなら 将来の不都合さも ある程度予期できる訳です。私の場合は 大卒の就職活動が控えており、バイトに就くことすら 人より苦労した実感がありましたので、それをまた 正社員にグレードを上げて通用するのか、不安でした。

私は 17歳の頃から営業職に就くことを夢見ており、社会人になるということは “ 身なり” を気にしなければいけない、どう自分が周囲から見られるかを客観視して、ある程度対策を行なっているのだという、その姿勢が無いと 採用に至らないと思いました。そこまで考えてようやく 名の変更申立をする気になりました。

ここまで読んで疑問に思った方へ
他人を困らせてることが辛い、と書きながら その時点で何故 改名しなかったのかという疑問を持たれた方がいらっしゃったと思います。今その時を思うと辛い ですが、改名前は自分本位な性格が先行して、そうでもなかった というのが実のところです。この心情の変化については の後ほど書きます。

神のお告げ的な キッカケ

急に何の話を展開するんだ というところですが、皆さん どのように感じているか分かりませんが、私は 案外大事なことほど 計画性なく実行しているところがあり、改名については 上記書いていて、一刻も早く変えるべきところをノロノロやっておりまして、青天の霹靂なのか 神のお告げなのか、そんなようなキッカケがあって名の変更申立を行いました。若干下らない話が続きますので この項目は読み飛ばしてください(何故書いた)。

19歳の頃 ようやくちゃんと お付き合いした方が現れましたが、意味不明な理由(非当事者からすれば意味不明、当事者からすれば わかるような理由ですが、今のところnoteに書く予定はありません)で破局となり、私の中では 大失恋の経験となりました。その後 うつ のようになって、丸1年笑うことも、症状が重く できずにいましたが、そのまま勢い余って 好きでも無い方に手を出してしまいました。

あまり口外する方が いないだけで、人生には往々として そのようなことが 誰にでもあるかと思いますが、私は 今のところ、そのような行為に及んだのは これ一度限りで、それから今まで一度もなく、今後も 無いであろうと思っています。

そのような気持ちで やっていたことは、相手も分かり、合意の上だったと思うのですが、相手のことが ありますので 言いませんが、私は 代償を支払うこととなり、そこまでされるか と思うような びっくりする ようなことも ありました。
それで私は、もう勘弁だ という気になりました。
加えて 将来を悲観する必要もない、と 何故だか この経験を通して理解しました。
女性との交際は、GIDであり チビで顔も良くない私には そもそも難しいこと だと考えていましたから。

で、そんな悟りを開いた20歳の8月のある日、駅前を私は歩きながら 1人そんな悟りを開いたのですが、すると急に イナズマでも走ったような感覚になって、全然先ほどの話と脈絡無く 唐突に「今 改名しよう」と思い立ち、翌日には 裁判所へ申立しました。おかしな キッカケから改名することもあるんですね(ねーよ)。

書記官と面談したときの話

名の変更にあたっては、名の変更理由によっては 書記官と面談することがあります。裁判官も忙しいので、情報収集 諸々 窓口となる書記官に任せてる訳です。性同一性障害を元にする改名の申立の場合、名前を変えることで その名前の受け取り手が受ける 性別の印象が変わりますので、本人の見た目が 改名したい名に 適合しているか確認のため、ほとんどの場合 面談することになるようです。

先ほど添付しました過去のnoteにて書きました通り、
面談には バッキバキのスーツで行きました。まだリクルートスーツを仕立てていなかったため、ちょいオシャレな 塾講師のバイトで着ていたスーツで臨みました。

書記官「あら、こんにちは。今日はお仕事?」

私「いいえ、面談なので ビシッとキメてきました。」

書「そうなのね。おいくつですか。」

私「20歳です。」

書「ええ!? 社会人の方かと思いました。学生さんなんですね。ご本人であることを証明する書類を出してください。運転免許証とか。」

私は運転免許証を取得する前であったため、代わりに健康保険証を提示しました。

書「ありがとうございます。世帯主はお父様かしら。失礼ですが、お父様はサラリーマンではないのね」

社会人の方であれば 分かると思いますが、健康保険証を見れば 世帯主の職業が ある程度わかります。

私「そうですね。中小企業の代表取締役のようです。母が再婚した方で、私は殆ど話したことが ありませんので、建設業をしていること以外は、よくわかりません。」

書「ちょっと失礼な質問をしてしまったようで、すみません。ただ 家族の関係を聞き取りすることは 改名にあたって、関係当事者が誰なのか把握する上で 大切なことなので、理解ください。」

書「一見して男性に見えますので、既に治療されていて、実家暮らしでしょうから 家族内で ある程度理解を得ているように見受けられます。今まで不便したことについて、改めて 教えてください。」

私は 先ほど書いたようなことを1つずつ説明しました。

書「名前に ついてですが、中性的な名前であれば 音を変えず 漢字を変える程度で何とかなりますが、この名前(あいり)は… …残念ね。改名は妥当でしょう。ただ(Hikaru)という名前ですが、本当にこれで良いの?もっとこう、(こうき)とか(こうたろう)とか、どうせなら もっと男らしい名前も良いかなと思います。不便なことを お聞きする限り、そうされた方が 悩みが緩和すると考えます。この(Hikaru)という名前は、女性にも多い中性的な名前です。どうせなんだから。勿体無いですよ。」

私「中性的だから、良いんですよ。気に入っているんです。私は これまでの自分の” 過去” を否定したくないんです。ちゃんと人生歩んできた自信があります。(当時は手術しないと戸籍上の性別変更が認められていませんでしたので)私は手術を望まないので、戸籍上にの性別は女のまま生きようと思っています。人生理念として、それが正しい生き方だと思っているんです。それから 男らしい名前は ギラギラしていて、私には合いません。私は なんだかこう、優しく輝きたいんです。この漢字を見た時に、水面に陽が差して、水底の砂が きらきら ゆらめくような、かすかな光が届くようなイメージを描きました。そんな風に、自分の言葉が 誰かの心に届いたら良い、それで 人を助けることができる人になりたい、そんな気持ちがあって、この漢字にしたんです。また 辞書で引いてみると、水を広く湛える という意味もあるそうで、そんな 広い 寛容な心を持った人にもなりたいと思いました。だから この名前で認めてもらえませんか。」

※こんなに言葉を尽くす必要はありません

加えて、将来の夢について話しました。この話はいずれのときかnoteに書きます。

書「私の考えが誤っていたようです。驚きと発見がありました。そうですね。性別を超越した生き方をする人が 今後出てきて、認められる社会が望まれると 今の お話をお聞きして感じました。何か気づかされたような、衝撃がありました。あなたは それを実現する1人になるかもしれません。あなたの生き方を応援したいです。きっと実現できるはず。この名前にしましょう。」

書「ただ… …名前の使用歴ですが、このお手紙で2年3ヵ月分 使用歴として認められます。性同一性障害である診断書もお持ちなので、こちらも有効に はたらくことでしょう。しかし原則 通称名の使用歴は6年程度必要であり、私の経験上 これではあまりにも短すぎます。」

書「でも。あなたの気持ちを ちゃんと裁判官へ伝えます。私としても あなたには頑張ってほしい。頑張りましょう。」

なんと その10日後、名の変更許可を知らせる 郵便物が自宅のポストに届いていました。あまりの早さに驚きました。

話が長くなってしまったため、ここまで。
当時の担当裁判官は 既にお辞めになっているようです。書記官の方含め、感謝申し上げます。このときの おかげで、私は不便なく 社会生活を送ることができています。感謝しても しきれません。

次のnoteでは 改名後に私が行いました手続きや 生活•心情の変化について述べます。良ければご覧になってください。

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