withコロナ/ afterコロナ の真の価値

コンサルをする傍ら、自身が感じた「優れたビジネスアイディアや考え方」を書き留めていきます。

今回のお題
「ゼロか100か論者は絶対に負ける」


新型コロナウィルス covid-19の世界的流行の影響で、2020年春は大きな変換点として歴史に残る。

命の危険を大衆に強烈に意識させ、数々のゲームチェンジを強制的に起こして去っていくだけのものと捉えている。
が、このゲームチェンジは、遅かれ緩やかにでも行われるだろうと思われていた。しかし、こんなに強力かつ短期間に行われるとは、誰も予想できなかった。

「対応せざるを得ない」という空気の中、経営者は数多の経営判断を迫られる。
固定費削減、人件費削減、新たな市場の開拓、提供方法のイノベーション この4つは、少なくとも考えざるを得ない。
そしてそれによって労働者は当然の如く振り回される。

自身の周りの小さな経営者たちが、今まさに生き残りをかけて正面から殴り合っている。
「共に乗り越えよう」と微笑みながら、手元では同じパイを奪い合い、どうやったら自分の取り分を残せるか必死だ。
同業者には手の内を明かさずに済むように、とはいえ、既に持っている顧客へは課金アプローチをしたい、といった、入り組んだ状況である。

かたや、これまでの業態では通用しなくなっていくと見るや、早々に撤退をした者も多く、現時点では50:50というところか。(あくまで自身の肌感)

競合が減り、パイが少し余るのだから、ありがたく頂戴したい。
が、afterコロナでは、今の顧客の価値観も変わり、新しい価値観が芽生えた顧客が生まれ、おそらく半分は入れ替わるだろう。

今はまだ分岐点の上にいるため、今後の分かれ道の先が霞がかかっていてよく見えない。
今後も通用するモデルに転換できなければ、またそのパイは手放す事になる。
「この先に本当に道があるのだろうか」と誰もが不安になっている今は、同業者を出し抜くチャンスと捉える必要がある。

生き残りを本気で目指す経営者は、同業に手の内は明かさない。こっそりトライ&エラーを試みているはずだ。
だから賢い同業者からは、情報はあまり流れてこない。が、注視すべきだ。「コロナ対策してますアピール」の中で、うっかり情報を出してしまっている場合もある。
ただ、大きく舵を切るのには、異業種からヒントを探り、自身に転換思考すれば、多くの同業者を出し抜くことはできるだろう。

暗闇の中でも、1本の道に固執して、その道ばかりを舗装して、強固にしようとすることは愚かしい。
要は怠惰なのだ。考えなくて良い境地へ早くいきたいと願う。それはビジネスの成功や安定とは別次元のことだ。
正常性バイアスに囚われている経営者ほど愚かしい。

この分岐点にいるアドバンテージを生かす他ない、面倒だろうが、何本も道を同時に作りながら先へすすむ他はないのだ。

例えばオンライン○○。オンライン飲み会、オンラインレッスン、オンラインライブ、オンラインキャバクラ、、、
既に懐疑的なものもたくさんあるが、需要があるのだから供給されるのだ。

このオンライン〇〇で収益を上げ続けるには、回線・ハードウェアなどの顧客ごとの接続環境差を埋め、トラブル対応などが必須スキルになる。

大手は、この問題に対応するチームを編成できる。だから勝つ。
個人商店でも、専門的なスキルを学び、今後はオンラインと共に生きると覚悟を決め、コストを割けば十分可能だし、むしろ他を蹴落とし、一気に壇上に低コストで上がれるチャンスだ。
オンライン〇〇で、顧客と共にリテラシーを成長させ、トラブルを一緒に乗り越え、価値を提供し続け、その結果、以前より収益プラスにすることも可能だ。

しかし不勉強なスモールビジネス経営者は、物質コスト、時間コストを割けない。
自粛期間の苦肉の策として少しやってはみるが、付け焼き刃では採算が取れないと理解した時点で、やはり面倒になり、オンラインでの事業展開を諦め、オフラインに戻っていくだろう。
「もちは餅屋」という考えだけで通用する世界に、再び戻りたいと願うのだ。
そんなもぐらのような経営者は、afterコロナの世界を想像することを拒み、ただひたすら変化を拒み、必要とされる場所を自ら狭めていく。

市場は、①オンラインでのパイ争奪戦 と、②オンライン・オフライン混合のパイ争奪戦 に住み分かれる。
オフラインだけの個人商店は②に属し、強者に食い物にされる。

身近な一般人何人かに、に「オンライン〇〇、自粛要請解除後も続けたいか?」という問いをしてみた。

すると「オンラインの時もあってもいいが、オフラインも絶対に必要だ」という答えが返ってきた。
全く予想通りだ。

オンラインの便利さ・手軽さは今後も生かしたいと感じながら、オフラインの良さも享受したい。それが一般大衆というものだ。

だから経営者も、ゼロか100かで考えていては負ける。
ゼロか100を選ぶのは、「楽」だからだ。
全ての需要を拾う必要はないが、無視するのはただ傲慢で怠惰で愚かだ。
どちらかに偏ることなくしなやかに変化していけるものだけが生き残る。

withコロナ=withオンライン

afterコロナ=afterゲームチェンジ

と言い換えるべきであろう。この覚悟があるかどうかだ。


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