見出し画像

幸福は「なる」ものではなく「感じる」もの 1of2

はじめまして

メディカルソーシャルワーカーを中心としたひきこもり支援に関する任意団体「ひきこもごも」と申します。自分の こころを守る、自分らしく幸福に生きる、をテーマに学校では教えてもらえなかった、考え方、生き方を、真剣に考えています。

今回は幸福は「なる」ものではなく「感じる」ものという内容でお伝えします。

人間は幸福にひたることが下手な動物

さて、我々は日々たくさんのストレスにさらされています。
イライラすること、多いですよね。
私も毎日、イライラして過ごしています。
電車がとてもストレスですし、職場の相性の悪い人物には朝会うだけでうんざりします。
自分の将来を悲観することもありますし、心配は絶えません。

持っていないものを夢想する

そんなストレスから脱出した自分の姿を想像して、「ああ、いまは不幸だ」と感じます。
会社を辞めて悠悠自適に暮らしたいな
家族とずっと一緒にいたいな
移動は自分の車で行きたいな
と人間は「いま持っていないもの」を夢想しがちです。

人間という動物は不満を見つける達人

現代社会を生きる我々は、実は「なにかの精鋭」です。
人類史1,000万年において適者生存、強者生存、我々は選択されてきた優れた生存者です。適さない遺伝子は淘汰されてきた選択圧に、長いことさらされ続けてきました。
灌漑や農耕の発達前は食料の奪い合いがあったかもしれません。
その後は領土や、資源、宗教や技術をめぐって常に競争と戦いを繰り広げてきました。

もしも我々が簡単に幸福にひたることがすぐにできてしまう生物だった場合、これらの競争や戦いで有利になることができません。

今持っていないものに着目する本能を持っているからこそ、強く、適して、生き残ってくることができたわけです。

不満のラットレースは終わらない

さて、不満発見器としての優秀さは、かつて必要な嗅覚だったと考えた場合、いまの不満が解決した時に、ひとは幸福になれるかを考えてみます。
もしも私が、いまの仕事を仕組化し、必要に応じてアウトソーシングして、脱属人化・DX化して自分が働かなくてもよくなったとします。
行きたかったゴルフに行って、さぞ幸せな毎日を送るかと思えば、次の不満に出会います。

やあやあ、わたくし、腰痛と申します。
やあやあ、わたくし、あなたのフィットの隣に停めているテスラです。
やあやあ、わたくし、あなたのクラブの最新モデルと申します。

「可哀そうに、そんな痛みに耐えて、そんなみすぼらしい車に乗って、ふるーいクラブをお使いなんですね。」

欲望は永遠に満たされることはありません。なぜなら我々は不満を見つける達人なのですから。

さながらハムスターが回す滑車のように不満から不満へ飛び移っているにすぎません。

我々は幸福を追求する

さて、動物としての戦略は不満に着目して改善を繰り返すことが最適解だったとして、その本能は現在も有益なのでしょうか。
リチャード・ドーキンスの「利己的な遺伝子」の考え方でいうところの
我々動物は、最大繁殖を行おうとする遺伝子の乗り物としての肉である、とした場合、不満に敏感で、「いまある幸福」に鈍感である特性は強みとして機能するでしょう。しかし我々の生きる目的は最大繁殖行動ではなく、幸福を感じることです。幸せになるために生きています。
むしろ最大繫殖行動は現代では精子提供とかでしょうし。
そのため、本能に従順で居続けることは、実は目的達成において最適ではない、といえるわけです。

幸福は「なる」ものではなく「感じる」もの

さて結論ですが、「幸福な状態に到達する」という考え方やビジョンでは、永遠にその蜃気楼を獲得することはできません。
たとえば、あなたがいま不満に思っている狭い自宅は、かつてあなたが「めっちゃいい!」と思って契約した家なわけです。
いま冴えない部屋だと思って暮らしている部屋の、照明やインテリア、棚や食器は、全てかつてのあなたが「これだ!」と思い、購入した最適なものなわけです。
つまりいま不足に思えているなにかを、手に入れたとしても、幸せな状態に到達することはできませんし、仮に一時的になれたとしても、その幸せに我々は長くひたっていてくれません。さっそく次の解決すべき課題を発見し、課題解決に向けて熱心に検討を、自動的にしていってしまいます。
もしも我々はもう動物ではないのだ、と考えるのであれば、このかつての素晴らしい本能とはあえて適切な距離をとり、自分で能動的に、幸福を感じなくてはならないのかもしれません。

続きは後編で。

今回は「幸福は「なる」ものではなく「感じる」もの」という内容でお伝えしました。
普段は明日使える日常のスキルを紹介しています。
「安心して後回しに出来るようにする」というテーマで暮らしを楽にする方法を考えています。あなたはどう思いますか?




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?