社用車の年越しの話

大抵の会社にも1台はある社用車。
当然弊社にも一台軽バンが用意されている。

さて、去る1月5日。弊社も2024年度の仕事始めを迎えた。
長い休暇明け、久々の仕事に憂鬱な思いを抱えながら出勤。
職場の人間に申し訳程度の新年の挨拶をすると「あー年が明けたのかぁ」と改めて実感した。
朝一のラジオ体操を終えると各々の仕事に付く。

何事もなければ弊社営業は朝9時頃に社用車を駆り出して営業回りを始める。
私も自分の席に着いてPCを立ち上げ、なんとなく外を見ていた。(眠いし
席からは駐車場が見えるのだが、そこでふと目についたものがある。
社用車だ。

駐車場の左から二番目、ひっそりと屋根の下に佇んでいるシルバーの軽バン。
サイドには弊社の社名が印字されており一目でどこの会社か分かるようになっている社用車。

私は思った。
ん?「社用車って自身の中に年越しの概念とかあるのか?」

「こいつ何言ってんだ」と思った人が圧倒的多数なのは自覚している。
今は見るのも希になったが、それでも自家用車のフロントに注連縄を着けている車はチラホラ見かける。
そう言った車は「あ、今年も年が明けたんだな。買い主がこれ着けたってことは今年もよろしく的なアレの時期なんだな。」
みたいなことをエンジンがかかるや否や思うだろう。
何故ならエンジンがかかった時車は目覚めるのだから。

繰り返しになるが「こいつ何言ってんだ」と思った人が圧倒的多数なのは自覚している。

さて弊社の社用車の話に戻る。
特別注連縄を着けられるわけでもなく、3が日にエンジンがかけられることもない。
12月29日〜1月4日の間鳴りを潜めてじっとしているバン。
久々にエンジンがかかったと思ったらもう5日。
大晦日もへったくれもないままに新年に突入しているのだ。

ディズニーのカーズを想像してもらえれば良いだろうか。

作品を鑑賞したことはないのだが、彼らは(そもそもあやつらは性別の概念があるのか?)自我を持ち喋る。
年末になったら「もう今年も終わりか。早かったなぁ。また来年な。」みたいな話をし、新年を迎えたら「あけましておめでとう」みたいな挨拶を交わす。

けど現実の車はそんなことはない。
ないはずだ。多分。

なんとなく毎日走ってる社用車をそんな風に見てしまった意味も良く分からないが、なにせ思っちゃったんだからしょうがない。

そんな社用車の年越しの話。

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