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パートナーは大事だよね

ちょこっと深掘りです。

今回は、東海新報2024年4月3日付「各分野でサービス拡充 パートナーシップ制度に対応」を取り上げます。さまざまなパートナーのあり方を考える機会にもなるパートナーシップ制度はどのような広がりを見せているのでしょうか。
(東海新報 https://tohkaishimpo.com/

記事は、岩手県がパートナーシップ制度に対応し、各分野における行政サービスなどを拡充しているとし、パートナーシップ制度を次のように報じています。

パートナーシップ制度は、現行の婚姻制度を利用できない、又は利用が難しい2人が互いに人生のパートナーとすることを誓約し、自治体が受理、証明するもの。法の定めがない任意の制度となる。

東海新報 2024年4月3日付

さらに

県によると、県内では今年3月末時点で一関、盛岡、宮古、矢巾の4市町が同制度を導入。今月1日には、気仙両市をはじめとする6市町でも始まった

東海新報 2024年4月4日付

と岩手県内でのパートナーシップ制度の導入状況を説明したのち、県が「岩手県におけるパートナーシップ制度の導入に関する指針」を策定し、制度導入した市町村への支援や県営施設等での利用可能なサービスの拡大、多様な性的嗜好・性自認への理解向上に取り組んでいることが報じられています。

記事では、利用できるサービスとして次のものを挙げています。

  • 県立病院などにおける面会手続きや病状説明等

  • 県営住宅への入居(宣誓した市町村内)

  • 子育て応援パスポートの交付・利用

  • 養育里親の認定登録

  • 県移住支援金

  • 被災者生活再建支援金・災害援護資金の支給

多様な性的嗜好や性自認が広がりをみせ、市町村レベルではパートナーシップ制度の導入が進められている中、経営者からみた場合はどうでしょうか?


日本におけるパートナーシップ制度は、2015年11月の東京都渋谷区と世田谷区での導入から始まり、2023年6月28日現在で328自治体まで拡大しています(認定NPO法人 虹色ダイバーシティと渋谷区の共同調査)。

また、2023年5月31日現在の交付件数は5,171組(2023年5月31日現在)で、人口カバー率は約70%ということです。
(認定NPO法人 虹色ダイバーシティ https://nijiirodiversity.jp/

また、イプソス・グローバルアドバイザーによる世界30カ国の調査「LGBT+PRIDE2023」によると、

  • LGBT+の人口シェアは平均9%

  • LGBT+の認知度は上がっているが、それでも国によって大きく異なる

  • すべての国ではないが、多くの国で同性婚と子育てを支持する人が多数派である

  • 雇用や住居に関する差別からの保護に対する支持は、他のトランスジェンダーの保護策よりも広く支持されている

とまとめていますが、国による違いは大きいようです。

日本の結果を見ると、

  • LGBT+に属する成人の割合 5%(30カ国中29位)

  • LGBT+の認知度 3〜7%(30カ国中29位)

  • 同性婚を認めるべき 38%(30カ国中25位)

  • 同性婚における養子縁組の権利を持つべき 66%(30カ国中17位)

とほとんどが下位グループですが、経年変化でみるみると「同性婚を認めるべきとする人の割合」は、2013年の24%から2023年38%まで高まっています。遅い歩みかもしれませんが、日本も着実に変化しています。

人生を共にするパートナーと考えたとき、法律的にどうするのかを別にして、確かに異性でも同性でもどちらでもいいのではないでしょうか。苦楽を共にして記憶を共有する相手が「パートナー」ということであり、それ以上でもそれ以下でもないんだろうなと思います。

今後の大きな流れとして、多様な性的嗜好や性自認が受け入れられる社会になっていく中で、会社の経営においても多様性が求められていくものと思います。

その際に大事なのが「寛容さ」です。みんな違ってそれでよしとするためには、他人に対しての寛容さだけでなく、自分に対する寛容さが必要になるのではないかと感じています。

記事では、岩手県では今後もさらなる拡充に向けた検討を進めると締めくくっています。会社の中でもダイバーシティを考える時期にきています。


いかがだったでしょうか。
記事は、岩手県の取り組みを中心に伝えていますが、大きな時代の流れの中でとらえることで、意味するところが変わってきます。近過去からの経緯や推移をみることで、変化を実感できるのではないでしょうか。変化を少しだけ先取りすることで活きた経営ができるものと思います。

今後も気になった記事をちょこっと深掘りしてみたいと思います。

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