barのバイト

私はオーセンティックバーという種類のbar(パッと想像するようなbar)ところでアルバイトをしている。
本記事は正直かっこいいからという理由でアルバイトに申し込んだ圧倒的素人がbarでアルバイトをすることについて語っているだけだが、何かの参考になってくれれば幸いだ。

まず、バイトを始めてから驚いたのはbarで働いているというといかがわしいお店を疑われたり、ありえない偏見に晒されることもしばしばある。知り合いに本気でやめなさいと叱られたこともある。でも私はbarのバイトをするのはとても楽しいと思っている。まずはbarで働くことのいいことについて紹介していく。

いいことについて

barに来られるお客様のほとんどは金銭的、時間的および精神的に余裕がある方がほとんどなので、言い方は悪いが質の悪いお客さまはまず来ない。たまに酒の飲み方を知らない飲み方の汚いうるさい大学生なんかがいるが、そんなおこちゃまにはbarは敷居が高すぎてまず入ってこないのでとても雰囲気がいい。うるさい音が苦手な人も働きやすいと思う。

また、お客様を接客する中で、上質なサービスをご提供するために、所作であったり言葉づかいであったり、そういう社会人としての最上級のマナーを叩きこまれる。そういうのはアルバイトをやめたとて今後の人生に必ず生きてくるものであると思う。

また、人間観察ができて面白い。
たぶんみなさんが想像するより、バーテンダーの皆様はお客様の所作や会話をよく見聞きしている。どういう関係性なのか、どんな業種で立場はどこなのか、地元の人かどうか…。それによってその人に合った立ち回りをすることで気持ちの良い接客ができる…だけでなく、お酒は毒にもなるから、何を提供するのか,この人に提供して大丈夫なのかを、その人からの言葉以外の部分で判断することが大事になってくる。

そのためアルバイトのわたしもお客様をよく観察するようにしている。よく、というのはじっくり見るのではなく、お客様のいろんなところから推理する。「お酒に弱くて飲めるかしら…」と不安そうなご様子のお客様には度数を抑えることも可能ですよとご提案させていただいたり、わんちゃんねこちゃんの話で盛り上がっていたらちょっと中に入れてもらって写真を見せてもらったり…そういう小さな機転や遊びを覚えられて楽しい。そうやって、お客様とお話するのもとても楽しいし、「嬢ちゃん、バイトも勉強も、がんばれよ!」なんて応援されたり褒められたり励ましていただいたりということが多々あり、心が暖かくなるところも素敵なところだ。

あとは、もうそのまま。
お酒に少しずつ詳しくなれる。カクテルには1つ1つ物語があり、花言葉のようにカクテル言葉があるなんて私は全く知らなかった。またウイスキーのボトル1つとっても、世界中のメーカーのこだわりが見えて楽しい。
以前お客さんにbarでアルバイトすることの良さを聞かれて、お酒に詳しくなれることについて話したら、女の子でそんなにお酒に詳しいのもどうかと思われるんじゃないのか,と言われたがわたしはそうは思わない。別にお酒だけでなく、せっかく脳みそをもっているのなら、持てる知識は持っておいた方が楽しい。それに持っていないほうがいい知識なんてこの世にないとわたしは考えている。

後はbarでバイトをしているというだけでやっぱりかっこいいと思うので、結構おすすめだ。バーカウンターの向こう側はぜんぜん見えない世界だから友人間での話題も広がりやすいと思う。それに、barという世界の敷居が自分にとって少し低くなったことも良かったと思っている。大人の社交場をのぞけるのはとても面白い。

悪いことについて

これはどの接客業でも同じだと思うけれど、タチの悪いお客様が来た時に結構厄介だと思う。
距離感のおかしいお客さまがいらっしゃったときの対応が、厄介だ。特に向こうはお酒が入っているので、ほんとうに。
特にわたしは性別が女性であるためか、それなりにめんどくさい絡まれ方をされるのは避けられない。それで何か危険な目に遭ったりだとかはなかったが、たまに嫌な気持ちにさせられることはある。

また、最初に挙げた通り、水商売であり低照度飲食店(風営法に規定があるお仕事)であるがゆえに、きつい偏見に晒されることも、多様性の時代令和なのに!悲しいことにまだある。
barで働いているだけで(良かれと思って)非難してくる人も何人かいたし、barで働いている人は〜と偏見を言う人もいる。
barは素敵なところだとわかっているから、これがわたしはとても悲しい。

あとはどうしても夜の遅い時間帯からのお仕事になるので、朝早くに講義があったりだとか、1日頑張り切った後にこれからバイトだという時などは、結構大変だ。まあでも逆にこれは、予定がバッティングすることが少ないという意味ではメリットだろう。わたしにはメリットの方が大きいから続けられている。


こんなところだろうか?

合う合わないはあるだろうけれど、いいことはたくさんあると思う。明るくて人をよく見ていて、おしゃべりが好きな人はとっても向いているのではないかなあと勝手に思っている.
barなんて働こうと思って働けるようなところでもないのだろうけど、少なくとも本記事を通して、barは素敵なところだよ、こわくないよ、ってことが伝われば嬉しい。

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