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[14]ベネッセ創業者一族(その10) ~オープン・ソースから考える中国のサイレント・インベージョン

先回からの続きです。
先回はこちら
[13]ベネッセ創業者一族(その9) ~オープン・ソースから考える中国のサイレント・インベージョン|髙山彦行|note
その1はこちら
[5]ベネッセ創業者一族(その1) ~オープン・ソースから考える中国のサイレント・インベージョン|髙山彦行|note

Still(続き)

Still出資先と不動産関連

Stillの出資先で不動産関連は3社でした。内一社はベトナムの不動産開発ですが、日本への影響は少ないと思いますので調べていません。BEYOND BORDERSは先に述べたとおりです。PROPERTY INCOME FUNDについては、一応分析は終わっていますが、もう少し情報を集めたいと思います。

Still出資先(不動産関連)

不動産関連は工作拠点づくりに直結しますから、防がなければなりません。日本で言えば、現状の重要土地利用規制法では制限が多く、有効に機能するとは思えません。また、既に利用されている土地に対しては遡って法律を適用することもできません。法律をより厳重な物に書き換える必要があると思います。
一時期話題になったS社も国内で工作拠点にするためのマンションやアパートを取得しつづけています。

Still出資先とプラットフォームビジネス

これらの企業は一見するとあまり工作とは関係ない様に思えてしまいます。無農薬野菜のデリバリーだったり、アート作品の売買だったり、人材データベースを活用した転職紹介だったりと。
これらの新しいアイデアで行うビジネスのプラットフォームというのは、顧客や人材データベースの上に成り立つ物です。このデータベースこそが中国側にとって宝の山になります。
中国の情報収集のやり方は、投網のようにごっそりと情報を抜き取ってきてAIにより関連付けをしてターゲットの情報を取り出すとされています。ターゲットの色々な好み(異性のタイプや趣味、好きな食べ物など)などは接触するために重要な情報となってきます。
故・橋本龍太郎元首相が中国人女性のハニートラップに掛かった話は有名ですが、切っ掛けは女性が落としたハンカチを橋本元首相が拾ったことです。好みの女性に絶妙なタイミングでハンカチを落とさせて拾って貰う。偶然を装い再度会う。それ以外にも戦後の大物政治家(松村謙三)が金や女性に靡かないので、趣味である蘭の花を使って中国側が接触したなど、この様な些細なことでも情報としての価値があるのです。
片思いの人と親しくなりたいときに、相手の事を知って共通の話題で話そうとしたりするのと全く同じわけです。特に無農薬などの健康食品やアートなどはハイソサエティーの人が関心が高い分野になります。政治家や財界人廻りの人間が顧客である可能性は高くなるわけですね。
ターゲットとなる人物本人でなくても構いません。ターゲットの家族、友人、知人などから調略するという方法もあり得ます。今後はディープフェイクの技術が発達すれば、ターゲットの周辺の人に成りすまして接触する方法も出てくるでしょう。

Still出資先(プラットフォームビジネス)

更には、これら企業の中で即効性の高いデータベースを持つのは転職関係のプラットフォームを持つ会社です。例えば、上の中のVISIONALが運営するBIZリーチ。聞いたことが有る人も多いのでは無いでしょうか。転職サイトには、登録者の氏名・住所だけでなく、生年月日・学歴・職歴・勤務先などが記載されています。転職しようと考えている人は、その会社に何等かの不満を持つ人が多いわけですから、調略しやすい人材ということになります。中国製造2025の中の欲しい技術を持つ会社や軍事転用できる技術を持つ会社の社員を簡単に調べ出せるわけです。その人物を協力者に仕立て上げることができれば、スパイ活動は半分以上成功したことになるでしょう。
結局は企業側もどれだけ経済安全保障意識が高いかが問われることになってきます。コロナ禍で財務状況が苦しい会社やスタートアップで資金が欲しい会社にとって融資の話はとても魅力的です。相手の調査をするのも難しいわけで、防ぐのが難しいのが現状です。とは言え、先ずはどんなリスクが有るのか知らなければ何もできません。
そういえば、Stillの取締役である福武英明氏は、ベネッセの取締役でもありましたね。

こんな事件もありましたね。ベネッセはお子さんを持つ多くの方が利用されていると思います。その顧客データが悪用されるかもしれないと考えるとゾッとします。そういうリスクがあるということです。

Still出資先の投資会社

出資先の中にStillのHPにあるだけでも、これだけの投資会社に出資しています。

出資先(投資会社)

でも、ちょっと待ってください。おかしいと思いませんか?何故、同業他社にこんなにも出資するのでしょう?ライバルのはずですよね?
勿論、戦略的に協力関係を築き相互出資をするという例はあると思います。しかし、それって1~2社じゃないでしょうか?同業の投資会社に投資するくらいなら、新規事業を考えている有望そうな企業に投資するはずです。
これらの企業の幾つかは、中国製造2025の各分野専門に投資する会社です。例えば、医療系や新エネルギーなど。
つまりは、アメーバーの分裂のようにフロント投資企業を増殖させようとしているのです。実に中長期的な戦略で動いていることが分かります。頭が痛いです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。
如何に中国は、ゆっくりじわじわと侵略をしているのがお分かり頂けたでしょうか。本人達が認めない限り、これらを立証することはできません。
でも私はそれでも構わないと思っています。認めさせるのが目的では無く、抑止が目的だからです。
一人でも多くの方にこの現実を知って頂き、最終的には衆人監視で抑止するというのが私の考えです。
厚かましいお願いではありますが、ご家族やご友人に中国のサイレントインベージョンの手口や状況についてご紹介頂ければ幸いです。私の記事で無くても全然構いません。
一旦、福武家については筆を置き、調査に専念しようと思います。調査や整理が終わったら、また書くことになると思います。これ以外にも調査している人物は色々といますので、ネタには困りません。勿論それは嬉しいことでは無く、日本にとって深刻なことなのですが・・・
(了)

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