息子の脳幹腫瘍が見つかる

2020年7月7日(火)

私が仕事をしているときに妻から一本の連絡が入りました。
その声は震えていて、泣いていました。
なにかと思って訪ねてみると
「息子の脳に異常が見つかったから、父親も呼んでと医者に言われた。」
ということでした。

その明らかにおかしな言い回しに気が気ではいられなくなりました。
すぐに病院に向かうと看護師さんと妻が息子をベビーカーに乗せて玄関の方まで迎えに来てくれました。
その時の息子は手に点滴用の注射器を付けていましたが、特に何ごともなく元気そうでした。
その後小児用の病室へ向かい妻から子供の状況を聞きましたが、まだ先生から詳しくは聞いていないため、脳に腫瘍があるということしかわかりませんでした。

そうして、まず脳のMRを撮るということで子供を連れて撮影の場所に行き、子供を麻酔で寝かせて、撮影しました。
息子も不安がっているのか、ずっと泣いていました。
撮影に30分くらいの時間がかかるといい、私と妻は病室に戻りました。
そして30分後、息子を連れて看護師さんが病室にやってきて、この後先生が結果を知らせに来るといい待っていてくださいと言うことで、待っていました。このとき妻は不安でしょうがない様子でした。私は少し楽観的に考えており、大丈夫と励ましていました。

そして、1時間ほど待った後で、いつもお世話になっている小児科の先生と、脳神経外科の先生が一緒にきて、応接室で話を聞くことになりました。

そして先生方がモニター側に座り、私達家族は反対側に座って話を聞きました。
脳神経外科の先生の話を聞いていく内、どうにも息子の病気が簡単なものではないことがわかってきました。
先生曰く、「この病気は大脳や小脳のさらに真ん中にある脳幹という部分に腫瘍ができており、それがどんどん大きくなってきている。神経膠腫の疑いがあり、腫瘍が突出しているのではなく、脳幹全体に網状に付いているらしく手術ができない(手術をすること自体が生命の危険にさらされる)。命に関わる腫瘍であり、一般に発症してからの余命の中央値(100人中50位の人)が8ヶ月〜1年位で、いつから腫瘍が神経を圧迫して障害が出るかもわからない。」とのことでした。

言葉が出ませんでした。
私も妻もその場では特に何も言えませんでしたが、その後病室に戻った後に泣き崩れました。なんで私達の子供がこんなことになるのか、ふざけるなと言う怒りが込み上げてきました。
私はこんなに泣いたことは生まれてはじめてでした。
妻も気が動転しておりずっと泣き止みませんでした。

その後、その腫瘍が悪性かどうかを調べる事ができる検査をするための提案を先生から聞いてそれをする手続きを行いました。
それをしても治療に役立つというわけではないようですが、悪性の場合は腫瘍が大きくなるのが早いかもしれないということで、検査することにしました。

本当に悲しい、苦しい、なんで私達の子供にこんなことをするんだという誰にぶつけようのない怒りが込み上げてきました。まだ2歳9ヶ月でこれから楽しいことがいっぱいある希望にあふれた子供なのになんで今なんだ、私達の子供がなにか悪いことでもしたのか。子供と遊園地に行ったり、海に行ったり、一緒に温泉に入ったり、入学式で一緒に写真を撮ったり、学校の授業参観に行ったり、運動会で子供を応援したり、部活の試合の送り迎えをしたり、大学に行ったら一人暮らしの家に遊びに行ったり、大人になったら一緒に酒を飲んだり、仕事の悩みを聞いたり、息子の運転する車で一緒にドライブに行ったり、何でも出来ると思っていたのに、それができなくなってしまいました。

その日は一日入院し、悪性かどうかの検査を受ける事になりましたが、夜も不安で食事が喉を通りませんでした。妻は一睡もせずに子供を見ていました。一秒も子供から目を話したくないと言っていました。

次の日、先生が悪性の腫瘍かどうかを調べる検査をするのがやはりここではできないという結果になったことで他の病院に紹介状を書いてくれることになりました。
その日の午後に退院することになり、荷物をまとめて病室から出ました。

そのときに先生たちが、私達夫婦にアドバイスをしてくれました。
「このような結果になったことは非常に残念ですが、早めにわかったことで、まだ体に異変が起こっていません。なので体が自由なうちに子供と一緒にできることをいっぱいしてあげてください。体に異変が起こってからは放射線治療などにより腫瘍の肥大の進行を抑えられる可能性がありますが、幼い脳は放射線に弱いので副作用や体の免疫力などが低下してからでは外に連れ出すことが難しくなると思いますまた、他の病院の専門の人の意見なども聞いて、他に出来ることがあるかの確認を是非してください。」とのことでした。

私と妻は、子供のために出来ることを全部してやりたいと思い、妻は旅行や連れていってあげたい場所などを色々計画し、私は仕事を辞めるよう会社に報告しました。
また、先生たちの言う通り他の病院についての情報を集め、その専門の先生の紹介状を頂いたりしています。

今後私達はどうなるのかわかりませんが、子供を優先した人生をこれから歩んでいこうと思っています。
子供が楽しんでくれるのか、子供が亡くなったあとの私達夫婦がどうなっていくのか色々不安なことがあり、頭がどうにかなりそうですが、今は一秒でも長く子供と一緒にいようと妻と話しました。

今日はこれで切り上げます。

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