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胸の奥でみる花火…

ポンポン ドドン 

カミナリがなってきたと思い
窓を開けて空を仰ぐ

ポンポン

あれ?お天気は良さそう

ボボボン

ああ、そうか
今日は淀川の花火大会や

三階まで上がって窓を開けてみる

見えないのは知ってるのに

そして息子に

なぁ!ポンポンいうおもたら
今日淀川の花火やん!

そやで、コロナやなかったら
知り合いの家に見にいくのに
地響きするくらい近くにみえるねんで

コロナ禍やからって言う意味かと思ったけど
多分 違う
息子は濃厚接触者で今会社を休んでいる

そう 私がコロナになって療養一週間目

息子くんごめん🙏💦

私がここに嫁いで来た頃には
三階の窓を開けると
全部じゃないけど 花火が見えた

7月の末には、遠くにPLの花火もみえたのに
40年近くも経って
家の周りには背の高い建物が建って
何にも見えなくなってしまった。


別にお祭り騒ぎみたいに見たいわけでなく
遠くでも ちっちゃくてもいいから
一人ベランダで缶チューハイ片手に
火の玉がひゅーっとあがって花開き散るまでを
静かに見届けてたいのに

ポンポン ドドン! ドドドン!

お腹の中に響くような低音は
いちいち私の胸に突き上げてくる。

そして私の胸の中のなにかモヤモヤしたものを
ポン!っと外へ弾き出す

ボタンを落としたみたいな気持ちになる

あったものがなくなってしまって
なんだか心が痛む

きっと音だけの花火だからかもしれないな

私から弾き出た何かが
花火が閉じるのと一緒に浄化されるのを
見届けられないからかも

だから胸に小さな穴が空いたみたいに
心がチクッと痛むんだろうな


夏も終わり

そういえばいつの間にかセミが鳴かなくなってる

ベランダに出していた観葉植物の鉢に
セミの羽が片方だけ置き忘れられていた








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