応用情報知識メモ09(バス、入出力デバイス)


確認問題

以下にスラスラ答えられる人は読まなくても大丈夫。
・内部バス、外部バスとは何かを簡潔に説明せよ。
・CPUがHDDからデータを取得してメモリに書き込む動作において、入出力制御方式を3種答えよ。またそれぞれのメリット、デメリットを答えよ。
・現在、代表的な拡張バスのインタフェースを答えよ。
・USBの特徴を2つ答えよ。
・SCSIとIEEE1394 の違いを答えよ。ただし「シリアル」「パラレル」「デイジーチェーン」の用語を用いて説明すること。
・無線通信のインタフェースであるIrDAとBluetoothの主な違いを1つ答えよ
・RFIDの仕組みを答えよ
※OCR、OMR、バーコード、ディスプレイの種類、プリンタの性能指標はそこまで覚えなくてもよい。問題が出るとしても1問がせいぜい。

バスとは

バス(bus)とはコンピュータの通信経路のこと。
CPU内部を内部バス、CPU外部を外部バスと呼ぶ。外部バスといっても接続するデバイスが多様なので、デバイスによってシステムバス拡張バス入出力バスなど様々なものがある。内部バス以外は全てCPU外部のバスであることを抑えておくこと。

データ転送方式

バスのデータ転送方式には直列と並列がある。直列(シリアルバス)は一本の線でデータを送り、並列(パラレルバス)は複数の線でデータを送る。データを送るだけなら並列のほうが早いのだが、データを高速で送ろうとすると同期を取るのが難しくなるため、結局直列のほうが主流となっている。

入出力バスにおける3つの制御方式

CPUがデータをメモリに書き込む際の制御方式について。CPUがHDDからデータを読み取り、CPUのレジスタに書き込んで、メモリに書き込むという流れは共通している。
プログラム制御方式(直接制御方式):CPUが命令を出してHDDからデータを読み取り、レジスタに書き込み、メモリに書き込み命令を出すまで実行する形式。処理速度が遅いメモリの処理が完了するまでCPUが待機しなければならない点がデメリット。
DMA(Direct Memory Access)制御方式:CPUが命令を出したらDMAと呼ばれる機器が以降の処理を担当する方式。DMAがHDDからデータを取得し、メモリにデータを書き込み、それが終わってからデータをCPUに渡す。CPUは命令を出してからDMAからデータが来るまで別の作業を実施できる点がメリット。ただし、DMAはCPUと同じバスを使用するため、バス内で衝突が起きる可能性がある点がデメリット。
チャネル制御方式:DMAの代わりにチャネルと呼ばれる機器がその後の処理を実施する。チャネルバスと呼ばれる専用のバスがあるため、CPUが自由にバスを使用できる点がメリット。デメリットは特になし。

拡張カードの紹介

マザーボードの拡張スロットに接続できるデバイスは、有名なもので以下がある。
ビデオカード:今はデフォルトでHDMIなどのインタフェースが用意されていることが多いので、特に必要ないことも多い。高性能なビデオカードを使用したかったり、元々ビデオカードが搭載されていない場合は拡張カードを使用する必要がある。
ネットワークインタフェースカード(NIC):現在はLANケーブルのプラグが用意されているので不要なことも多い。LANポートを複数使用したい場合などに拡張カードを用いる。
RAIDカード:RAID構成をしたデバイスを接続するのではなく、RAIDカードの接続端子にHDDを4台そのまま繋げれば自動的にRAIDを構築してくれるカード。
サウンドカード:サーバ用のマシンには音声再生機能がなかったりする。もしくは高性能なサウンドを使用したかったりする場合に拡張カードを用いる。

拡張バスのインタフェース

上記の拡張カードを差し込む接続端子、その機構を紹介する。
PCI(Peripheral Component Interconnect):peripheral component(周辺機器)をinterconnect(相互接続)するの意。要は周辺機器をつなぐための接続端子として幅広く使える接続端子。現在は後継のPCIe に取って代わられている。
AGP(Accelerated Graphics Port):グラフィックカード用のインタフェース。現在は後継のPCIe に取って代わられている。
PCIe(PCI Express):現在の標準インタフェース。シリアル方式で高速通信を実現した。PCIeの規格は「レーン」の数で表す。×1、×4、×16など。PCIe 2.0 では1レーンの転送速度が5Gbit/秒 となっており、×4はその4倍、×16はその16倍の速度となる。×16は情報量が多い画像処理などに、つまり上記AGPの後継のポジションで使われることが多い。

シリアル方式の他インタフェース

USB(Universal Serial Bus)

言わずと知れたUSB。大きな特徴としてはホットプラグ(電源を入れたまま機器を抜き差し可能)、プラグ・アンド・プレイ(差し込むだけですぐ使える)の2つ。USB1.1やUSB2.0、USB3.0 などある。USB3.0から全二重通信(送受信が同時に行える)方式に変わった。

IEEE1394

USBと同じで接続端子にいろいろな形がある。用途としては多くの周辺機器を接続するもので、ドライブ機器、ビデオカメラ機器の接続に使われることが多い。要するにSCSI(スカジー)の後継。SCSI(Small Computer System Interface)はIEEE1394と同様に、いろいろな周辺機器を接続する規格と思えばよい。

USBの特徴でも紹介したホットプラグプラグ・アンド・プレイも可能。
USBとは異なる大きな特徴として、機器同士を数珠つなぎに連結できるデイジーチェーン方式が使用できる点が挙げられる。SCSIではデイジーチェーン方式を用いる際、数珠つなぎにした機器の最後にターミネータ(終端抵抗)を設置する必要があったのだが、IEEE1394 では不要となっている点に注意。
また映像や音声の通信に適したアイソクロナス転送方式を採用している。

SATA(Serial ATA)

ハードディスクの接続規格であるATAの後継。ATAはパラレル方式だったが、こちらはシンプルなシリアル方式となっており、通信が高速となっている。
1つのポートに1つのハードディスクを接続する。当たり前のようだが、1本のプラグでポートとハードディスクを繋ぐ形式。
だが前の規格だったATA(Advanced Technology Attachment)では、1本のケーブルにて、ハードディスクを2台つなげて、主(master)と副(slave)を決める方式だった。

無線インタフェース

IrDA(Infrared Data Association)

Infrared(インフラ・レッド)は要するに赤外線。赤外線を使用した無線通信。赤外線の性質上、間に障害物があると通信できない。

Bluetooth

一定の帯域の電波を使用した無線通信。間に障害物があっても関係なく通信できる。

入出力バスの装置もろもろ

ここでは使用する機器に加えて、使用する機器が扱うデータの中身についてもおさえる。後者に、バーコード、QRコード、RFIDを扱う。

OCR、OMR

読み取り装置の一種。OCRは紙の文字を解析してデジタルデータに変換するもの。OMRはマークシートの塗りつぶしを解析してデジタルデータに変換するもの。
OCR(Optical Character Reader)、OMR(Optical Mark Reader)の名前の真ん中、つまりCとMの意味だけ覚えておけばよい。

バーコード

一般に「バーコード」としてイメージされるのは、JANコードと分類されるタイプのもの。実はQRコードもバーコードの一種。
JANコードの仕様:JANコードは①事業者コード ②商品アイテムコード ③チェックディジット で構成される。①の上2桁が国ごとに定まっており、日本の製品は45もしくは49となっている。
QRコードの仕様:QRコードは四隅のうち三つに■のマークが書いてあり、上下左右が一意に特定できるようになっている。

RFID(Radio Frequency IDentification)

タグの中にICチップが内蔵されており、無線でそのデータを読み取るもの。Radioは「無線」の意。最も身近なもので言えばSuicaやPASMO、UNIQLOの決済時の服のタグなど。UNIQLOでは複数の服を一度に機械に投入してもちゃんと読み取ってくれるのが、このシステムをよく表している。
バーコードやQRコードは読み取り時に視認できる場所にないとダメだが、RFIDは電磁界や電波を使って情報を読み取るので、服の中にタグが隠れていても読み取れるし、複数のタグを同時に読むことができる。
余談だがSuicaやPASMOは、改札の機械が微弱な電波を発してICチップに電力を与えて動かしているらしい。

ディスプレイの進化(優先度:低)

ディスプレイは素材と制御方法によって進化してきた。
CRT(Cathode Ray Tube)はブラウン管を使用した古いもの。電子ビームを偏向ヨークという電磁コイルで曲げて、それを画面の裏から照射することで描画する。
液晶テレビは、画面裏のバックライトを液晶が受けることで描画する。
プラズマテレビは、プラズマが発生させた紫外線を使用して発光させる。

プリンタの印刷性能の指標(優先度:低)

性能は、品質と速度の2軸ある。
dpi(dot per inch):1インチ四方に描けるドットの数。
cps(character per second):1秒に印刷できる文字数
ppm(page per minute):1分あたりの印刷ページ数


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