見出し画像

カワムツについて


【生息地】 

  カワムツは、本州、中国、九州などに広く分布しています。ただし、河川改修によって、その生息場所は減少しました。カワムツは、比較的タフな魚ですが、どちらかと言えば、綺麗な水を好みます。ウグイ、オイカワなどと並ぶ身近な川魚の一つです。カワムツは、河川の上、中流域や湖沼などに生息しています。早い流れにもいますが、どちらかと言えば、緩い流れを好む魚です。そのため、河川では、淵や淀みに潜みます。カワムツが好むのは、岸辺に植物が覆いかぶさったような場所です。そういう場所は、隠れ家や避暑地になります。 

 【形態】 

  カワムツは、約10~15cmのコイ科の小魚です。オスの方が大きく、20cm位になる場合もあります。その寿命は、だいたい3~4年です。カワムツは、側面から見て、紡錘形の形をしています。近い種類のオイカワと比較して、ややずんぐりとした魚体です。カワムツは、体に対して、大きな尾びれをしています。特に大きいのがオスの尾びれです。体色は、腹部が白っぽく、胸ビレと腹ビレの前縁は黄色っぽい色をしています。模様の特徴は、側面の中央に、一本だけ通っている藍色の幅広い縞です。 

 【習性】 

  カワムツの活動時間は、主に日中です。遊泳力が高く、素早く泳ぎ回ることが出来ます。カワムツは、非常に警戒心が強い魚です。人が近づくと、素早く物陰に隠れる習性があります。そのため、あまり近くで観察することが出来ません。カワムツは、意外と貪欲です。雑食性で、餌は何でもよく食べます。好んで食べるのは、昆虫や小魚など動物性のものです。主に、木から落下してきた陸生昆虫や、流れてきた水性昆虫などを食べています。

 【繁殖期】 

  カワムツの繁殖期は、5月中旬~8月下旬です。この時期、オスには、奇麗な婚姻色が出ます。婚姻色は、メスには出ません。オスの婚姻色は、顔が赤黒く、腹部は赤く、背びれと腹ビレの前縁は鮮やかなオレンジ色になります。繁殖期に、オスの顔に現れるのが「追星」と呼ばれる白いぶつぶつです。この追星は、病気ではありません。オスの間では、メスを巡って優先順位が決まります。メスとつがいになれるのは、順位が高いオスだけです。繁殖期のオスとメスは、つがいになって、昼間の暑い時間帯に産卵します。メスが、卵を産む場所は、流れが緩やかな浅瀬の砂礫「砂と小石」の底です。

 【ルアーフィッシング】

  カワムツは、餌釣りだけでなく、ルアーでも釣れます。使えるルアーは、主にスプーンやスピナーです。タックル「釣具」は、トラウト用で代用できます。それ専用の特別なタックルは、必要ありません。カワムツは、トラウト「イワナ、ヤマメ」より小さな魚です。そのため、3g以下の小さなルアーを使った方がよく釣れます。カワムツは、縄張り意識の強い魚です。餌を巡って他のカワムツを追い払います。その性質が、小魚型のルアーで釣れる要因の一つです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?