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ツキノワグマの能力


【大きさ】

  ツキノワグマは、臆病な性格のため、向こうから襲ってくることは、ほとんどありません。しかし、能力的には人を殺傷出来るので、十分に警戒は必要です。ツキノワグマは、決して大きくはありません。大人のオスでも平均体重80kg前後なので、世界的には小型の熊です。100kgを超すものは大物とされています。人間と比較しても、それほど体格差はありません。大きさは、オスとメスや年齢などによっても違います。大人のメスは、だいたい40kg~60kgくらいです。約30kgで性成熟します。子熊が、母グマから離れるときの体重は、オスが30kg、メスが25kg程度です。 

 【身体能力】 

  ツキノワグマは、思ったよりも機敏だとされています。走る速さは、最高で時速50kmです。人間よりも速いので、本気で追っかけて来たら、追いつかれてしまいます。ツキノワグマは、木登りが得意です。追いかけて来た場合、木の上に登っても、逃げ切れません。ただし、木登りが得意なのは、60kg~70kg程度の小さな個体です。100kgを超すような大物は、木登りが得意ではありません。ツキノワグマは、鋭い爪を使って、垂直の壁でも登ることが出来ます。そのため、高い所に登っても逃げ切れません。その上、ツキノワグマは、泳ぐことも出来ます。もし、追いかけられたら、逃げ切るのは困難です。 

 【攻撃と防御】 

  ツキノワグマは、柔軟な骨格をしています。そのため、組み合って格闘することや、狭い所をくぐり抜けることが得意です。その丸い体型は、うまく相手の攻撃をかわすのに適しています。その上、皮下脂肪が分厚いので、打撃が効きません。ツキノワグマの攻撃は、相手の首や肩を抱え込んでから、噛みついて来ます。この時、顔や頚動脈を噛んでくるので、かなり危険です。もし、ツキノワグマに襲われた場合は、頭部と首を両手でガードします。どちらかと言えば、爪の攻撃は、補助的なものです。ただし、鋭いので、人間の皮膚に穴が空いてしまいます。

【嗅覚と聴覚】 

  ツキノワグマは、鋭い感覚器官を持っています。特に嗅覚は、敏感で犬や猪と同等です。状況判断の大部分は、鼻に頼っています。風向きによっては、2km四方の匂いを嗅ぎ分けることが可能です。通常、ツキノワグマは、人との接触を避けています。しかし、食べ物の匂いがすれば、近寄って来るので、人間の食べ物の味を覚えさせるべきではありません。ツキノワグマは、聴覚も優れています。高音に敏感で、低音には鈍感です。熊避けの鈴や、ラジオで居場所を知らせれば、近寄っては来ません。 

 【視力】 

  ツキノワグマは、視力がそれほど良くありません。左右に動くものを発見する能力はあります。しかし、前後の動きに対応する「深視力」が良くありません。そのため、熊から逃げる際は、正面を向いたままゆっくり下がれば良いとされています。また、ツキノワグマは、動かないものには、あまり反応しません。下手に逃げ出したら、相手を刺激してしまいます。むしろ、じっとしていた方が安全です。


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