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水産試験場とは

 水産試験場とは、一般的には各都道府県の試験所のことであり、すべての都道府県にあります。似たような機関で、水産研究所と言う組織があります。これは国立のものであり独立行政法人です。各水産試験場は、この水産研究所と協力し、魚がどれだけ取れたかの調査や予測を行います。また、都道府県の枠を超えた広域的な課題にも取り組みます。

 水産試験場は、各地方自治体に所属し、水産に関する試験、研究を行う機関の総称の事です。今日では、必ずしも水産試験場と言う名称を使っていないところもあります。科学的、客観的なデータをもとに内水面の漁業、養殖業の発展と、健全な水資源の保全を目指しています。

 養殖業者に対しては、養殖の相談にのります。増殖、優良品種を育成するための飼育技術の指導をします。トラウトなどのより良い品種を作り出すために、養殖場の飼育環境を調査をして、環境の改善を図ります。養殖場の中で、世代交代を重ねていった結果、その中で有用な形質を持つ魚を選んでいきます。
 バイオテクノロジー技術を開発をして、良質な放流用稚魚をふやすための方法を開発します。そのため良質な稚魚を産むための親魚も育てていきます。
 また養殖業者に対しては、支援もおこないます。養殖に必要な卵や稚魚などを有償で配布します。

 漁業者、加工業者に対して、新技術の普及や技術改善の指導に当たります。漁業者には、放流事業の指導を行います。加工業者には、水産物製造過程などに関する研究調査を実施します。

 水産試験場体は、魚の病気の対策も行っています。発病や死因を研究調査し、その結果を病気の予防、治療に役立てます。

 河川、湖沼の魚介類の生息環境の保全、保護のため、生息状況や、環境の調査をします。この生物相の調査は、長期継続的に実施されます。そのため魚類資源及び、その生産力の調査のための漁などを行います。例えば鮎の遡上状況や、来遊時期などを調査して、予測します。
 また、絶滅危惧種対策事業として、希少魚の生息実態把握と保全をします。生態系を守るため、特定外来生物の駆除なども行います。
 その他、河川工作物等の影響、堰、落差工などの河川横断構造物の状況を調査します。魚道などの構造や機能を調査し、それを評価をしていきます。

 また、水産試験場が研究してきたことは、展示などを通して、情報発信することによって広めていきます。

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