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酵素とは何か?

【酵素】
 酵素は、タンパク質の一種です。人間の場合、体内に約5000種類の酵素を持っています。酵素は、生命活動の化学反応に必要なものです。その化学反応によって、生命活動に必要な物質が生成されています。酵素は、組み立て工具のようなものです。生体内の化学反応は、その工具である酵素によって行われています。酵素が作られる場所は、細胞内にある「リボソーム」という小器官です。酵素は、DNAの設計図に基づいて作られています。逆に、DNAを複製する作業にも、酵素が必要です。
 酵素は、その立体構造の形によって「働き」や「情報」が決まっています。 酵素とは、化学反応の「触媒作用」を持つタンパク質の総称です。その触媒作用の働きによって、化学反応を「促進」または「抑制」させています。触媒とは、自分自身は変化せず、他の物質の化学反応を進める物質のことです。酵素が、促進させるのは、特定の化学反応のみで、一つの酵素の働きは、一つだけに限られています。 
 
 【化学反応】 
 
 酵素は、化学反応の手助けをし、それを促進させています。生物の体内で、必要な化学反応を、正確に進めることが出来るのは、酵素が働いているからです。その化学反応によって、化学結合の状態が変わり、生物が活動するのに必要な物質が生成されます。化学結合の状態が変わるとは、化学反応によって、原子が組み換えられることです。酵素があることによって、化学反応が起った時、作りたい物質だけを正確に作ることが出来きます。化学反応とは「消化」「吸収」「代謝」「分解」「輸送」などのことです。また酵素は「排泄」「血液循環」「免疫力」などの働きにも関与しています。 
 
 【条件】 
 生物は、酵素の働きで生きています。ただし酵素は、限られた条件下でしか働きません。例えば、加熱することよって、機能しなくなります。酵素は、熱に弱く、高温で構造が変化し、壊れてしまうからです。つまり、体内が適切な環境にある時にしか働くことが出来ません。化学反応がよく進むのは、だいたい体温ぐらいの時です。そのため体調が悪い時には、酵素の働きは鈍くなります。 
 また酵素は、特定の相手としか触媒作用を示しません。選択性が高く、反応する相手が決まっているからです。選択する時「分子の形」や「大きさ」で相手を見分け、特定の物質であるかどうかを判断しています。いわば鍵と鍵穴のような関係です。この特定の相手を選り好みする性質を「基質特異性」と言います。基質とは、酵素の作用を受けて化学反応をおこす物質のことです。
 
 【食べ物】 
 酵素には「食物酵素」と「体内酵素」があります。体内酵素とは、自分の体内で作られる酵素のことです。それに対して、食物酵素は、食べ物に含まれています。食物酵素とは、体内酵素の働きをサポートしてくれる酵素のことです。食べ物を消化する時は、体内酵素が消費されています。その負担を減らしてくれるのが食物酵素です。健康を維持するには、体内に、食物酵素がたくさん含まれた食物を補うと良いとされています。



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