墓参り

富山からJAMへ行く途中、墓参りをした。
母の命日が近いと思ったからだ。
花を買ってお墓に行くと、少し萎れかけた花が供えてあった。
1週間くらいかな。
ここを参るのは弟くらいしかいないけど、彼が来たのだろうか。

線香台を掃除して墓石に水を打ち、
まだ元気な花をより分け、持参した花と一緒に切りそろえて供えた。

そして線香の煙を浴びながら献杯の缶コーヒーを飲んだ。
向かいの工事現場はずいぶん高いビルがそびえてきて、西日を浴びた窓ガラスがキラキラと光っている。

さてそろそろ行こうかと墓の裏に回り、墓石に並んでいる名前を読んでいると、母の法名には令和二年五月三十日の日付が刻まれていた。
びっくりした。
わたしは命日を1ヵ月勘違いしていたのだ。
供え花の主は間違いなく弟で、先週墓参に来たのだろう。

そして、あろうことかつい先週の命日に、わたしはお寺のある最寄り駅を素通りして渋谷Lamamaに向かっていた。
あの日、新幹線から乗り換えた電車は緊急停止ボタンのためにしばらく止まったけど、母が「おい、ちょっと待て」とばかりに足止めをさせたのかもしれない。

バカ娘が今ごろ何しに来たと、草葉の陰で笑っているんだろうなあ。








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