見出し画像

写仏第二回。初水墨画で醍醐寺の如意輪観音様を描く

無謀大好き、Himashunです。

写仏企画の第二回は宣言していた仁和寺、でなく醍醐寺をやりたいと思います。

一応仁和寺も阿弥陀様を書かせていただきました。

こんな感じです。

自分的には前回より上手く描けた気がします。ただ色塗りを盛大に失敗してしまいまして…。

ちょっと意気消沈して三日が経ちました。

今回は趣向を変えまして、水墨画に初チャレンジしてみようかと思います。

水墨画、全くやったことはないんです。

が、とあるユーチューバーさんで日本画材を紹介している方の動画を見て、画材を買い始めたのが最近です。

正直教室に通うより、その方の見様見真似でやった方が面白いと思い、試行錯誤中。

先日、筆・硯・固形墨が届きまして、何か描く画題を探していたところ、仏様をせっかくだから描いてみることに。

絵心がない人間の無謀な挑戦パート2、果たしてどうなるでしょう。

今回写仏するのはこちらの仏様。

醍醐寺の如意輪観音様です。

観音様には様々なバリエーションがあり、馬頭観音様は憤怒の表情で表されます。

いずれにせよ、私にはとても親しみを持って感じられる、大好きな仏様です。

如意輪観音様というと、やはり大阪観心寺の秘仏様が超有名です。

でも醍醐寺のものも、それに次ぐくらい知られています。写真じゃわからないですが、相当大きくて、台座を含めると5メートルもあるんだとか。

私が参照したのは以前サントリー美術館で開催された醍醐寺展(醍醐寺の展覧会は京都の寺でもかなり頻繁です)の図録。

今回は表紙をそのまま描いていこうと思います。


では道具紹介を。

全く水墨画のことを知らないのに、「道具は良いものを買え、全然違うから」と言っていたユーチューバーさんの言葉通りに最高級のものを買いました。

三種の筆は奈良筆。rimpamuraという日本画材の通販サイトで買った、攀桂堂製の画筆です。

最近知ったのですが、奈良という場所は日本での和筆や和紙、和墨の一大産地。今も昔も伝統産業を担っています。

墨は錦光園さんの烏金。サイズは一番小さいものです。


墨をすっていきます。この時間がとっても好きです。

硯は山梨の雨畑硯。

雨畑は昔から文人に愛された、日本最高の硯の産地です。

良いものと良いものが擦り合う感触。素晴らしいです。

シャリシャリと音を立てるのが気持ちいい。硯には見えない凹凸があって、ちゃんとお手入れしないとただの石になってしまうそう。

さて、墨は出来上がりました。

今回は初めてですので、淡墨とか濃墨とか、あまりこだわらずに描いていきます。

まずは描き上げることを第一目標に制作していきます。

さて、どんな絵になるでしょうか。


完成作です。

濃淡はほぼ無いので水墨画ではなく墨絵でしかありませんが。

自分的には如意輪観音様のリラックスした、悠々とした感じが出たんじゃないかなと思ってます。

和紙はかなりカサつきました。この筆とは多分合わない気がします。

これだと線をなぞっているだけで、水墨画にはいつまで経っても至らないでしょうね。

これからたくさん勉強せねば。


懲りずにもう一尊。

醍醐寺の仏様で私が一番好きな、虚空菩薩様。

かやの木から一木で造り出した、平安前期の傑作です。

カヤ材から切り出した、独特の鋭い衣紋が力強いです。

醍醐寺で最も古い仏像であり、寺の創建よりも前の制作とされます。


お顔をアップで。

目と眉は墨で描かれていますね。

パーツが真ん中に揃い、芝犬みたいに可愛らしい(←失礼)お顔立ち。

口元がニコニコしていて、大相撲の隆の勝に似ている気が。

この独特の雰囲気を捉えるのは難しそうです。

彫り出しは力強く、まるで円空仏を見ているかのよう。

さて、どんな絵が描けたのでしょう。

披露するのが恐ろしいですが…。


完成作がこちら。

目はかわいいというより、ダンディなおじさんっぽい?

ニコニコ感は出せませんでしたが、難しい首周りの輪郭線を破綻なく描くことができました。

やはり紙との相性なのか自分の筆捌きがなってないのか、太く引くとブラッシュが強くかかります。

もっと筆の性質を理解して、大胆に墨を含ませられたらと思います。それができたらもっと水墨画らしくなるのでしょうが。


醍醐寺には多分二回行ってます。

一回目は桜の時期で、ソメイヨシノも枝垂れも終わりかけでした。

霊宝館を見に行きましたが、まだ信心も知識もなく、どれがどれだかわかりませんでした。

二回目は夏。上醍醐まで一時間かけて上りました。建築群はどれも勇壮で、薬師堂は土台の石組みが美しかったのを覚えています。

三宝院では秀吉作庭の庭園にいつまでも見惚れていました。あそこは日本一の庭園だと思います。

醍醐寺は寺宝が膨大なので、飽きることがありませんね。

素晴らしい懐の深さです。

次回…はまだ言わない方がいいですかね。

多分天台宗系の仏像を扱いたいと思います。

ご覧いただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?