東京オペラシティで開催された、サンクトペテルブルク室内合奏団のクリスマスコンサートに行ってきました

広場には大きなクリスマスツリー。
学生の頃は毎日ここを歩いていました。近くの学校に通っていたんです。だから、オペラシティはわたしの青春時代の思い出の場所。

オペラシティのコンサートホールに入るのは今回が初めてでした。ホールは全体的に大きな三角の形をしていて、見える部分のほとんどが木造で優しく温かな雰囲気。天井は突き抜けるように高く、正面上部には立派なパイプオルガン。
この空間･･･何故だかものすごく落ち着く。今まで行ったどのホールよりも好きかもしれない

表現力豊かで息の合った弦楽器と、清らかなソプラノの歌声。プログラムは、誰もが聞いたことのある有名な曲ばかりでした
『アヴェ・マリア』はまるで天界の音楽のように美しかったし、穏やかな曲も疾走感のある曲もどれも本当に素晴らしかった！

この合奏団には指揮者がいない。それがオーケストラにとってどのような影響があるのか、わたしには詳しいことはわからない。けれど、彼らの音楽には一瞬たりとも乱れが生じない。

もちろん彼らがプロのアーティストであること、日々の練習や努力があってこそだとは思うのですが、やはりみんなが同じ目的に向かって、同じ意識を共有し、同じところに力を集中させているから成せる技だと思うのです
スポーツでもなんでも、チームワークってこういうものだと思う。だからこそ、みんなの力を何倍にも増幅させ、時に望んだもの以上の成果を得ることができる

わたしは弦楽器が大好きです。
弦楽器の水のように流れる音色は、わたしの琴線にダイレクトに触れるのです
美しく調和のとれた音楽は脳波を穏やかにさせる。クラシックのコンサートは、しっかり目を見開いて真剣に聞くというより、目を閉じて眠りに落ちる寸前の意識の狭間で音楽にすべてを委ねるようにして聞くのが好きです

目を閉じると、当たり前ですが舞台が見えなくなってしまうのが残念なのですが･･･。
そうするとね、脳裏に色んなイメージや風景、言葉が次々と浮かんでくるんですよ
オーケストラが奏でる波動の高い音楽が、心身をリラックスさせ、感覚が研ぎ澄まされて、いわゆる“繋がっている状態”に近くなっているのだと思います
たまにこうして行きたくなるのは、『自分自身の波動を整えることが出来るから』でもあるんです。

そして、音楽の中に感じるの。
ああ、この音楽たちは･･･曲が生まれた場所、自然や街の景色、吹き抜ける風、人々の暮らし、時代、それらがそこにあったからこそ生まれたものなんだ。そのものたちのエネルギーを感じて育った人が、音楽として表現したものなんだ。そこにあるエネルギーが形になったものなんだって。
だからこういう音楽は、絶対に日本で自然に生まれることはなかったんだろうなって。

クラシックにももちろん色々な曲があるけれど、昔の音楽は自然を形にしたものが多かったんだと思うの。当時は、人々の営みも自然の一部のように捉えていたのかもしれない。
それに比べて今流行りの音楽や歌はね、自然や宇宙から遮断された社会の中で生きる人間のありふれた日常と感情を形にしたものばかり･･･
そのエネルギーは、良くも悪くも作用してしまう。わたしには、響いてくるものがあまりなくて、純粋に音楽として心から好きだと言えないんだよね

どうしてクラシックのコンサートに行くようになったのか？ もともと好きだった･･･というのは確かにあるのかもしれない。
親や誰かの影響という訳ではまったくないし、そういう機会が多かったという訳でもなく、何か楽器を弾ける訳でもない。
ただ、自分で必要だと思ったからだ。感性を、心を、自分自身を高め磨いていくために。

世界中で多くの人から評価を受けているものとはどんなものだろうか？ 一流と呼ばれる洗練されたものとはどんなものだろうか？
実際に触れてみることも大事だと思った。

わたしが博物館や美術館で展示を鑑賞しに行くことも同じ理由で、難しいことや専門知識まではわからないけれど、まず第一に『感じること』に大きな意味があると思っていた
そうやって、たくさんたくさん色んなことを見たり聞いたりして感じることで、何かを考えて何かを学んで、感性を磨き、心を養っていきました。

クラシックのコンサートって、どうしても敷居が高いイメージがあると思う。今の若者は、興味の有る無しに関係なく、一度も行ったことがないという人も多いと思う
音楽って本来、ジャンルを問わず人間にとってとても身近な存在だと思うし、いい音楽こそ、そうあるべきだと思う。

本当に素晴らしいものってさ、ただ欲望を満たすためのものではなく、心を豊かにしてくれるものだと思うんだ
第6感や第7感と呼ばれる神秘の領域を呼び起こす、そんなすごい力があると思うんだ。高い波動が高い意識へと導く･･･共鳴するんだよ。

頭で考える必要はない、ただ感じればいい。