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暮らしに役立つ栄養療法⑱ γリノレン酸とプロスタグランジン

プロスタグランジンの作用を利用した薬(プロスタグランジン製剤)は、
かなり広く使われています。

例えば、胃薬。胃粘膜保護剤に分類されている胃薬の多くはプロスタグランジンE1やE2の働きを強めることによって胃酸の分泌を抑えたり胃粘膜の保護をしたりしています。また、プロスタグランジンE1の薬は血管を広げる作用や血小板の凝集を抑えたりする作用があるため、脚や腕の動脈が細くなっている病気や肺動脈高血圧症などに用いられています。

プロスタグランジン製剤は一般には副作用が少ないのですが、たまに、ほてりや頭痛がひどくて続けられないという人がいます。そのような方はγリノレン酸を服用すると副作用を起こさずに効果を出すことが出来ます。

体が作るプロスタグランジンと薬との最も大きな違いは、分解される速さです。薬は全身に届くこと、一定時間以上分解されないことを条件として開発されるので、一か所だけに効かせたい場合、余計な場所にまで効いてしまうという欠点があります。たとえば脚の先のほうの動脈が細くなっている場合、顔や頭に行く血管まで広げてしまうために頭痛やほてりが起こることがあります。

体が作るプロスタグランジンは、出来た場所で効果を示した後あっという間に消えてしまいます。少なくとも肺を通るときには全部分解されて全身には行かないようになっているようです。

そこでプロスタグランジンE1の材料であるγリノレン酸を増やして必要な場所で必要な量のプロスタグランジンE1を合成させようという作戦です。γリノレン酸は月見草油、シソ油などに多く含まれ、以前は月見草油そのものを治療に使っていましたが現在はγリノレン酸のサプリメントが出来ています。

効果としては、血管を広げる作用、胃酸の分泌を適度に抑える作用、血栓を予防する作用などのほか炎症を抑える作用やヒスタミンの放出を減らしてアレルギー症状を和らげる働きもあります。
また、月経前症候群にも効果があると報告されています。

効果があるものだけを抽出したり働きを強めたものは効果が良さそうではありますが、体のコントロールが効かないため思いがけない副作用も出ます。そのため栄養医学では「クルードなプレカーサー(精製していない材料)」を入れることを重視しています。γリノレン酸とプロスタグランジン製剤はそのよい例と言えるでしょう。

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