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Socially Engaged Art 社会課題とアートの話


こんばんは。日々覚えてることの粒度って時間経つと荒くなっていくので、言葉にして落としていきたい。珈琲とお酒の刺激飲料も良いけれど、麦茶を美味しいと思う感度も大事にしたい。

SEA (Socially Engaged Art)


Socially Engaged Artというテーマがある。

ハプニング、Socially engaged practice,Social practice,Action Art 等とも呼ばれて、時期場所によって単語としてまだ定まっていない様子。ただいずれも、社会への介入の方法としてアートの観点を取り入れるもの。アートの形態というよりは、活動の形態に近い印象を持っている。作品が行動になり、行動が作品となっているものもある。

アーツ千代田311では2017年にソーシャリーエンゲージドアート展が開かれていた。このテーマでのまとまった展示参加したのは初めてだった。

中でも印象に残っていたのは、ペドロ・レイエス。

彼の銃を溶かしてスコップにして、植樹していく作品、『Imagine』では麻薬カルテルで使われていた武器の一部を楽器にした。ネガティブなものをポジティブに変えていくことを目指しているそう。

開発途上国での労働搾取問題で、商品の流通ルートにメス入れるフェアトレードでは、商品そのものと、伝え方で問題を想起させる。『Imagine』では、素材そのものが強くて、量産する必要も届ける必要もない。ただ問題を問題として重すぎて伝えて対象を狭めない。質量あるモノが皆に直接届かなくても、背景伝える方法が好き。

そういえば『楽器と武器だけが世界を人を殺すことができる』という本思い出した。音楽は偉大。

アルテス・ムンディ賞

SEAについて急に思い出したのは、アルテス・ムンディ賞の受賞記事をみていて、日本から小泉明郎さんが受賞されたから。最終選考に残った6名の共同受賞のようです。おめでとうございます。

その他の受賞者は、Dineo Seshee Bopape, Prabhakar Pachpute, Carrie Mae Weems, Beatriz Santiago Muñoz, Firelei Báez。知らなかったアーティストも多い、また休みに作品調べる。

小泉明郎さんは、あいちトリエンナーレ2019『縛られたプロメテウス』で知ったアーティスト。共感し得ない痛みを伝える強い作品で覚えている。直近では"Angels of Testimony"のビデオインスタレーションがThe Guardianでも取り上げられていた。日本が中国占領期での残虐行為について語るもの。受賞から数日経つけれど、報道されていませんね日本。

Socially Engaged Artの話になると、1990年代ニコラ・ブリオーが『関係性の美学』で提示していることはよく話題に出る。作品そのものだけでなく、対話と観客の参加そのものに価値を見出していく動き。

芸術作品というと特定のコミュニティ内に収まるけれど、多くの人に議論呼び起こす仕組みや取り組みはとても関心がある。少しの違和感と異なるものを伝える方法にアートが入るのいい。

雑記

少し前、絵に関心持ったきっかけ考えてた時に、『魔女の宅急便』の森の中でカラスの絵を描いていたウルスラのシーン思い出した。

カラスって街中のゴミ漁ってる鳥の印象強いじゃないですか。でも彼女は「お前綺麗だよ」って言って描いていた。その感覚は当時の7歳ぐらいの自分にはちょっと違和感で面白くて、よく理解出来ないけどカッコいいと思った記憶。

Socially Engaged Artの作品に触れていると、無自覚でいることの裏にあるものの深さと広さに気づけるのでこれからも注目です。

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