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マーラー交響曲第5番第4楽章

アダージェットという名称でも呼ばれるこの曲は、本当に美しく、哀しい旋律だ。古くから映画などでも使われている。特に有名なのは「ヴェニスに死す」

家ではほとんどテレビは見ないが、おまかせ録画されているクラシック音楽の番組を見ていた。たまたまこの曲が流れてきた時、ちょうど彼とのこの半年間のメッセージを読み返していた時だったこともあり、涙腺崩壊。たった半年間だったけれど、私だって彼のことは好きだった。会いたくてたまらない日々を過ごしつつ、彼の身体のことや仕事のことを考えると、ひたすら我慢していた。その我慢が彼を増長させていたのか?

今まで経験したことのないオンライン授業のスタート前、仕事でのプレッシャーのため不眠症になった時、励ましてくれたのは彼だった。誰だって怖いよ、ミスも仕方ない状態なんだから大丈夫!と背中を押してくれ、毎日メッセージで励ましてくれた。たまに会えた時は本当に優しかったこと、いろんなことを思い出した。まさしく走馬灯のように。あの時のあの言葉、あの日の眼差し、彼との時間。それが全てウソだったのかと思うと、なさけないという思いと、哀しみと、悔しさと、ただただ苦しい。なんで一途に思っていただけの私がこんな目に遭わなくてはならないのか?なんで人として最低のことをして、人の気持ちを弄んだ彼が何も失うこともなく、今までと同じ毎日を過ごしているのだ?こんなことを思ってしまう自分が嫌だ。

この映画はまだ見たことがないのだけれど、いつか必ず見たいので、あえて内容など検索していない。長い人生を振り返った時に、私はこの夏の日々のことを懐かしく思えるのだろうか?人を憎むことなく、人の不幸を願うこともなく、私はただただ真っ直ぐでありたい。それがたとえやせ我慢と言われようとも、それが私のプライドだ。

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