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経営者が金儲け目的だった放デイの職員でした。 (6)

 施設がオープンし始めると、空きがあるということで見学の予約が舞い込んできました。
当時は1つの学校に対し、3キロ圏内近くにあるデイが3つあればよい方でした。特に都市部はテナント料や駐車代も高いため、新規の施設は少なかったように思います。口コミで「空きがあると聞いて」と同じ学校の子たちが見学をしていきました。私がいた施設は、特別支援学校が近くにあり難聴の子たちも見学があった。

 施設の特色もまだはっきりと出ていない時期で、支援内容も「集団療育」と言っている割には契約は2人で説得力無しだった。また、年齢等にもターゲットを絞ることもしていなかったため、見学予約の欄にも誰でもOKという見出しで謳っていた。
 介護施設や保育園の勤務経験のあるものしかいなかったため、見学対応でも難聴の子に対する支援の具体的な内容を話すこともできなかった児童発達支援管理者。初めて見ると話し合うことが足りていなかったと気づき、何のためのコンサルなんだとも思った。

 当時、学齢期に利用するデイサービスの役割として主に「児童館に預かることが難しい子の通所」がメインだった。そのため、夕方までお仕事をしたい場合や他の兄弟への時間にするなどという理由がほとんどだった。
 空きがあれば最低限の支援をしてもらえるなら入りたい人がほとんどで、デイに強く求めるものは「送迎」という人もたくさんいた。

 経営者には見学後にどんなサービスを求め、相手の感触を児発管が伝える。うちの施設は児発管が見学対応をすることになっていたためだ。
最初は空きがあるため、どんどん契約して構わないと言う。しかし、特別支援学校の子たちの中には難聴や視界が狭い子もいる。戸外活動を謳っている施設で、声をかけても気づけない子と集団療育するというのは 今現在3人しかいない職員では、送迎で抜けることを考えてもすぐに限界が来る。ましてや子どもの支援自体が未経験なのが内、2人。

 特別支援学校は近所に住む子だけが通っているわけではない。保護者が朝に遠くの家から送迎して通学する子も多い。帰る方向が同じでない場合には、車を別々にして送らないと自分たちが帰る時間が遅くなる。記録も書かなければならないし、掃除もしなければならない。単純に人が足らなくなるのです。子どもを夕方1時間乗せたりするのはトイレの問題もあるし、私はすごく嫌だった。冬になると更に時間も掛かるようになるし、定員MAXの時が来た時に子どもも私たちも大変になる。

 曜日でエリアを固定するデイもあるが、経営者はどんどん契約をしろと言っていたようで、どんどん児発管は増やしていった。賞与は契約数によると話していたらしい。

 保護者にすると、どうせなら5時間授業の日に通わせたいと思うのでみんな同じ曜日になってしまった。

お掃除係の実習を体験した保育士さん、きちんとした指導・教育を受けられずも頑張る支援者さん…など現場に困り感を持っている方へサポートすることで、子どもたちに還元されるものがあるのではと信じています。よろしくお願いします。