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フジロッカーデビューの巻

2023年の夏、憧れ続けていたフジロックに初めて参加しました!

それから秋学期が始まり授業もろもろで忙しかったので、自己満足の備忘録を今作ります。(半年以上の遅れなんて気にしない…!)

フジロックといえば、音楽を愛する身としては、人生に一度は行っておきたいフェス。とはいえ、大阪に住む金欠大学生にとっては、新潟の山上で開催されるフジロックに参加するなんて夢のような話だった。

そんなときに偶然テレビで放送されていたのが、フジロックで働くボランティアに密着した番組。それを見た瞬間「これだ!」とビビッときてしまい、2023年のボランティア募集が始まると同時に応募フォームを埋めて送信。運良く参加が決定した。


スタッフジャケットやTシャツ、タオルがもらえて、宿代も食費も東京からの交通費も無料。しかも休憩時間には自由にライブを見れる。こんなにもうまい話があるのか、新手の詐欺ではないかと半信半疑になりつつ、夜行バスで東京へ向かった。

1日目! 7/28

結果全く詐欺などではなく、東京の集合場所に親切なスタッフさんが待っていて、バスで1日目の夜の会場へ到着。山の上の会場に着くと同時に人だかりとそれを照らすネオンが見えて、フジロック初日の夜の熱気に圧倒された。

宿泊所でジャケットとパスを受け取り、活動は翌日から。一応スタッフなので、会場へは3日間スタッフパスで入場する(こういうのテンション上がる)。その日に出会った同世代の女の子2人と、軽く会場を見てまわった。クリスタルパレスという広場にあるサーカス小屋に入ってみると、ミラーボールが回り大音量で音楽が鳴り響いていて、すっかりパリピ気分に。出店を回って、ちょっと下手な大道芸を見ながら五平餅を食べたりもした。

ちなみにフジロックの会場は途方もなく広くて、端から端まで歩くと1時間かかるらしい。(これに連日苦しめられることになる。)初日は公式アプリに入っているマップと格闘しながら、ステージの位置関係をだいたい把握していった。

とにかく横長!

私は夜から朝まで活動するナイトコースで参加したので、2日目からは激動の昼夜逆転生活を送ることとなる…。

2日目! 7/29

夜までは自由時間。もうワクワクが止まらず、早起きして宿泊所を出発。ずっと行ってみたかった朝ヨガへ。みんな疲れていて誰もついてきてくれなかったので、1人で会場の端にあるPYRAMID GARDENに向かった。

実は私も格安夜行バスと1人東京建築巡りが祟り、この時点でわりと寝不足だった。よく考えると寝不足の体でヨガをするって健康にいいののか悪いのかわからないなぁと思いつつ、インストラクターさんの言うままに体を伸ばしていった。

芝生に寝転ぶのって何年ぶりだろうな〜としみじみ思いながらも、太陽がすごく眩しい。山上の会場は涼しいと聞いていたのに、朝からこんなにも猛暑だとは…  早速行く末が思いやられてしまったけど、朝ヨガはとても気持ちが良かった。

1日目の最大のお目当ては、羊文学。殺気を増す日差しに耐えながらグッズを買い、ライブの時間までもう一方の会場の端へ行ってみようと思い立った。

通り、FIELD OF HEAVENを通りがかった時に聴こえてきたのは優河さんの「夏の窓」。なんて美しい歌声だろう。湿度の高い夏に似合う伸びやかな声で、思わず聴き入った。他にもFM802のヘビロテで気になっていたd4vdをチラッとみたりした。

そして15時頃、念願の羊文学のステージへ。
夏フェス衣装の美しい2人と、相変わらず全身黒で顔の見えないヒロアさんが登場し、曲が始まる。「マヨイガ」「光るとき」などのヒットソングも含めて、色とりどりの曲が爽やかに、エネルギッシュに響く。

個人的に特に思い出深かったのが、3曲目の「人間だった」。たしかこの曲は2021年のレッドマーキュリーでも歌っていた曲。

もっと便利にもっと自由に
なにを得て何を失ってきたのだろう
怖いものはない 怖いものはないのかい
忘れないで自然は一瞬で全てをぶち壊すよ

人間だった/羊文学

2021年にはこの部分をもえかちゃんが凄まじい気迫で歌っていて、息を呑んだのを覚えている。やっぱり自然に囲まれたフジロックの会場で歌われるのに相応しい曲だ。山の中にあるこの会場だからこそ、都会での日常生活で埋もれてしまっている人間の感覚を取り戻すことができる気がする。

羊文学は高校生の時に「1999」で出会い、みるみる躍進して今やフジロック最大のGREEN STAGEを満員にしている。大きくなったな〜と誰目線なのかわからないことを思いつつ、リバーブの効いた爽やかでいて力強いバンドサウンドに浸る。この日もボーカルもえかちゃんの声はたしかな説得力を持っていた。


かわいすぎる羊ちゃんT🐏

朝から夕方まで楽しみすぎてしまったが、ここから朝まではボランティア活動。このボランティア活動というのは、会場で出たゴミの分別をする活動。各所に設置されていうるエコステーションという名のゴミ箱テントに立って来場者のゴミの分別をサポートする。

実際にスタッフになってみて実感できたのは、音楽フェスのような大勢の人が集まるイベントではゴミが大量に出るということ。当たり前のように聞こえるかもしれないけど、百聞は一見にしかず、実際にペットボトルやゴミ袋の山を目の当たりにするとその重量に圧倒される。

今でこそクリーンなフェスだと言われるフジロックだけど、始まった当時はゴミが散乱し放題だったそうで、それを改善するために環境団体などによる対策が始まったそう。やっぱり大型フェスは基本的に環境に良くないのだろうなと思うけど、それでも年に一度の日本最大の音楽祭を受け入れてくれる会場と主催者の方々にあらためて感謝の気持ちを持った。私も今回の活動で、少しでもフジロックの役に立てたのなら良かったな。

エコステーションから見れたLizzo♡


深夜になり、活動も折り返しというところ。束の間の休憩時間にはライブを見に行ったり、班の女の子とクレープを食べたりした。

何度目かの休憩で苗場食堂のステージから聴こえてきたのが、カムバックドーターズというバンドの声。「please, please, please」という曲らしい。フレーズがとても印象的で、一瞬で引き込まれてしまった。完全に忘れていたけど、その日の日記にも書いてた。

眠いはずなのに眠くない
夜は涼しくて
カムバックドーターズの音楽が心地よい
でもさみしい
何をしている時もどこかさみしい
良い音楽や美しい建築や自然ではうまらないものもあるらしい

活動が終わった後はシャワーを浴びて、倒れるように眠った。

3日目! 7/30

14時くらいに起床して、朝ごはんを探す旅に。朝食に適したものが会場になさすぎたけど、野菜を求めてケバブを食べた。正直めっちゃ寝不足だ…。

でもまだまだ行きたい場所があるんだ!と自分に喝を入れつつ、この日はROTH BART BARONのステージを見に行く。フジロックの映像を見るたびに歩いてみたいと思っていた木の道を通り、FIELD OF HEAVENへ向かった。

歩いてみたかったBOARD WARK!

ROTH BART BARONは高校生の時から聴いていて、ワンマンにも行ったバンド。演奏と三船さんの歌にがっしり心を掴まれ、生きるエネルギーをまたもらうことができた。いろんなアーティストのMCを聞いたりライブを見たりしていると、やっぱりどのアーティストにとってもフジロックは特別なステージでなんだということを実感した。

フジロックでは雨が降らないことがとてもめずらしいらしい。過去のフジロックはほとんど雨が降ったらしいけど、引きが強いのか弱いのか、この年は雨がほとんど降らなかった。泥まみれになるのはごめんだと思っていたけど、ここまで暑いと派手に降ってくれと天に祈ってしまう。雨って偉大なんだ。

みんなが水を求めていたのか、川の人口密度は常に100%の状態だった。

会場をたくさん歩いた見た後、途方もなく喉が渇いていたのでポカリを買い、初日から入ってみたいと思っていた川へ降りた。川に足をつけると、冷やされた血が全身をめぐるような感覚。
ポカリって、なんでこんなにも美味しいんだろう。神が作った飲み物なのかと思ってしまう程には体に染み渡った。フェスに便乗した価格ではあるけれど、致し方ない。

3日目の夜もエコステーションに立って活動しつつ、休憩時間にはステージを回って夜の会場の雰囲気も楽しんだ。

私達のアイドルきゃりーぱみゅぱみゅ!

真夏日とはいえ山の上なので、夜は流石に寒くなってくる。寒さと眠気に耐えながら、朝4時までの活動を乗り越えた。これほど満身創痍という言葉がしっくりくることもない。しまいにはエコステーションの中で立ちながら寝てしまい、お客さんに「寝てるよ〜笑」と声をかけられてしまう始末だった。

朝方に活動が終わったかと思えば、トドメのごみ拾い。広大なGREEN STAGEのゴミを拾い集めながら、泣きそうになってしまった。あんなにも楽しいイベントの裏側にはこんな苦労があるなんて…私は人生においてゴミをポイ捨てしないことを神に誓った。

活動の最後には、班のメンバーと集合写真を撮って解散した。後日写真を見返すと、同じ班の全員が魂が抜き取られたような顔をしていて、笑ってしまった。

フジロックでの出会い

今回のボランティア活動で1番仲良くなったのが、同い年で音楽の趣味も合う、おしゃれでかわいい東京の女の子。同じグループで同じ部屋だったので、多くの時間を一緒に過ごした。何より「ただただライブを見たい」という同じもくろみでこのボランティアに参加していたので、すぐに意気投合してしまった。別グループで参加していたその子の友達もまたまたおしゃれ美少女で、「シティーガールすげぇ〜」と大阪から来た私も完全に田舎者モード。また今年のフジロックでも会えるといいな。

その他にも色々な出会いがあった。フジロック名物であるパンダマンに会ってとシールをもらったり、エコステーションでお客さんとお話ししたり。

あとは、ここに書ける内容ではないけれどとっても素敵な方に出会ってしまい、そこから私の生き方が少しだけ変わり始めた気がする。人との出会いがもたらすものってとても大きいんだな。

4日目 帰宅

なんとか体を起こし、長い帰路を経て大阪に帰還。
めっちゃ疲れた。めっちゃ暑かった。めっちゃ焼けた。活動がしんどすぎて、もう二度と来ないかもとも思った。でも、学生のうちにフジロックに行けるなんて思ってもみなかったな。

あの三日間を思い返してみると、今ここで生きているという実感で満たされている毎日だった。全ての思い出に人と音楽が溢れいてる。会場では大の大人たちが、子供のように目をキラキラさせてアーティストを見ていた。多くの音楽好きがこのフェスに取り憑かれる理由がよくわかったし、私も例外なく文字取り憑かれてしまった。


会場を作る側としても観客としても参加できて、とてもいい経験になった。これにてフジロッカーデビュー完です!!

最後の日、ボランティア終わりにゲートを見上げると「SEE YOU 2024 ‼︎」の文字。来年もきっと参加してしまうんだろう。

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