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育休取得率男女100%はなぜ実現できたか|読書note「ピジョンの子育て」

今回はいつもとは毛色の違う1冊を。

1,こんな本でした

育児用品ブランド「ピジョン」

男女問わず育休取得率100%のこの会社では、子供が生まれたら「育児レポート」の提出が義務付けられているという。

その「育児レポート」の一部が、漫画などを交えながらまとめられたのが本書。

出産・育児に立ちはだかる様々な課題や時にはその乗り越え方法が赤裸々に語られていて。アラサーOLとしては非常に興味深い1冊でした。

2,心に響いた言葉

とはいえ、一番印象に残った言葉は育児レポートの中身ではなく…

ただ、この制度、今でこそ男性社員の取得率100%なのですが、2014年頃までは30%前後で推移していました。何とか取得率を上げていきたいと試行錯誤し、考えた結果「取得ができない場合は、その理由を所属長が社長へ直接報告する」というルールを導入しました。すると、それ以降、突然100%にアップしたんです

選ばせたい方をデフォルトにして、
そうでない方を選ぶ場合には何らかの手続きが必要なようにする。

これはナッジ理論(「人々が強制的にではなく、よりよい選択を自発的に取れるようにする方法」を生み出すための理論)の中でも有名なものの1つですね。

ジェネリック医薬品も確かデフォルトをジェネリックにすることで導入率を上げているはず…(論文は見つかりましたが、実際これで成果が上がったかどうかは見つからず:https://cir.nii.ac.jp/crid/1390001205344551936

あと臓器移植のドナー同意も、同意をデフォルトにしている国とそうでない国でかなり同意率に差があるとか。

理論として聞いたことはありましたが、なるほど、会社の制度浸透にも使えるのかというのは目からうろこでした。

3,NextAction

今のところ「導入率/同意率を劇的に上げたい何か」はないので使う機会はないですが…今後、そういう場面に出くわした時のアイディアとしてストックしておきます。

ちなみに、本書のメインは「出産・育児」の実例なので。
「そういうお相手ができたときには読んでもらうこと」もActionですかね。

4,こんな人におすすめ

子供がいる、子供を持つ予定がある人には男女問わずおすすめです。

出産・育児に苦しむ女性のエッセイは世に多いイメージですが、
本書では家事・育児に参加した男性視点の話も豊富。

こういうところにつまづきを感じるのか。
こう取り組むとこの人はうまくいったのか。
など、男性が家事・育児に参加しにくい理由や成功事例を見られるので、

家事・育児に参加したいけれどうまくいかない男性、
男性に家事・育児に参加してほしいけどうまくいかない女性。
どちらにも役に立つんじゃないかと。

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