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昭和生まれゲイと男子大学生の実話⑨ 誕生日

誕生日に連絡がなければ
もう全部諦めて
思い出も何もかも
無かったことに
しようと思ったのに。

誕生日おめでとう

と連絡が来た。

時刻は0時20分。

忘れないでいてくれたのかな。

嬉しくて少し泣いてしまった。

なんて返事をしたら良いか
分からずしばらく考えた。

「何でずっと
連絡してこなかったの?」

聞きたい気持ちを抑えて
返事をしやすいように
ちょっとふざけて返信

「嬉しくて吐きそう」

我ながらつまらない。
すごく考えたつもりだったけど。

一応それに対して
返事は来たけどすぐ終了。

その後も何度か連絡したけど
やっぱり思うように続かず。

何でおめでとうの連絡をしてきたの?

苦しい。

辛い。

生きている意味が分からなくなった。

私には何もない。
なぜか彼を失っただけで
そんな風に思ってしまった。

彼になりたかったのになれなかったから。
彼になれない自分が
この世に存在してはいけない
ような気がしたから。

明るい未来が

見えなくなってしまったから。

もうやめようと思って

ラインの友達登録を消した。


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